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【「解約」だけではない「保険の見直し」】「下取り」「払済保険への変更」…知っておきたい“乗り換え”テクニック セカンドオピニオンを求めることも重要

いま入っている保険は本当に必要なのか検討することが重要だ(写真/イメージマート)
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50才を過ぎて人生後半戦に入る時にまず見直したいのが保険だ。いま入っている保険は、本当に自分にとって必要なのか──検討の結果、よりお得で安心度の高い商品や、これからの自分に合う商品に「乗り換え」が必要になることも少なくない。

解約した返戻金を次の保険の保険料に充当する「下取り」

保険を乗り換える際にまず覚えておきたいのが、「下取り」だ。ファイナンシャルプランナーの松浦建二さんが解説する。

「古い車を売って、新車の購入代金に充てるようなもの。解約した返戻金を次の保険の保険料に一時払いとして充当できるので、新たな保険料負担をなくしたり、軽くしたりすることができます」

ただし、もともとの保険契約時よりも年齢が上がっているため、注意も必要だ。ファイナンシャルプランナーの山中伸枝さんが言う。

おトクに乗り換えするなら「下取り」「払済保険」がおすすめ
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「下取りと同時に新たな保険をすすめられることもあるかもしれませんが、必ずしもメリットだけとは限りません。下取り以外の方法も含めて、いくつかの選択肢を比較してから決めましょう」

現時点までで保険料の払い込みを終了し、払った分の保障だけを残して持っておく「払済保険への変更」という方法もある。保障額が小さくなる一方で今後の保険料負担がなくなるので、家計の負担を減らしつつある程度の保障をキープすることができる。払済保険への変更は、一般的に終身保険で行われることが多い。

「20年ほど前までは、20代で高額な終身保険に加入する人が多かったのですが、彼らが年を重ねて環境も変わり、保険料負担を重く感じるようになってきたいま、払済保険にして負担を減らしつつ、一生涯の保障を残す選択を取る人が増えています」(松浦さん・以下同) 

ただし、この場合は本当に保障を小さくしていいのかよく考えること。

「場合によっては、新たに掛け捨てで保障の小さい別の保険に加入した方がいいケースもあります」

保険料負担を減らす方法としては、先に保障金額を減らす「減額」を選ぶのも一手だ。

乗り換えも「セカンドオピニオン」を

保険の乗り換えを検討するタイミングは、ライフステージが変わったときだけでなく、「世の中が変わったとき」もポイントだと、山中さんは言う。

「医療技術の進歩に合わせた医療保険やがん保険の見直しも必要ですし、“どんな医療を受けたいのか”など、自分の考え方の変化に合わせて見直すことも大切です。さらに言うと、年金制度や健康保険が変わるようなタイミングなども、見直し時。

ライフステージが変わったときだけでなく、「世の中が変わったとき」も保険の見直しが必要になる(イラスト/河南好美)
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見直しの際は、すでに加入している保険会社だけでなく、立場の異なる2~3か所で相談し、異なる角度からの意見を総合的に判断することをおすすめします」

必要なものを、必要なときに、必要なだけ。不安ばかりが募るいまこそ、本当に必要なものを見極め、選び取る力が必要なのだ。  

※女性セブン2025年1月2・9日号

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