ライフ

これから買うなら「ミニ加湿器」と「中・大型加湿器」どっち? 加湿方式でメリット・デメリットをジャッジ

もしこれから加湿器を買う場合、どの大きさのものを選んだらよい?(Ph/GettyImages)
写真11枚

乾燥は肌荒れや風邪の原因に。エアコンでさらに乾燥した部屋は加湿器でしっかり潤わせたいですね。ただ、もしこれから加湿器を買う場合、どの大きさのものを選んだらよいか悩む人もいるでしょう。6畳以下の寝室なら枕元に小型の加湿器を置くだけでいいのか、どうせ買うなら「大は小を兼ねる」でどの部屋にも使える中・大型を選ぶべきか。家電ライターの田中真紀子さんに、アドバイスをいただきました。

加湿方式によってメリット・デメリットが異なる

田中さんはまず、こう話します。

「加湿器は、加湿方式によって空中に放出される水分の種類が異なり、それによってメリット・デメリットが異なります。まずは加湿方式から違いを知っておく必要があります」(田中さん・以下同)

加湿方式は大きく分けて、超音波式、スチーム式、気化式、ハイブリッド式の4種類です。

超音波式:コンパクトで安価だが、加湿範囲が狭くこまめなお手入れが必須

リズム『コンパクト加湿器 MIST Mini』が加湿している様子
リズム『コンパクト加湿器 MIST Mini』はコンパクトサイズながら約8時間の加湿が可能な超音波加湿器
写真11枚

「超音波式は、超音波振動によって水を細かく砕き、ミストにして空中に放出しています。構造がシンプルなため、コンパクトで価格が安いものが多く、手軽に取り入れられます。ただしその反面、水の粒が大きいため落ちやすく、広い範囲を加湿するのが苦手。またタンク内の水をそのまま空気中に広げるので、タンク内に雑菌が繁殖しないよう、こまめにお手入れする必要があります」

スチーム式:短時間で加湿できるが電気代がかかるなど難点も

「スチーム式は、電気ポットのようにお湯を沸かし、湯気を放出するタイプ。加湿量が多く、短時間で加湿できるほか、お湯を沸かすことで雑菌は除菌されます。その一方で、過加湿状態になりやすく、結露を起こす場合も。またお湯を沸かしているので電気代がかかり、本体や内部が熱くなるので取り扱いに注意が必要です」

気化式:自然に湿度を上げる。本体が大きくなりがち

「気化式は、フィルターに染み込ませた水に風を当て、気化させることによって加湿する方式です。フィルターを通過するので雑菌を空気中に飛ばしにくく、水の粒も非常に細かいため、自然に湿度を上げることができます。一方で、気化量を増やすためにはパワフルな風を当てるための大きなファンを搭載する必要があり、本体が大きくなりがちです」

ハイブリッド式:超音波式や気化式を必要に応じて切り替え、効率的に加湿

ダイニチ『ダイニチプラス LXタイプ』 でダイニングを加湿している様子
ダイニチ『ダイニチプラス LXタイプ』はハイブリット式
写真11枚

「ハイブリット式は、上記の超音波式や気化式に温風やお湯を利用することで、加湿効果を高めるもの。価格は少し高くなりますが、必要に応じて切り替えてくれるため、効率的に加湿することができます」

以上のように、一口に加湿器といっても、加湿方式によって加湿の質やデメリットは異なります。見た目や値段だけでなく、方式も確認しましょう。

ミニ加湿器と中・大型加湿器の使い分けは?

では、ミニ加湿器と、中・大型加湿器は、どの加湿方式を使っているのでしょうか?

「ここでいうミニ加湿器のほとんどは、超音波式を採用しています。水の粒子が大きく空気中を浮遊する時間が短いため、自分の周囲を加湿するのに向いています。一方で周囲を濡らしてしまう可能性もありますので、パソコンや家電など濡れたら困るものに直接ミストが当たらないようにしましょう。こまめなお手入れも忘れずに。

中・大型加湿器には、いずれの加湿方式タイプも用意されていますので、使いたい部屋をじゅうぶん加湿できるかどうか、適用畳数を確認しましょう。

傾向として超音波式は、リビングのように広い部屋に対応できるものは少なく、広くても6畳や8畳までの対応が多いです。それ以上の畳数の部屋に使いたいなら、気化式を選ぶことになります。水の粒子が細かく軽いので、空中を浮遊して広範囲を加湿できるからです。

大空間対応となると、ファンの音が大きくなる懸念もありますが、寝室で使いたい場合は静音モードを備えていると安心でしょう」

結論としては、就寝時や作業中などに自分の周囲だけを加湿するなら超音波式のミニ加湿器でじゅうぶんですが、8畳程度の部屋全体を加湿したいなら中・大型の超音波式か気化式。家族が集うリビングなど広い部屋で使うなら中・大型の気化式やハイブリッド式が適しているようです。ほか、価格やデザイン、アロマの香りを楽しみたいか、といった視点も含めて選ぶとよいでしょう。

最後に、田中さんが今季特におすすめのミニ加湿器と中型加湿器を挙げてもらいました。

関連キーワード