日本気象協会によると、今年のスギ花粉は2月上旬に、九州から関東の一部で飛散が始まります。スギやヒノキ、北海道のシラカバ花粉の飛散量は、九州から東北のほとんどの地域で例年並みか例年よりやや多くなり、北海道は非常に多い見込みです。花粉が気になる人は、飛び始める前に対策をしておきたいところ。今回は、家電ライターの田中真紀子さんに、どの場所では何を使って対策できるか、場所別の対策法を教えてもらいました。
いかに室内への侵入を防ぐかがカギ
「花粉は外気中に飛散しています。ですから、外出時の対策はもちろん、家の中に侵入させないことが重要です」と、田中さん。
花王が行った調査によると、花粉は外気中の花粉飛散量の0.1%から8%程度が室内に侵入しており、その量は一般的な生活の条件でも1日あたり約2000万個に相当するそう。一方で花粉は、20~40個吸入すると症状が出てしまうため、室内の花粉対策も重要である、としています。
家の中に侵入する経路としては、窓開けによる換気、布団や洗濯物干しがあげられます。また外出時に衣類や髪に付着した花粉を家に持ち込んでしまう場合もあります」(田中さん・以下同)
場所ごとに花粉対策の家電を使い分ける
では、どのように対策したらよいのか。その場所、そのシーンに最適な花粉対策家電を教えてもらいました。
外出時は首掛けタイプのパーソナル空気清浄機で防御
まず、外出先で花粉をブロックできるものから。
「外出時は花粉に曝露しないよう、マスクや花粉対策メガネ、帽子をかぶるなどの対策をしている人も多いと思いますが、あわせて首掛けタイプのパーソナル空気清浄機を使用するといいでしょう」
玄関には空気清浄機、車には車載空気清浄機を
そして帰宅時。室内に花粉を持ち込まないためには、玄関で一掃させること。
「帰宅時は玄関の外で花粉を払い落としてから家に入り、玄関に設置した空気清浄機を強運転にして室内に入り込まないようにします。また車に乗る場合も、できれば同じ工程を行い、車載空気清浄機を設置するといいと思います」
カーテンには衣類スチーマーで花粉のアレル物質を抑制
窓開け換気の時も、花粉が入り込まないように要注意。
「窓開けの際もレースのカーテンを閉めておくと侵入を大幅に防げるそうです。今は花粉をキャッチしたり分解してくれるカーテンもあります。花粉がついたカーテンには、衣類スチーマーの高温スチームを吹きかけることでも花粉のアレル物質の働きを抑制することもできます。
また、換気時は、空気清浄機の置き場所でも花粉の除去効果が大きく変わります。
ダイキンによると、窓から入ってきた花粉は気流に乗って窓の正面の壁にぶつかり、壁に沿って左右に広がるため、空気清浄機を使用する時は、窓の正面の隅に置くと効率的。換気中は強運転にすると、より多くの花粉が吸い取れます」
掃除機や水拭き系家電で、室内に溜まった花粉を除去
外からの侵入をどうしても防ぎきれず、花粉が床に溜まった場合は水拭きでお掃除を。
「花粉は重さがあるため、時間が経つと床に溜まってきます。掃除機をかけると花粉が再び舞い上がってしまうので、電動フロアワイパーや水拭き掃除機で拭き取るのがおすすめ。カーペットは掃除機がけしましょう。掃除機がけ後、ゴミ捨ての際に花粉が飛び散ってしまう場合もありますので、ゴミ捨て頻度を減らせる自動ゴミ収集機能付きの掃除機か、紙パック式の掃除機を使うと安心です」
洗濯物と布団は外に干さない
花粉の時期は、洗濯物と布団は室内で乾燥させるようにしましょう。
「外に布団や洗濯物を干すと、大量の花粉を持ち込んでしまうことになりますので、取り込む前にしっかり払い落とす必要があります。でもやはり花粉の季節は外干しせずに、布団は布団乾燥機で、洗濯物は部屋干しして衣類乾燥除湿機で乾かすか、ドラム式洗濯乾燥機で乾燥させるのがおすすめ。ドラム式の中には、水を使わず花粉だけを落としたり、除菌脱臭機能を搭載した機種もあります」
このように、場面によって活躍する家電は異なりますが、中でも今年田中さんが注目しているものを2点、挙げてもらいました。