
12月1日に22歳になられた天皇皇后両陛下の長女・愛子さま。近年は特に仲睦まじいご一家の様子が注目を集めていますが、今回は皇后雅子さまとの親子の絆がうかがえるエピソードを振り返ります。
会見で「生まれてきてありがとう」
天皇陛下(当時は皇太子)と雅子さまが結婚された約8年後、2001年12月1日に愛子さまが誕生され、12月8日に皇居内にある宮内庁病院を退院されました。

翌年の2002年4月2日に開かれた会見で、雅子さまのご懐妊、ご出産について問われた天皇陛下が、お気持ちを明かされました。
「まず始めに、子供の誕生に当たって多くの方々から温かく祝っていただいたことに対して、心からお礼を申し上げたいと思います。また、子供を連れてきてくれたコウノトリにもあわせて感謝をしたいと思います」

そしてこう続けられました。
「地球上に人類が誕生してからこの方、絶えることもなく受け継がれているこの命の営みの流れの中に、今私たちが入ったということ、そういうことに新たな感動を覚えました」
雅子さまは涙ぐまれたご様子で同じ質問に答えられました。




「無事に出産できましたときには、ほっといたしますと同時に初めて私の胸元に連れてこられる生まれたての子供の姿を見て、本当に生まれてきてありがとうという気持ちで一杯になりました。今でもその光景は、はっきりと目に焼き付いております」
不登校の時期に付き添い登校を続けられた雅子さま
2006年、学習院幼稚園にご入園、2008年には学習院初等科に入学された愛子さま。






初等科2年生のとき、学校生活に強い不安を訴えられ、登校ができなくなった際、適応障害で療養中の雅子さまが愛子さまの登校に付き添われていました。
この件について、2011年2月21日に開かれた会見で、天皇陛下は以下のように述べられました。
「この1年近く、親として愛子のために何をしてあげられるのかという思いで、雅子と共に考え、歩んできました。愛子は学校で怖い思いや、つらい体験をしましたが、それを乗り越えようと、前向きに頑張ってきており、私たち親としても、精一杯支えてあげたいと思ってここまできております」






さらにこう述べられました。
「愛子の通学への付添いを含めて、愛子が元どおりの通学に戻るために母親として可能な限りの努力を払ってきているのが現状であり、私自身傍そばで見ていて、大変だと思いますし、雅子自身の体調が万全でない中で、毎日本当によく頑張っていると思います」







雅子さまが学校に残られ、授業や校庭で遊ばれる姿を見守られていたことに、世間からは「プライベート優先」など厳しい声がありましたが、付き添いを続けられました。雅子さまの支えもあり、2011年の秋頃にはお一人で通学されるようになりました。
中等科に進学された後も、再び体調不良で長期欠席されたり、急激におやせになるなど、周囲が心配するような状態でしたが、高等科の2年生になられた頃にはふっくらされた姿に戻られていました。







両陛下への感謝の気持ち
2021年12月1日に20歳の誕生日を迎え、成年皇族となられた愛子さま。当時、ご感想が公開されました。
「天皇皇后両陛下には、これまで愛情深く大切に育ててくださり、どのようなときも一番近くで支えてくださいました。これからは成年皇族の一員として、一つ一つのお務めに真摯に向き合い、できる限り両陛下をお助けしていきたいと考えております」




また、翌年の3月17日に成年皇族として初めての記者会見が開かれた際に両陛下にお伝えになりたいお言葉を述べられました。
「両親は私がどのような状況にありましてもいつも私の気持ちに寄り添ってくれて、また、何か問題に直面した時は、その問題に真剣に向き合ってくれまして、私の意見や考え、気持ちを尊重しつつ、的確なアドバイスをくれたように思います。そして両親からもらった大きな愛情や励ましが、そのような時に私の支えとなっておりました。
また、両親にどのような言葉を伝えたいかという御質問でございますけれども、母の『生まれてきてくれてありがとう』という言葉に掛けて、私も『生んでくれてありがとう』と伝えたいと思います」





20歳のお誕生日には成年皇族としての誓いを綴られ、成年会見では20年前の雅子さまの「生まれてきてありがとう」というお言葉に対し、「生んでくれてありがとう」と答えられた愛子さま。そのお言葉から、愛子さまのご成長と、両陛下との絆をうかがうことができました。
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