
5月6日の午後6時過ぎ、突然の発表にファンは喜びと悲しみの両方を一気に味わった。ファンクラブ会員向けの動画に、嵐のメンバー5人が出演。その内容は、待ちに待った活動再開と6年ぶりのツアー発表という吉報だったが、あわせて来年5月いっぱいでファンクラブが活動を終えることが報告され、ツアー終了後の事実上の解散が伝えられた。活動休止から4年半。別々の道を歩むに至る500日を振り返る。【前後編の後編】
話し合いの中で、舵を取ったのは相葉と櫻井
時計の針を今から6年前に戻す。1999年のデビューから誰一人欠けることなく、相葉雅紀(42才)、松本潤(41才)、二宮和也(41才)、大野智(44才)、櫻井翔(43才)の5人で歩みを続けてきた嵐が、突如、2020年の12月31日をもって活動を休止すると発表したのが2019年1月のこと。東京都港区のジャニーズ事務所(当時)で、5人そろって記者会見が行われた。大野がメンバーに「自由になりたい」、「自分の嵐としての活動をいったん終えたい」という思いを告げ、話し合った末に、活動休止に至ったことが明かされた。
「この衝撃の会見時に、実はメンバー間の温度差が見えていたんです。大野さんに対し、二宮さんは驚きつつも受け止め、相葉さんは“活動を続けよう”と引き止めた。櫻井さんは、動揺しながら5人で納得する結論を出すための調整役が自分の役目だと考えたそうです。
ただ、松本さんだけは“ぼくは驚きませんでした”と言い、“自分たちがいい形であるうちにグループを閉めることを考えた”と、解散という選択肢について言及したんです」(テレビ局関係者)
それぞれのソロ活動が始まると、5人は交わることなく、別の道を歩み始めた。さらに、大きな転機も訪れる。2023年春に、ジャニー喜多川氏の性加害問題が噴出すると、10月にジャニーズ事務所が解体。その後、新事務所としてSTARTO ENTERTAINMENTが設立されたが、二宮、松本が独立し、5人の距離は物理的にも広がったように見えた。

「活動休止後、5人の歩幅が完全に合っていたわけではありませんでした。中でも松本さんと二宮さんは独立していたので、マネジャーを含め、スタッフの意思統一も簡単ではなかった。しかも、松本さんはプロデュース業に力を入れたりと、“裏方”の仕事も増えていき、嵐の活動再開は遠いという声もあった。
今回の話し合いの中で、舵を取ったのは相葉さんと櫻井さんだともっぱらです。その中で、どういう終わり方にするか、5人でアイディアを出し合った。松本さんと二宮さんは意見がぶつかり合うこともあったそうです。そのたびに相葉さんや、“まとめ役”の櫻井さんが間に入り、調整していった」(芸能関係者)
長年、嵐のライブなどを演出し、プロデューサーを務めてきたのは松本だった。二宮は天才肌で、歌唱力の評価が高く、俳優業も順調。嵐の中でも活動の幅が広かった。
「誰より早く結婚するなど、自由な一面もあった二宮さんに対し、松本さんが意見をしたこともあったそうです。ただ、それは過去のこと。今回のライブについてはじっくりと話し合って、5人が納得するものを作り上げることで合意しています。やはり嵐のプロデューサーは松本さんですから。この4月、Snow Manの国立競技場でのライブを演出したのは松本さんでした。これがよい予行演習になったのではないでしょうか」(前出・芸能関係者)
タトゥーは消さない
かつてはジャニーズという同じ看板を背負ったが、いまは違う。その中で彼らをつなぎ止めたのが2024年4月に設立した株式会社嵐の存在だった。
「残留組と独立組とで分かれてしまった5人の拠点として設立したのがこの会社です。もともと最後はライブをやろうという思いは共有されていましたが、ネックとなったのは大野さんでした。
宮古島と東京を行き来する悠々自適な生活をしていた彼は、『女性セブン』に報じられたように肩から二の腕にかけてタトゥーまで入れてしまい、唖然とした関係者もいたようですが……ただ、その大野さんも最後のライブだけはやりたいという思いになったようです」(前出・テレビ局関係者)
目下、宮古島にリゾート施設を建設し、そこを拠点としている大野。両腕に入ったタトゥーは現地で隠すこともなく、国民的アイドルの風貌としてはいささかワイルドに見えた。その様子が昨年秋に『女性セブン』に報じられると、ファンの間では「もう大野くんは活動を再開する気がないのでは」などと不安の声が漏れていた。

そんな大野のもとに、足繁く通ったのが株式会社嵐の四宮隆史社長だった。昨年の夏から秋にかけて、大野は四宮社長と面談していたという。
「大野さんは東京に戻って、今後について5人で話すこともあったそうですが、多忙な5人なので、なかなか時間を合わせるのも難しい。社長が宮古島を訪れて大野さんと話すこともありました。その中で、大野さんは最後のライブをやることを了承したのです。今年1月末に社長は自身のXで『嵐は息づいている、と改めて確信した夜』と意味深長な発信をしています。この頃5人の意思は完全に固まったのでしょう。
ライブについて、彼が関係者に何度も口にしていたのが“5人の約束だから”ということ。一度離れた心を再び奮い立たせるのは簡単ではありませんが、いまの大野さんはとにかく約束を守りたい、その一心だといいます。いまのところタトゥーは消さないと聞いていますよ」(大野の知人)
嵐の活動休止は大野の「自由になりたい」という思いから始まった。いまこうして自由を謳歌しながらも、嵐のことが頭から離れたことは一度もなかったという。解散まで1年。再び5人が同じ歩幅で歩み始める。
※女性セブン2025年5月22日号