シンプルでスタイリッシュなデザインが増えている、キッチン家電。そんな中、ポピーの花柄やチェック柄など、昭和レトロなデザインの復刻版家電が相次いで発売され、話題になっています。一見昭和さながらのシンプル機能が目立つ、復刻版家電。その使い勝手はいかほど? 家電ライターの田中真紀子さんに聞きました。
昭和レトロな家電にはどんなものがあるの?
今、昭和レトロな電化製品が続々発売されています。中でも注目されているのが、象印マホービンとタイガー魔法瓶による製品だと、田中さん話します。
花柄ポットシリーズ、ポピーの花柄、オレンジのストライプ柄etc.――
「象印マホービンは、1967年から卓上ポットの花柄バージョン『花柄ポットシリーズ』を発売して大人気となり、以降電子ジャーなどに採用されました。この花柄の復刻版が2020年から発売されて人気を博しています。さらに2023年11月からは1950年~1970年頃発売していたチェック柄の水筒の復刻版として、ステンレスボトル『復刻チェックシリーズ』として発売を開始しました。
またタイガー魔法瓶も、今年創立100周年であるのを記念して、1970年代の流行柄であるポピーの花柄シリーズと、1970年代後半に登場したオレンジのストライプ柄シリーズを発売。こちらはジャー炊飯器や電気まほうびん、ホットプレートなど、幅広くラインナップしています」(田中さん・以下同)
昭和世代はもちろん、Z世代にも人気
なぜ今、こうした商品が注目されているのでしょうか。
「これは家電の傾向というより、昨今の昭和レトロブームに関係しています。昭和レトロブーム自体は2000年頃から、いわゆるZ世代(1990年代半ば~2020年代初め生まれとされている)の若者から生まれたとされ、2021年の日経トレンディ12月号(2021年11月4日発売)のヒット商品ベスト30でも『昭和レトロブーム』が4位にランクインしています。
昭和レトロを象徴する事象としては、2021年にリニューアルオープンした西武園ゆうえんちが1960年の街並みを再現し、ノスタルジーな雰囲気が人気を集めていますし、喫茶店でいえばクリームソーダも注目されました。また柄のついたグラスも昭和を象徴するとして復刻版が続々登場しています。
こうした昭和を感じさせる事象が、昭和を知らないZ世代にとっては新鮮だということで人気を集めていますが、今なお人口の7割近くを占める昭和生まれにとっても『子供の頃、家にあった』と懐かしさを感じて手に取る人が多いようです。私自身、子供のころにチェック柄の水筒のお下がりを使っていた記憶があり、とても懐かしい気持ちになりました」
使い勝手は、シンプルなものから高機能なものまで
気になるのが、使いやすさや機能面。見かけはレトロでも、中身は令和の最新機能が搭載されているのでしょうか…?
「一概には言えませんが、当時の機能を踏襲しているものもあれば、デザインだけを復刻し、機能は最新のものを搭載しているものもあります。
例えばタイガー魔法瓶で見ると、ジャー炊飯器は当時の仕様に近く、スイッチは1つ、ランプが炊飯と保温の2つだけ。内釜も薄いアルミ製で、昨今のタイガーの高い炊飯技術は搭載されていません。一方、当時はなかった電気ケトルは、蒸気が出ない『蒸気レス』やカップ1杯約45秒で沸騰する高機能、またホットプレートも耐久性の高いメタリックフッ素コーティング加工技術や高火力なヒーターを搭載するなど、高機能です。
製品によって異なるものの、復刻版の多くは当時の機能そのままというのは少ないと思われます」
復刻版家電の中でも現代の機能を搭載している、田中さんおすすめの製品を2つ挙げてもらいました。