健康・医療

糖質制限の名医が警鐘を鳴らす「糖質疲労」、「小麦粉を全粒粉にする」は意味がない? 注意すべき「低脂肪ヨーグルト」

ヨーグルトを食べるなら「低脂肪」ではなく「高脂肪」がおすすめの理由

朝食にはヨーグルトを食べているという方も多いことでしょう。低脂肪牛乳と同様最近は低脂肪を売りにしている商品が多いように感じます。しかも、そこには砂糖や果物が添加されていることがほとんどです。

ヨーグルトとスプーン
ヨーグルトを食べるなら「低脂肪」ではなく「高脂肪」がおすすめ(Ph/photoAC)
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確かに朝のヨーグルトはたんぱく質を手軽にとることができ、発酵食品として腸内環境にもよい影響を期待することができますから、朝食メニューに入れることはよいことだと思います。実際、私もほぼ毎日食べています。ただ、「低脂肪」ではもったいない!

砂糖や果物が添加されていると血糖値が上昇

私がこだわっているのは高脂肪で砂糖・果物が添加されていないものということです。砂糖や果物が添加されることで糖質を豊富に摂取してしまうと、それにより血糖値が急峻に上がりやすくなり、さらには中性脂肪値も上昇しやすくなってしまうことでしょう。

ヨーグルトにはもともと牛乳の時点から100mlあたりで5gほどの糖質(乳糖など)が含まれています。わざわざ砂糖や果物を加えてしまっては、食後高血糖によって腸内環境が悪くなってしまうかもしれません。せっかくの発酵食品の摂取が台無しです。

なお、「糖分控えめ」をうたっているヨーグルトは多くの場合、添加している砂糖の量が少ないということにすぎません。「糖分控えめヨーグルト」を見つけたと思ったら、本当にその商品の糖質が本来のヨーグルトの糖質量より減っているのか、単に加糖量がほかの商品より少なめで、糖質量としては本来のヨーグルトよりも増えてしまっているのか、必ず栄養成分表示で確認してください。

◆教えてくれたのは:北里大学北里研究所病院糖尿病センター長・山田悟医師

北里大学北里研究所病院糖尿病センター長・山田悟医師
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1994年慶應義塾大学医学部卒業。糖尿病専門医として多くの患者と向き合う中、2009年米医学雑誌に掲載された「脂質をとる食事ほど、逆に血中中性脂肪が下がりやすくなる」という論文に出会い衝撃を受ける。現在、日本における糖質制限のトップドクターとして患者の生活の質を高める糖質制限食を積極的に糖尿病治療へ取り入れている。日本内科学会認定内科医・総合内科専門医、日本糖尿病学会糖尿病専門医・指導医、日本医師会認定産業医。著書に『糖質制限の真実』(幻冬舎新書)、『運動をしなくても血糖値がみるみる下がる食べ方大全』(文響社)など。「ロカボ」という言葉の生みの親でもある。https://www.ikushimakikaku.co.jp/yamada-satoru/

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