暮らしのプロが実際に使ってみて「これ買ってよかった!」と実感した便利グッズと、暮らしに役立つテクニックを教えてもらうこの企画。今回は、冷蔵庫収納スペシャリストとして活動する冨野真美子さんが愛用する「和さらし」を使った野菜の保存について教えてもらいました。
ロールタイプの和さらしがキッチン周りで大活躍
冨野さんがおすすめするのは、武⽥晒⼯場の「さささ和晒(わさらし)ロール」。最近ではエコやサスティナブルの観点から紙ではなく布のさらしをキッチンペーパーやふきんとして使用する人が増えていますが、冨野さんはこちらを野菜の保存にも使用しているそうです。
「ここ数年、サスティナブルな動きから、一気に人気が高まった和さらし。特にこの『さささ和晒(わさらし)ロール』はロール型の形状で、家事の最中にも使いやすいんです。私は主に、野菜を包んで使用しますが、その他にも、煮汁をこしたり、野菜を蒸したり、固く絞ってキッチンやテーブルを拭いたり、糠床の水分を取ったりなど、あらゆる用途に何度でも使用できます。とにかく便利です」(冨野さん・以下同)
野菜をさらしで包むことで劣化を防ぐ
この和さらしを野菜の保存に使うということですが、どのように使うのでしょうか。
「野菜を保存する際に、このさらしで包むことで、野菜から出る水分を適度に吸収し、劣化を防ぐことができます。しかもこのさらしは洗って何度も使用できるのでとてもエコ。ミシン目がはいったものとミシン目なしタイプがありますが、なしのタイプだとサイズは自在。用途に合わせて調節できるので、大きな野菜もまるごと包めます」
キッチンペーパーや新聞紙よりも便利
乾燥しやすい野菜は、さらしに包んでから穴を開けた袋に入れて保存するのがいいそうです。また、キッチンペーパーや新聞紙よりも和さらしをすすめる理由を教えてもらいました。
「乾燥しやすい野菜は、さらしで包んだあとで、いくつか穴を開けた袋に入れることで適度に保湿することができます。
もちろん、和さらしの代わりにキッチンペーパーや新聞紙で包んでも大丈夫です。ただ、キッチンペーパーだと小さいので、野菜によっては包みきれなかったり、新聞紙だと野菜に新聞紙のインクが付いてしまうことが気になる人もいますし、昨今は新聞紙自体がないご家庭も多いので、さらしがおすすめです。この和さらしは柔らかく、ロールタイプで出しやすく、大きさを調整でき、何度も使用できる点でとても便利です」
使いかけの野菜はさらしで包んだら、野菜室ではなく冷蔵室に保存
冨野さんによれば、野菜の食品ロス問題はクライアントからもよく挙げられる相談のひとつだそうで、使いかけの野菜は野菜室ではなく冷蔵室での保存をすすめているそうですが、その際もこのさらしをプラスしています。
「食品ロスが最も多い野菜は、講座や収納サービスでもお悩みが最も多い食材です。特に使いかけや下ごしらえ済みの野菜は劣化のスピードが早いので、野菜室ではなく冷蔵室で保管することが大切。特に切り口から劣化や乾燥が進むのでこのさらしで包むのがおすすめです。各メーカーによって多少の差はありますが、一般的に冷蔵室は2~6℃、野菜室は3~8℃と、冷蔵室のほうが温度が低いので、使いかけの野菜は冷蔵室での保存がおすすめです。さらに冷蔵室は開ける頻度が高く、目につきやすいので、早めに使い切らなければという気づきに繋がります」
◆教えてくれたのは:冷蔵庫収納スペシャリスト・冨野真美子さん
東北初の冷蔵庫収納スペシャリストとして住宅収納サービス・コンサルティングの現場経験に基づく冷蔵庫収納術・食品保存術や住まい全体の収納サービス・コンサルティングを行う。KÖHARUBIYÖR代表。雑誌やテレビなど、メディアにも多数出演。https://koharubiyoricafe.jimdo.com
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