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人気整理収納アドバイザーが片付け下手な人に「最低限やっておこう」と提案する3つのポイント

きれいに片付いたリビング
整理収納アドバイザー・kayokoさんの家のリビング&ダイニング。ズボラでも整った暮らしができる?(Ph/『暮らしが整う「片付けない」片付け』(アスコム)より)
写真5枚

なかなか家を片付ける時間がない、片付けをしっかりやっているはずなのにすぐ部屋が散らかってしまう、という人は片付けに対するハードルが高すぎるのかもしれません。そこで、インスタグラムのフォロワー数11万人超えの整理収納アドバイザー・kayokoさんが行き着いた考え方について、著書『暮らしが整う「片付けない」片付け』(アスコム)から学びます。

暮らしやすい家は邪魔なものがない家

もともと部屋を片付けるのが苦手だったkayokoさんは、マイホームを持つことをきっかけに生活系のインスタグラムを見始めて、整理収納に目覚めたそうです。

いろんな写真を見て、素敵な暮らしのためには立派な設備やおしゃれなモノではなく、むしろ邪魔なモノがないことが重要であるということに気づきます。

片付いたデスク
邪魔なものがないのが暮らしやすい家(Ph/Photo AC)
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整理収納の基本を守るのはハードルが高い?

しかし、「余計なモノを処分する整理」「モノの定位置を決める収納」という整理収納の基本自体、ハードルが高すぎて挫折している人も多いとkayokoさん。

「余計なモノは処分したほうがいい、とわかっていても捨てられない…」「定位置を決める、と言われても具体的にどうすればいいのかわからないし大変そう…」そんなハードルを越えた、kayokoさんの整理収納のコツとはどんなものなのでしょうか?。

きっかけをキャッチすること

日々の生活の中でのイライラやモヤモヤ、なんとなく引っかかったり、嫌だと感じたりした小さな「暮らしにくさ」をキャッチしてひとつずつ改善していくことが、素敵な生活につながっていきます。

「こうすれば理想的」にとらわれない!整理収納3つのポイント

「こうするのが理想的」という思い込みにとらわれず、kayokoさんは「最低限これで整う」というズボラなやり方を提案します。整理収納のハードルを下げるkayokoさんの考え方には3つのポイントがあります。

その1「使っているもの」と「使っていないもの」に分ける

整理収納の目的は捨てることではなく、暮らしを快適にすることです。

「捨てることがストレスになったり、そこで手が止まったり、悩んであとあと後悔するくらいなら『捨てない』という選択肢もあります」(kayokoさん・以下同)

まず、「今使っているモノ」「毎日もしくは定期的に使うモノ」「次に使うことが具体的にわかっているモノ」を、必要最低限の個数に絞って普段生活するエリアに置きましょう。

パンパンの押し入れ
今の暮らしに必要ないものは部屋に出しておかずに、あまり使っていない収納へ(Ph/Photo AC)
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それ以外の今の暮らしや自分に必要ないモノは、捨てるか、あまり使っていない部屋の押し入れなどにしまっておけば、ものであふれていた生活スペースが使いやすくなり、スッキリ整います。

「大好きなモノ、大切に思うモノ、高かったモノこそ、ぜひ普段使いにしましょう。そうでないモノは思い切って処分するか、生活エリアの外へ」

好きなモノを“持っている”ではなく、好きなモノを使う暮らしこそ、好きなモノに囲まれた暮らしといえると kayokoさんはいいます。

その2 使っているモノを見える化する

使っているモノを収納するときは、「使いたいときにパッと見えて、すぐに取りやすいように置いておく」ことで、日常の面倒が激減します。

文房具
よく使うものは手に取りやすい場所に(Ph/Photo AC)
写真5枚

さらに、“使う場所に一つずつ”置くことがベストです。例えばkayokoさんは、ハサミならダイニングテーブルでの作業用にひとつ、キッチン用にひとつ、手紙やダンボールを開ける用に玄関にひとつ…と用途ごとに用意しています。

さらに、自分や家族それぞれが一番よく使うモノを、その人がもっとも使いやすい場所に置きます。kayokoさんはその場所をゴールデンゾーンと呼んでいます。どこにあれば使いやすいのか、感じ方は人それぞれなので、生活動線などから定位置を決めていきましょう。

「ゴールデンゾーンとは、しゃがんだり、何かに乗ったり、かき分けたりしなくても、パッと目に入って、つい手が届くところです」

整頓された食器棚
ラベルを貼って見える化するのが収納のコツ(Ph/『暮らしが整う「片付けない」片付け』(アスコム)より)
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モノの場所を決めたら見える化して、より手に取りやすいようにすることで出し入れの面倒がなくなります。「仕切る・立てる」「ラベルを貼る」「詰め込まずに2~3割のゆとりを維持する」というコツで、モノを見える化しましょう。

その3 片付けではなく戻すという意識を持つ

日々の生活で必要なものが格段に使いやすくなっても、片付けは必要ですよね。kayokoさんは“片付ける”ではなく“戻す”と意識することで、ハードルが下がるといいます。

使ってすぐ戻せたらベストですし、寝る前に戻す、金曜にはリセットする、というのでも「戻そうと思えば戻せる」という余裕を持つことがポイント。

「最初から完璧にしようとしても、結局、無駄になってしまいます。ですから、『とりあえず試してみよう』『これで様子を見てみよう』『あとでまた見直せばいい』くらいの気軽な気持ちで進めると手が止まりにくいと思います」

◆教えてくれたのは:整理収納アドバイザー kayokoさん
整理収納アドバイザー。住宅収納スペシャリスト。自身の家の新築を機に「家づくり」「家事」についてのインスタグラムを開始し、フォロワーは11万人以上(2022年2月現在)。無理なく、最小限の努力で、ストレスなく、伸びやかに、心地よく家族が生活できる「整った暮らし方」が多くの人の共感を呼んでいる。https://www.instagram.com/kayo.home00/

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