健康・医療

《老ける人・老けない人の分かれ目》無視できない「筋肉」の老化予防効果 運動不足で細胞の掃除が滞ると体内が“ゴミ屋敷化”、老化が進む負の連鎖も 

歩く力が衰えると老いが進む(写真/PIXTA)
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 年を重ねれば老化は避けられないが、そのスピードはちょっとしたことの積み重ねで遅くすることも、また逆に加速させてしまうこともある。老いを緩やかにすることなら誰にでも可能なのだ。専門家にその分かれ道について聞いた。【全5回の第2回。第1回から読む

歩く力が衰えると老いが急速に進む

 かつてはただ体を動かすためにあるとされた筋肉だが、「いまでは全身の健康に寄与することがわかってきた」と言うのは熊本リハビリテーション病院サルコペニア・栄養支援センター長の吉村芳弘さん。 

「筋肉には姿勢を維持して腰やひざなどの痛みを防ぐ、転倒を防ぐ、病気からの回復を助けるなどの老化予防効果があります。

 実際に私の患者が同じような治療やリハビリをするケースでは、筋肉がある人とない人とでは回復具合がまったく異なります」(吉村さん、以下同)

 筋肉量が減少すると筋力や身体機能が低下する「サルコペニア」になり、複合的な要因が加わって老化がスピードアップする。

「筋肉量が少ないと活動範囲が狭まり外出を避けるようになり、社会性が乏しくなります。心理的にも自発性や積極性を失って食べる量が減り、栄養が偏るため、さらに筋肉が減って活動量が低下する。こうした負のサイクルで老いがますます進みます」

老化を進めて健康寿命を縮める生活習慣
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 同志社大学スポーツ健康科学部教授の石井好二郎さんは、運動不足によって体内の“ゴミ屋敷化”が進むと指摘する。

「体内では、傷んだ細胞内成分や劣化したたんぱく質を分解・再利用する『オートファジー』という仕組みが働いています。加齢や運動不足でこの“細胞の掃除”が滞ると、老化にかかわる変化につながる可能性があります」

 老化がさらなる老化を招く負のサイクルを断ち切るには、全身の筋肉をまんべんなく使って「貯筋」すること。吉村さんが推奨するのは下半身の強化だ。

「歩く力が衰えると老いが急速に進みます。椅子から立ち上がるハーフスクワットやかかと上げ、何かにつかまっての片足立ちなど、できる範囲で構わないので 日常生活において筋トレをする習慣をつけましょう」

 ただし気負ってやりすぎることには注意したい。医療経済ジャーナリストの室井一辰さんが指摘する。

「過度な長距離走は体にかかる負担が重く、活性酸素が増えて細胞を老化させることを複数の研究が指摘しています。特に高齢者はヨガやストレッチ、水泳や水中ウオーキングなど“心地よくなる”程度の運動が適しています」(室井さん)

老化を進めて健康寿命を縮める生活習慣
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(第3回に続く)

※女性セブン2026年7月2日号