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梅雨時の強い味方『部屋干し除湿器』、コスパやお手入れの手間は?【スマート家電レビュー】

雨が続き湿気の多いこの時期。部屋干しの洗濯物がなかなか乾かず、湿気によるカビの発生やダニの繁殖も心配ですね。こうした問題を解決してくれるのが、最近ラインナップが増えてきた、除湿と部屋干しの1台二役を担う衣類乾燥除湿器です。

家電ライターの田中真紀子さんがおすすめするのは、レコルトのコンプレッサー式除湿機『部屋干し除湿器』。除湿して乾いた風を洗濯物に当てることで、効率よく洗濯物を乾かしてくれます。

レコルト『部屋干し除湿機』が置かれたコンクリート壁の部屋の一角
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消費電力が低く、夏場に最適なコンプレッサー式除湿器

「除湿機の除湿方式は主に3タイプ。電気代が安く、気温が高い夏場に除湿能力が上がる『コンプレッサー式』、ヒーター使用で電気代は高いものの冬場の除湿に強く、コンパクトで軽くて稼働音も低い『デシカント式』。そしてこの2つのメリットを合わせた、1年中除湿力が高くて無駄な電気代も抑えられる『ハイブリッド式』です。

この3タイプの中で、湿気の多い今の時期に集中的かつ安価に使うなら、コンプレッサー式がおすすめ。レコルトの『部屋干し除湿器』は、コンプレッサー式の中でもお手頃価格で、クローゼットにも使いやすい小ぶりなサイズが特徴です」(田中さん・以下同)

レコルト『部屋干し除湿機』と本と観葉植物などが置かれた部屋の一角
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玄関やクローゼットにも起きやすいコンパクトサイズ

サイズは幅25.5cm×奥行22cm×高さ49 cm。

「最初に見たとき、除湿機としては思った以上にコンパクトだと思いました。このサイズなら、クローゼットや靴箱、脱衣所などちょっとしたスペースの除湿にも便利ですよね。グレーというカラーも珍しく、今までの除湿機とは違った印象です」

使い方は、まず空のタンクを入れ、運転モードを選択します。運転モードは、目標湿度に調整する「ADJUSTモード」、洗濯物を早く乾かす「Dryモード」、夜間に静かに運転する「Sleepモード」の3タイプ。使い始めると吸湿するにつれて容量2Lのタンクに水が溜まります。満水になったらタンクの水を洗面所やお風呂場に捨てて、再びタンクをセッティングします。

レコルト『部屋干し除湿機』に溜まったタンクの水を洗面台に出しているところ
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タンクの水を捨てる作業を省きたいなら、そばに大型のバケツを。排水コードからバケツに水を流し込めば、満水ごとに水を捨てる必要がなく、長時間連続使用ができます。浴室で洗濯物を乾かす場合は、ホースを浴室に流し込めるためバケツは不要になります。

では、使い勝手はいかがでしょうか? 田中さんに、実際に使ってみた感想を5つの視点から教えていただきました。

【使用感】送風範囲は前後90度のみ。少量の洗濯物や除湿には◎

まず、使いやすさから。

「シンプルで複雑さがないので、初めてでも直感的に使えます。ただ、水を捨てたあとの水タンクが、スッと戻せないのが軽いストレス。ガチャガチャと押し込んで、やっとはまります」

部屋干し機能や、除湿機能はいかがでしょうか。

クローゼットのドアが空いた状態で前にレコルト『部屋干し除湿機』が置かれている部屋の一角
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「部屋干しで使う場合、洗濯物全体に風を送りたいですよね。実際、高級モデルの中にはルーバー(風を送り出す部分)が自動で左右に動き、幅広く干した洗濯物にも風が当てられるものもあります。その点、この製品はお手頃価格な分、送風範囲は限定的。ルーバーは前後90度まで向きを変えられるものの、左右には動かすことができません」

ワイドな部屋干しにはやや物足りない面も。とはいえ、除湿機能は高いため、乾燥機能は問題ないそうです。

「除湿能力は1日6~7Lで50~60Hz。この価格帯の除湿機としては十分な能力といえます。実際、我が家では家族3人分の洗濯物を浴室に干し、電源コードを挟まないように扉を軽く閉じて干してみました。その結果、すべての洗濯物に風を当てることはできなかったものの、浴室内全体の湿度が下がったこともあり、およそ5時間でほぼ乾燥させることができました」

部屋干し機能をメインで使うなら、毎日こまめに少量ずつ干すご家庭に向いているといえるでしょう。

【手軽さ】タンク容量は2L。取り換える頻度は多いが持ち運びはラク

さて、使用前から、使用後までの手軽さはいかがでしょうか。

「見た目はコンパクトですが、コンプレッサーを積んでいるため、重量は10.8kgと予想以上の重さです。ラクに移動できるようキャスターがついているとはいえ、押して動かすには小さく、結局持ち上げて運ぶことになりました。一応背面に手がかけられるくぼみはありますが、何しろ10kg超なので、片手で運ぶのは大変です」

レコルト『部屋干し除湿機』を移動させようとしている女性の手元
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腰をかがめて押して動かしたり、手で持ち運ぶのが負担な人は、脱衣所なら脱衣所と、同じ場所に固定しておくといいでしょう。その点、圧迫感がなく、空間になじみやすい小ぶりな外見なのは助かります。

なお、タンク容量は2L。負担なく捨てに行ける重量ですが、取り換える頻度は多く、連続使用する際には注意が必要です。

レコルト『部屋干し除湿機』の背面
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「途中で満水になると自動でストップしてしまうので、私は5時間の間に一度、水を捨てに行きました。お試し用の細い管の排水ホースは付属されていますが、できればより強力な排水用ホースを購入することをおすすめします。ホースを使ってバケツや浴室に常時排水できるようにしておけば、満水を心配することなく、外出中も連続使用できます」

【時短】洗濯物が早く乾き、湿気対策にも

「部屋干し除湿器を使うことで洗濯物を早く乾かせるため、時短にはなります」と、田中さん。

リビングのソファの近くに置かれたレコルト『部屋干し除湿機』
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「他の高額モデルに比べてパワフルさは落ちますが、乾燥性能は確か。ただ、パワフルかどうかにかかわらず、部屋干しするなら絶対に除湿機は使った方がいいでしょう。早く乾くことによって、洗濯物の生乾き臭だけでなく、室内が湿っぽくなることも抑えられるからです」

【コスパ】除湿器の中ではお手頃価格で、消費電力も低い

価格は2万7500円(税込)。

「除湿機にしてはリーズナブルですし、コンパクトな見た目のわりに乾燥性能は予想以上でコスパは抜群。電気代の安さも魅力です。今までは浴室乾燥機能を使い、電気代が1時間あたり約30円×5時間で約150円でした。それがこの除湿機は、1時間あたり約4.4円×5時間で約22円。圧倒的に電気代が抑えられます」

【意外性】インテリアになじむ”除湿器っぽくない“デザイン

意外性はやはり、一般的な除湿器とは一線を画す、コンパクトでインテリアになじむ外見。

「レコルトの除湿機と聞いて、今までとはかなり違ったジャンルを手がけたことに驚きました。また、レコルトらしい、コンパクトかつインテリアの中で浮きにくいグレー色の外見も、一般的な除湿器の中ではとても新鮮です」

長時間部屋干しをしている人、クローゼットなどの湿気が気になる人はぜひ持っておきたい一品。特に、脱衣所や靴箱などをピンポイントに除湿したい人には重宝するでしょう。

【DATA】

レコルト『部屋干し除湿機』
販売価格:2万7500円(税込)
販売場所:楽天市場やAmazonなどのECサイト、レコルト公式オンラインショップほか
https://recolte-jp.com/products/dehumidifier/

教えてくれたのは:家電ライター・田中真紀子さん

田中真紀子
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白物家電・美容家電を専門とするライター。雑誌やウェブなどの多くのメディアで、新製品を始めさまざまな家電についてレビューを執筆している。
https://ameblo.jp/makiko-tanaka89/

取材・文/桜田容子

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