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栗はスーパーフード級に栄養豊富!秋の味覚で疲労や肌トラブルの回復を

ザルに入った栗
たくさんの栄養を含んでいる、秋の味覚・栗(Ph/photoAC)
写真6枚

「栗はスーパーフードと言っても過言ではないくらい、健康にも美容にも効果的なたくさんの栄養が含まれています」と話すのは、野菜ソムリエプロの福島玲子さん。詳しい栄養価と栗を茹でるときのコツ、さらにおすすめのレシピを教えてもらいました。

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スーパーフード級!栗の美容&健康効果

食事からスイーツまで幅広く活用される栗は、栄養価が高く、抗酸化作用や疲労回復効果、むくみ解消や腸内環境の改善などさまざまな効果が期待できます。

疲労回復や肌トラブルに効果的な栄養素

栗には糖質やアミノ酸の代謝をサポートするビタミンB1が豊富。これは、糖質をエネルギーに変換し、疲労回復や神経、筋肉にも働きかける栄養です。栗の可食部100gあたりに、1日のビタミンB1の推奨摂取量(0.9mg〜1.4mg)の1/4にあたる0.21mgのビタミンB1が含まれています。ただし、糖質そのものも多く含まれているので、食べ過ぎには気をつけましょう。

老化の予防に効果的なタンニンは、特に渋皮に多く入っています。タンニンには抗酸化作用があり、肌のシミやシワ、動脈硬化に効果が期待できます。渋皮煮などで効率よく摂取しましょう。

栗の渋皮煮
抗酸化作用のあるタンニンを効率的に摂るなら渋皮ごと食べる調理がおすすめ(Ph/photoAC)
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また、水溶性ビタミンのビタミンCもたっぷりで、風邪予防だけでなく肌トラブルにも効果的。栗はカロリーが高く炭水化物も多いですが、美容効果たっぷりの栄養素が豊富なんです。

便秘やむくみの解消に効果的な栄養素も!

美容にうれしい効果がある栄養素はほかにも、腸内環境を改善し、便秘解消に役立つ食物繊維、むくみの解消や高血圧を予防するカリウムも入っています。

体内で酵素を作るために必要なミネラルのマンガンも含まれています。これは、骨の成長を助け、糖質や脂質の代謝を助ける働きがあります。さらに肌のターンオーバーを促す葉酸も含まれています。

栗
栗からマンガンや葉酸も摂ることができる(Ph/photo AC)
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おいしく手間なく「栗ごはん」を作るコツとレシピ

栗は皮がむきにくく、面倒と思われがちですが、コツを知っていれば皮むきの手間が減ります。ほくほくとして甘い「栗ごはん」にして、ぜひおいしく栗を召しあがってください。

基本の栗の茹で方

栗を茹でるときは、一晩水に浸けておきましょう。鍋に水を入れ、水の量の1%の塩を加えて中火で栗を茹でます。お湯が沸いたら落とし蓋をして、栗が踊らない程度の温度で40分から50分、じっくりと火を入れます。茹であがったらそのままの状態で自然に冷ましましょう。

水から茹でたほうがアミラーゼの活動が活発になるので、より甘く茹であがりますよ。

皮をむいてから調理するなら冷凍がおすすめ

調理前に皮をむく場合は、熱湯に20分ほどつけておくと鬼皮が柔らかくなります。また、一晩冷凍した栗に熱湯をかけて皮をむく方法もおすすめ。冷凍することで、栗の実と鬼皮の間に少しすき間が生まれ、むきやすくなるのです。

まずは冷凍した栗をボウルに入れ、熱湯をかけて5分ほど置いておきます。すると、鬼皮がふやけてやわらかくなるので、お尻から包丁を入れてむきましょう。

湯につけた栗
熱湯に20分ほどつけておくと皮がむきやすくなる(Ph/photoAC)
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栗は種類によって渋皮がむきにくいものもありますが、その場合は渋皮がついたまま熱湯に1時間ほど漬ければ、きれいにむくことができます。

秋の味覚を味わう「栗ごはん」のレシピ

茹で栗を使ってぜひ召しあがっていただきたいのが、定番の栗ごはん。シンプルな味付けで、栗の甘さがお米にぴったりと合います。もち米を使うとモチモチとした食感の栗おこわになるので、好みに合わせて試してみてください。

栗ごはん
旬の味を楽しむ栗ご飯はんのレシピ(Ph/photoAC)
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《材料》(2合分)
栗…殻付き300~500gぐらい(茹でるか、熱湯に20分ほどつけて皮をむいておく) 米…2合(1合分をもち米にしてもOK) 料理酒…大さじ1 塩…小さじ1/2 水…炊飯器に合わせる

《作り方》
【1】米を研いで水に30分ほど浸しておく。
【2】炊飯器に米、酒、水を入れ、栗を上にのせて炊く。
【3】炊きあがったらさっくりと混ぜ合わせ、10分ほど蒸らして完成。

◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん

野菜ソムリエの福島玲子さん
野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
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ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/

構成/イワイユウ

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