「電気調理鍋といえば、大ブームの『ヘルシオホットクック』のように材料と調味料を入れればあとはお任せで調理してくれる鍋を思い浮かべる人が多いでしょう。ところが本来は、電気の熱源と鍋がセットになった、主に卓上で鍋料理をする際に使用することが多い鍋を指していました。近年、この旧来型の電気調理鍋に、新しい動きが出ています」(田中さん・以下同)
こう話すのは、家電ライターの田中真紀子さん。詳しく聞いてみましょう。
電気ケトルやたこ焼きプレート、グリルとしても使える卓上用電気調理鍋
「昔ながらの電気調理鍋は、本来の用途のように、卓上で調理しながら食べることができます。このタイプの鍋が、最近、『○○だけど鍋としても使える』といった1台2役、3役を兼ねるようになったのです。
具体的には、下記のように電気ケトルとしても使える卓上電気鍋、ホットプレートとしても使える卓上電気鍋などがあります。卓上鍋としての機能はもちろん、どのような使い方ができるかプラスアルファの部分は各社の腕の見せどころです」
“進化型”の卓上用電気調理鍋にはどんな商品があるのでしょうか。田中さんのおすすめを教えてもらいました。
【1】 シロカ『おりょうりケトル ちょいなべ』
その名の通り、電気ケトルとしてお湯を沸かすだけでなく、鍋として料理もできる、電気ケトルと鍋が融合した商品。
「1200Wの高火力で、電気ケトルとしては、容量1Lの水なら約7~8分で沸かせます。さらに間口が広く、ガスコンロを使わず1~2人で鍋をしたり、見た目が鍋っぽくないため卓上でインスタント麺を作ってそのまま食べたりすることができます。フタに湯切りが付いていて、パスタを茹でるときも便利。また、40・60・80・100℃で温度設定ができるため、テーブルでのチーズフォンデュやお酒の温め(熱燗、ホットワイン)にも使えます。もちろん、丸洗いも可能」
インスタント麺を作ってそのまま食べられるコンパクトサイズ
サイズは幅28×奥行20×高さ19cmで、鍋の中ではコンパクト。
「ダイニングテーブルや保管場所のスペースに余裕がない人におすすめしたいのはもちろん、調理の補助アイテムとしても持っておくと便利です」
【2】BRUNO 『オーバルホットプレート』
最近増えてきている深型ホットプレート。ホットプレートにも鍋にもなる商品として人気が出ています。
「ホットプレートといえば焼肉やお好み焼きなどの鉄板料理、プレートを変えてたこ焼きも作れる、というのが定番でしたが、近年はそのホットプレートのプレートを深型にしたり別売りにしたりすることで、鍋料理も楽しめるタイプが増えています」
鍋としても使える深型ホットプレート
深鍋がセットになっているオーバルホットプレートは幅39×奥行26×高さ15cm。コンパクトで使いやすいサイズです。実用性だけでなく見た目やサイズも重視したい人にも嬉しいデザインですね。
「ホットプレートの深型化の代表格とも言えるのが、鋳物のようなデザインも人気のBRUNO。深鍋付属モデルを購入、あるいは別売の深鍋を買い足せば、いつもの鍋もパーティー仕様でおしゃれになります。家族や友人と食卓を囲む機会が多いなら、ホットプレートにも鍋にもなる1台2役のこちらがおすすめです」
【3】テスコム『テーブルクッキングポット TGP70A』
こちらは、昔ながらの卓上グリル鍋に見えますが、実は「煮る」「焼く」「蒸す」の調理ができるマルチモデル。
「容量は多めの3.5Lなので鍋としての活躍はもちろん、プレートを変えれば焼肉やたこ焼きも楽しめます。さらに無水調理専用のパッキンをフタに装着すれば無水調理も可能。野菜を蒸せば甘味が引き出されるため、野菜をたくさん食べたいときにも便利です」
無水調理もできる、ガス&IH対応のグリル鍋
忙しい時は手間がかからない鍋料理を選びがちな人も、卓上で使える1台2役、3役の鍋があれば、献立のバリエーションが広がりそうです。
「深鍋はガスにもIHにも対応なので、家庭のコンロ様式を問わず、キッチンでスピーディーに下ごしらえができます。その後は、そのまま卓上へ。前述の通り使用範囲は広く、容量も多いことから、ファミリー世帯で重宝しそうです」
◆教えてくれたのは:家電ライター・田中真紀子さん
白物家電・美容家電を専門とするライター。雑誌やウェブなどの多くのメディアで、新製品を始めさまざまな家電についてレビューを執筆している。https://makiko-beautifullife.com
取材・文/桜田容子
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