まもなく東日本大震災から13年を迎えます。いざというときに必要な災害備蓄は、定期的に見直しや補充が必要。だからこそ、できるだけ節約して準備しておきたいもの。お得に災害備蓄を用意する方法や備えておくべきものとして、節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんが提案するものとは?
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災害対策には日頃からの備えが大切
災害大国ともいわれる日本。2024年初めに能登半島地震があったばかりですが、災害はいつ起こるかわからないため普段からの備えが大切です。避難所に行く可能性がある場合は、避難時に必要な物をまとめた袋などを取り出しやすいところに置いておく必要がありますし、在宅避難をする場合も事前の備えが必要になります。
実際に被災した人によると、一戸建てでは玄関だけではなく、2階にも物資を置いておいた方がよかったという声もあり、お住まいの状況にあわせて、1か所だけではなく、複数か所に分散して備蓄させるのも一案でしょう。
ECサイトのセールを活用してお得に備蓄
定期的な見直しや買い替えが必要な備蓄品は、楽天スーパーセールやお買い物マラソン、Amazonのプライムセールなどを活用するとお得に準備できます。その際、効率的にお買い物をするために、購入する予定のものは、その都度お気に入り登録をしておきましょう。
セールのタイミングはある程度パターン化されているので、セールが始まったら備蓄品を見直す、というルーティーンを作っておくのもおすすめです。食品など期限があるものを確認しておくことで、いざ必要なときに使えなかった、ということを防ぐことができます。
事前予測できる場合は前々日に備蓄を
台風などのある程度発生が予測できる災害の場合は、前々日に備蓄品を買っておくのがおすすめです。前日では必要なものが既に売り切れていることもありますし、被災直後はなかなか商品も補充されません。事前の準備が重要になります。
また、台風の直撃予報が出た場合、直撃前にはおにぎりを作って備えておくと停電時にも食事をすることができます。その際は、ラップで握ると食べやすく衛生的です。
災害時には水の備蓄がマスト
備蓄しておくべきものとして、まず重要なのは水です。飲み水としてはもちろん、食器や手を洗ったり、トイレを流したりするにも必要。ペットボトルの水を買い置きしておけば、いざというときの飲み水に使えますし、飲み終わったペットボトルに水道水を入れておけば、飲料水以外の生活用水として使用できるのでおすすめです。
夏の台風の時期には冷凍庫の空いたスペースにペットボトルに水を入れたものを入れて凍らせておくと、停電時に冷凍室の庫内の温度上昇を抑えたり、熱さしのぎにもなり、溶けた水は飲料にもなります。
一方、備蓄品として意識されやすい食料品は避難所なら比較的早く配り始められることが多いです。食料品と飲料水は家族が3日間過ごせる程度の量を準備しておけば良いでしょう。
農林水産省のHPによると飲料用と調理用だけで、一人当たり1日3リットルの水が必要とされていますので、最低3日分で9リットル、4人家族の場合は36リットルの備蓄の目安となります。(農林水産省「大事な水、どうやって備えますか?」)
また、食器洗いの水を節約するために、お皿にラップを敷いてその上に食事を盛りつけると、食器を洗う水が不要になりますので、ラップの備蓄もあると安心です。
懐中電灯は電池不要なものも用意
停電に備えて、懐中電灯などの光源も必要です。電池を使うタイプの場合、定期的に電池の交換をしつつ、備える必要がありますが、予備としてソーラー式の充電器などの電池が不要なタイプも用意しておくといいでしょう。また、スマホなどを充電するモバイルバッテリーも電池式のものがあるといざというときに役立ちます。
また、災害に備えて家庭用蓄電池を用意している家庭も徐々に増えています。最近の災害では停電が長引くケースも増えていますが、蓄電池があれば停電時にもしばらくは電気を使うことができるのでおすすめです。
簡易トイレの準備も忘れずに
意外と忘れがちですが、トイレの準備も重要です。ペットシーツやぼろ布をビニール袋に入れる形でも対処はできますが、トイレにかぶせて使う、かたまるタイプの簡易トイレを用意しておくのがベストです。在宅避難時にはもちろん、避難所に避難する場合も避難所のトイレが使用禁止になってしまっている場合があるため、非常用持出袋にも入れておきましょう。
非常用持出袋には敷物を入れておくのがおすすめ
避難所で過ごすときにつらいことの1つは、硬い板の上で眠らなければならないことです。厚手の敷物が一枚あるだけでも違うため、避難所に持って行く非常用持出袋には敷物を一枚入れておくのがおすすめです。座るときにも重宝しますし、避難時の苦痛が軽減されます。
◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん
節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。https://www.maruyama-harumi.com/
構成/新藤まつり