
2019年5月の代替わり以降、精力的に公務を続けられる皇后雅子さま。公務の中には10月20日に89歳を迎えられた上皇后美智子さまから、受け継がれたものも少なくありません。今回は、美智子さまとの絆にまつわるエピソードを振り返ります。
天皇陛下、愛子さまと共に作業されるご養蚕
2019年4月の上皇上皇后両陛下の退位に伴い、桑を栽培して蚕を飼い、繭を生産する、ご養蚕を引き継がれた雅子さま。明治時代から続く、蚕の飼育は代々の皇后に受け継がれてきた皇室の伝統です。

これまで、御養蚕所で美智子さまとご一緒に作業される機会はありませんでした。雅子さまは取り組めるのかと不安視する声もありましたが、引き継がれたあとは、皇居内の紅葉山御養蚕所に何度も通われ、蚕の飼育に取り組まれています。



美智子さまが熱心に取り組まれていたご養蚕を、愛子さまもご一緒に手伝われています。昨年は蚕に桑の葉を与える「御給桑」に臨まれました。

今年は、ご結婚30年を迎えられた6月9日に、天皇陛下と愛子さま、3人で「繭掻き」をされている様子が公開されました。

代々の皇后に受け継がれてきた、ご養蚕をご一家揃って作業をされることは過去にはありません。伝統を引き継ぐと共に、次世代の新しい皇室の姿も創り上げられているようです。
美智子さま 次期名誉総裁として雅子さまを紹介
ご養蚕以外にも、美智子さまから日本赤十字社の名誉総裁を引き継がれた雅子さま。2018年5月16日、全国赤十字大会が明治神宮会館で開かれ、女性の皇族方が出席されました。雅子さまのご出席は2003年以来、15年ぶりでした。



この日は、30年間、日本赤十字社名誉総裁を務められた美智子さまにとって、最後の出席となる式典。美智子さまが退場される際、会場に向かって頭を下げられたあと、後ろを振り返り、雅子さまに声を掛けられました。前に出てきた雅子さまに対し、次期名誉総裁を紹介されるかのように腕に手を添えられました。大きな拍手に包まれながら雅子さまは笑顔で、美智子さまと共に頭を下げられました。


翌年の2019年、新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの開催となった2022年、そして今年も開催された「全国赤十字大会」に雅子さまは、名誉総裁として出席されました。













雅子さまから上皇上皇后両陛下に感謝のお言葉
新皇后となられてから、最初のお誕生日に、上皇上皇后両陛下に対しての感謝のお言葉を公表されました。

「平成の御代の間、皇后としてのお務めを果たされながら、上皇陛下を常にお傍でお助けになり、上皇陛下のお力になってこられました。
上皇后陛下には、今年ご手術をお受けになり、ご案じ申し上げましたが、上皇上皇后両陛下には、これからもくれぐれもお体を大切になさり、永くお元気にお過ごしになりますよう、心よりお祈り申し上げます。そして、ご譲位後も私たちの歩みを温かくお見守りいただいてきましたことに深く感謝申し上げます」

「私も、天皇陛下のお務めの重さを常に心にとどめ、陛下をお傍でお助けできますように健康の一層の快復に努めながら、皇后としての務めを果たし、陛下とご一緒に、国民の幸せに力を尽くしていくことができますよう努力してまいりたいと思っております」





即位から4年経った今年、6月はインドネシアへ公式訪問され、9月には24年ぶりに北海道へ、そして10月は8年ぶりの鹿児島県を訪問された雅子さま。美智子さまから受け継いだお務めも果たしながら、皇后として忙しい日々を過ごされています。


