毎日、丁寧に歯磨きをしているから歯の健康には自信があるという人も、歯ブラシだけでは完全にケアできていないそうです。
「美容と健康はセットです。健康なしに美容は成立しません」と語るのは、歯科医師で口もと美容スペシャリストの石井さとこさん。口内環境が悪いと腸などのバランスが悪くなり、全身の不調につながるといいます。そうすると、血行が悪くなり、顔色も悪くなるなど、見た目にも影響が…。
そこで、著書の『マスクしたまま30秒!!マスク老け撃退顔トレ』(集英社)でも口内の健康について紹介している石井さんが、口の中を清潔に保ち、歯を美しく保つための歯磨きのコツをレクチャー。さらに、歯ブラシと併用したいデンタルケアグッズについても詳しく教えてもらいました。
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起床すぐの口ゆすぎと歯ブラシで便10g分の細菌を追い出す!
特に大切な歯磨きのタイミングは、朝と夜。私たちの口の中には約30億から6000億の細菌が住んでいます。1日のなかでも朝起き抜けの口がにおうのは、菌がマックスの状態になっているから。その量はなんと、便10g分にあたります。
◆プロテアーゼという酵素が暴れる
これらの菌が出す「プロテアーゼ」という酵素は、細胞膜をこじ開けながら暴れ、インフルエンザなど外からのウイルスや菌が侵入するのを手伝ってしまうのです。
だから、朝起きたらすぐに口ゆすぎと歯磨きをして、菌をなるべく減らすようにしましょう。まずは口ゆすぎからスタートを。口に少量の水を含んで、グチュグチュと30秒かけてゆすぎます。そのあとで歯磨きをすると、さらに汚れと菌が流れやすくなります。歯の汚れを取るだけでなく、口の中の菌を追い払うためにも、ぜひ歯磨きを行ってください。
歯の隙間をきれいにする3つのアイテムを活用
硬質な歯、デリケートな粘膜、舌などあらゆる複雑な要素が混在している口の中。そこで、歯ブラシのあとにデンタルケアグッズを活用し、歯間や歯茎の汚れをすみずみまで落として清潔で健康な口内を保ちましょう!
◆デンタルフロス
どんなに高価な歯ブラシでも、緊密にくっついている歯間にははいり込めません。そこで役に立つのがデンタルフロス。虫歯や歯周病菌も停滞しやすく、ダメージを受けやすい歯間にはいるデンタルフロスを使うと90%近くまで歯垢除去率が上がるのです。また、歯間からの虫歯は2本同時に進行しますが、それを防ぐことにもつながります。
初めてデンタルフロスを使う場合は、ワックスでコーティングされているものがおすすめ。また、ケチらずに指からひじにかけての長さがより少し長めにカットして、歯の間を丁寧に通してください。しっかり歯磨きしたつもりでも、いかに食べカスなどが残っているかを実感できると思いますよ。
◆歯間ブラシ
歯間ブラシは歯肉に近い三角地帯の隙間に通して使います。ただし、歯茎も粘膜で繊細な部分です。何度もゴシゴシと動かすと歯肉が退縮するので注意してください。自分に合ったサイズのものを使い、すっと通過させておしまいにしてくださいね。
◆インタースペースブラシ
インタースペースブラシは、歯と歯肉の間の汚れを取るものです。先端についた細いブラシで、磨き残しやすい歯茎と歯の境目を優しくブラッシングします。
特に歯列矯正でワイヤを通している人は、歯ブラシでは届きづらい部分も多いので、インタースペースブラシを使ってしっかりと磨くようにしましょう。
夜の歯磨きはしっかり時間をかけて
寝ている間に菌が増えやすいので、特に夜の歯磨きは入念に。10分もあれば、フロスや歯間ブラシなどを使って丁寧に歯を磨くことができます。最初は面倒だと思うかもしれませんが、ぜひ夜の歯磨きの習慣にしてみてください。
教えてくれた人:石井さとこさん
いしい・さとこ。歯科医師。口もと美容スペシャリスト。歯のホワイトニングを日本で広めた第一人者。歯と体を美しく保つための食事や、歯が美しく見える口もとメイクについてのアドバイスに定評がある。2005年から2012年までミス・ユニバース・ジャパン ナショナルディレクターからの要請で、歯をプロデュースするオフィシャルサプライヤーを務める。女優・モデル・タレント・アナウンサーなど、多数のビューティセレブからの信頼も厚い。最新著は『マスクしたまま30秒!!マスク老け撃退顔トレ』(集英社)。
https://www.cosmekitchen-webstore.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?pid=4571499050365&cat=&swrd=
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