充電さえしていれば、電源コードなしでどこでもゴミを吸引できるコードレススティッククリーナー。必要なときにサッと使える手軽さから普及が進んでいます。ゴミをダストカップに入れる「サイクロン式」と紙パックに収集する「紙パック式」の2種類があり、これまではサイクロン式が主流でした。ところが最近、紙パック式に注目が集まっているそう。その理由は? 家電ライターの田中真紀子さんに聞きました。
かつてはサイクロン式が主流だったけれど…
「そもそもコードレススティッククリーナーが登場し始めたころに多く採用されていたのが、紙パックを使用しないサイクロン式でした。サイクロン式とは、ゴミを含む空気を回転させながら遠心力によってホコリと空気に分離し、ホコリはダストカップに、空気はフィルターを通して排出するものです。
当時、紙パック式のデメリットとして、風の流路が紙パックを通るため、ゴミが溜まってくると吸引力が落ちる、ランニングコストがかかると言われていたこともあり、サイクロン式のほうが優秀なイメージがありました」(田中さん・以下同)
サイクロン式のデメリットとは
しかしながら、サイクロン式にもデメリットはあります。
「1つは、ゴミ捨ての際にホコリが舞い散ってしまうこと。ゴミ捨てのたびに再びゴミをまき散らし、ハウスダストが気になるという声はよく聞きます。またフィルターで細かい粉じんを取り除いているため、このフィルターが目詰まりするとやはり吸引力が落ちてしまいます。そのため、週1回程度のフィルターのお手入れをしなければならないのですが、その際にもホコリが舞ったり、水洗いすると乾くまで丸1日使えないこともあり、お手入れへのハードルを感じる人は多いようです。
ただし例外もあり、サイクロンの中でもダイソンや東芝製はフィルターを使用せずに粉じんを分けられるため、目詰まりによる吸引力の低下が抑えられるとしています」
ゴミ捨ての頻度を減らしたサイクロン式や紙パック式に注目
また、サイクロン式の中には、ゴミ捨て時のストレスを軽減する製品も増えてきています。
「充電台でゴミを自動吸引し、ゴミ捨ての頻度を減らすサイクロン式です。そして巡り巡って紙パック式のよさが見直され、大手メーカーからも紙パック式が登場し始めています。いずれも煩わしいゴミ捨ての頻度が減った点では、大きな進歩です」
最近の紙パック式は吸引力が上がり、ランニングコストも低下して経済的に
紙パック式のメリットは、ゴミ捨て時にホコリが舞い上がらない点だけではありません。
「メーカーによって特徴は異なりますが、紙パック式が昔と違うのはキャニスター式しかり、ゴミが溜まっても空気が通る流路を確保し、吸引力が落ちにくくなっている点です。さらにゴミを圧縮することで、紙パックの交換も1.5~2か月に1回のペースで済むので、ランニングコストもそう高くはありません。そもそもコードレス自体の進化により、吸引力や軽さ、使いやすさも備えているので、紙パック自体のデメリットはかなり減ってきています」
以上を踏まえて、注目の紙パック式コードレスクリーナーを2点、教えてもらいました。