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66歳オバ記者、年を重ね東京の「再開発」の景色に抱いた思い「”新しい東京”が完成したのを私は見られるのか…」

“舞台袖”に近づくと自分の立ち位置が見えてくる

東京駅丸の内口の中央郵便局がリニューアルして約10年。地下のカフェにはよくノマドに来ていたけど、切手を買いに来たのは初めて。コンビニでも切手は売っているけど、ここしばらく近くの丸善のネットカフェに入り浸って仕事をしている私。東京駅の地下道を歩いて記念切手を買いに行こうと思い立ったわけよ。

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リニューアルして約10年。東京駅丸の内口の中央郵便局
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ところが実際、東京駅の端から端まで地下空間を歩くとなると、まぁ、遠い。こっちだろうと見当をつけて、途中、案内版を見て、歩く歩く歩く。で、やっと見つけた「KITTE  WELCOME」の看板。が、さて、切手売り場はどこ? どこに入り口があるの? ふぅ〜っ。落ち着いて見たら目と鼻の先だったんだけど、「→」こういう印、つけてくれないかしら。おしゃれではないかもしれないけれど、私の不安は1秒もかからず解決するんだからさぁ。

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やっと見つけた看板
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そうそう。六本木ヒルズも虎ノ門ヒルズも、そして東京駅も、現代美術風のおしゃれさが、「これがわかる年代の人だけ来て」と所払いしているような…。

そう思って見渡すせいか、私と同年代はほとんどいなくて、いって50代で30〜40代がほとんどに見えるんだよね。

自分が舞台の中心にいたときは、そんなことはまったく感じなかったのに、ちょっと端にズレると「あれ?」と思い、いよいよ舞台袖に近づいてくると、ものすごく強烈に自分の立ち位置が見えてくる。おしゃれに再開発したところに行くたび、そんな気持ちになるんだわ。

オバ記者
東京街歩き&ノマドはこれからも続けていきたい
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そのたびにギョッとするのよ。でも、帰るときはまた来ようと思うんだわ。舞台はいい味を出す脇役がいてこそ主役が光るし、舞台の良し悪しは脇役しだいだしね。枯れ木も山の賑わい、とまでは言いたくないけど、よく見ると私より10歳は上だなという人もけっこうスタスタ歩いているんだわ。

そんなことを考えながらの東京街歩き&ノマドをあと10年はしていたい。それには自分を甘やかさず、動かないとだね。

◆ライター・オバ記者(野原広子)

オバ記者イラスト
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1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。

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