5. 視覚の中心!「網膜トラブルチェック」
さらに、見るはたらきの中心になる網膜の黄斑部に問題がないか、簡単にチェックする方法もあります。
30センチほど格子模様から離れ、片方の目で、格子模様「アムスラーチャート」の中心の黒点を見てみましょう。中心の黒点はしっかり見えますか? 中心を見たまま、目は動かさずに線の全体を見ます。
線のゆがみや、部分的に暗いところがないか、左右の見え方に違いはないか、隅も鮮明か、チェックをします。線がゆがんでいたり、見えない場所があれば、図の中にその見え方の異常を鉛筆で記録してください。片方ずつ、両眼チェックしてください。
見慣れたものを見てチェックをしても、脳が画像を補ってしまうため、異常に気づきにくいのです。ご紹介する「問題のある見え方」に1つでも当てはまったら、すぐに眼科を受診してください。ほかにも左右差など、気がかりな点があった場合も受診しましょう。
◆教えてくれたのは:眼科専門医・深作秀春さん
神奈川県横浜市生まれ。眼科専門医、深作眼科院長。米・独で研鑽を積み、白内障や緑内障などの近代的手術法を次々と開発。米国眼科学会理事を務め、眼科殿堂選考委員、学術賞審査委員などを歴任。それまで不可能とされた眼病の新しい治療法の開発や、多くの革新的眼科手術法の開発により、国際眼科学会最高賞を20回受賞。2017年には、世界最高の眼科外科医に贈られる「クリチンガー・アワード」の、欧米以外の医師では初めての受賞者となった。現在は世界最高のスーパードクターとして25万件の手術実績を有し、日本中だけでなく世界中から患者が治療を求めて来院する。他方でプロ芸術家でもあり、多摩美術大学大学院を修了し、日本美術家連合会員という画家としての一面もある。