
芸術の秋到来。皇后雅子さまも先日、ご家族そろって工芸品の鑑賞をされました。そこで、雅子さまの秋の「芸術鑑賞ファッション」をチェック。着こなしのポイントをスタイリストの横山麻里さんとともに探ります。
芸術に触れる気分を高めるために品と華やかさのある装いで
横山さんに芸術鑑賞を楽しむためのファッションのポイントを教えてもらいました。
「例えば、ツヤ感のある素材の服を着て華やかに見せる、上品さが大事なので、アクセサリーは統一感のあるものでそろえるなど、普段着とはちょっと違う“よそ行き”感のある装いにすると、気分が上がり、気持ちも見た目も凛とします。それから、音楽鑑賞などは特に座るシーンもあるので、顔周りにきちんと感や華やかさを取り入れるのもポイントです」(横山さん・以下同)
とろみ感のあるロイヤルブルーのワンピースでエレガント
1996年10月、サントリーホールで天皇陛下(当時は皇太子)とともに、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートをご鑑賞になった雅子さま。ツヤのある柔らかなロイヤルブルーのワンピースをお召しでした。


「ワンピースは、とろみだけでなく、光沢感もあり、素材的にもとても華やかな印象です。カラーは、ロイヤルブルーと白のパールアクセサリーのコントラストが冴え、顔周りがより明るくなっています。詰まった首元がデザインですが、光沢感のある素材の洋服なので重たくならず、気品漂う着こなしになっています。首元の大きなコサージュも小顔効果抜群です」
総柄のワンピースはボウタイやアクセサリーで視線を上に操作
1996年9月、サントリーホールにてオランダ・アムステルダムのロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の来日コンサートへ。雅子さまがお召しになった鮮やかなブルーのワンピースが素敵でした。


「総柄の洋服は色が重要です。雅子さまのように同色の濃淡の違いでデザインされた柄は、派手さがセーブされ、大人っぽさがキープできます。胸元のギャザーデザインは、全体に抜け感を出しつつ、アクセサリーを引き立たせるエレガントな雰囲気。やや後ろめに巻かれたボウタイや、目を惹く鮮やかなカラー+とろみ素材で、特別感が感じられる装いになっています」
胸元のメッシュデザインは品があり大人の肌見せスタイル
1998年10月、光沢感のあるモスグリーンのワンピースで、ボローニャ歌劇場の日本公演をご鑑賞になった雅子さま。



「胸元のデザインが目を惹くワンピースですね。デザイン性が高いので、雅子さまのようにあえてアクセサリーを控えめにすることで、全体のバランスがとれています。上品で華やかな大人の肌見せスタイル。深みのあるモスグリーンと、ベルベットの素材感も季節感たっぷりです」
珍しくアニマル柄のブルーのワンピースでドレスアップ
1998年10月、東京都中央区の王子ホールで行われたスコーレコンサートには、珍しくアニマルプリントのブルーのワンピースでご出席。


「アニマル柄、特にレオパード柄となるとワイルドなイメージですが、雅子さまのワンピースのように小柄で、濃いブルーと黒というダークトーンだと派手過ぎず、落ち着いた印象になります。デザインもスカートの下の方だけフレアになっているなど、エレガントなシルエット。ダークトーンの服に、少し大振りなパールのネックレスを合わせることで、総柄のワンピースとのバランスがよく、ワンピースの柄よりもアクセが映えノーブルな雰囲気になっています」
ジャケット長めのセットアップでお腹周りゆったりのマタニティファッション
2001年9月、トッパンホールで行われたチェリストのヤーノシュ・シュタルケルの演奏会にご出席。このとき、ご出産をおよそ2か月後に控えた雅子さまは、お腹周りがゆったりのシンプルなブルーのセットアップにローヒールの靴を履かれていました。


「優しいカラーのブルーのセットアップは、とても清らかな雰囲気。ローヒールを合わせられていても、お洋服のシルエットが縦シルエットなので、バランスが良いです。デザインがシンプルなので、ブローチや3連パールネックレス、大きめなイヤリングと、アクセサリーにボリュームをもたせることで、アクセントがついています」
→皇后雅子さまの華やかさをプラスしたゴールドアクセコーデはコチラ
光沢感のあるセットアップに同トーンのパールアクセで華やかを倍増
2012年10月、ご夫妻で夜に、国立劇場で行われた文化庁芸術祭オープニング公演「伝統音楽の美―雅楽―」を鑑賞されました。雅子さまは、ドレス感のある光沢のあるセットアップをお召しになっていました。




「光沢感のあるセットアップは、きちんと感もありつつ、エレガントな印象。とても高貴な雰囲気が漂っています。シンプルながら、ジャケットの襟やカフス、フラップポケットデザインがアクセントとなっています。アクセサリーはネックレスからイヤリング、指輪までパールで統一され、上品さが割増ししています」
きらびやかなゴールドのドレスに白のバッグやパールで上品さを添えて
2018年10月、映画『旅猫リポート』のチャリティー試写会が開催され、天皇陛下(当時は皇太子)と雅子さま、愛子さまがそろって参加されました。





「ゴールドのドレスは丈が長めで裾がフレアになっていて、よりエレガントなデザイン。襟元やカフスはより光沢がある生地感になっていて、コーディネートにメリハリが出ています。靴は同カラーでまとめ、なじませることで、脚長効果も。バッグは、あえてカラーの違う白を合わせ、コーディネート全体をより明るい印象に仕上げています」
完璧な白のワンカラーコーデはブレードやパールで立体感をアップ
2023年9月、天皇皇后両陛下と長女の愛子さまは、「日本工芸会」の作品展を鑑賞されました。雅子さまは完璧な白のワンカラーコーデをご披露。





「全身白のコーディネートは、それだけで清楚でおしゃれで上品です。ジャケットの襟や袖にあしらわれたブレードデザインや、パールのアクセサリーで色々な素材、デザインの白を組み合わせることで、全身白でも、奥行きが生まれ、立体感のあるコーディネートになっています」
◆ファッション解説:スタイリスト・横山麻里さん
ほどよくフェミニンで上品なカジュアルスタイリングが参考になると、同世代の女性たちからの支持多数。大人女性のファッション誌を中心にカタログや広告で活躍中。
●【北海道ご訪問でも注目】皇后雅子さま、秋のワンカラーコーデは「ツヤ感」プラスで優雅な雰囲気に