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《時短料理の救世主》にわかに注目の多機能「ブレンダー」、「結局使わなくなった」にならないための選び方や注意点を家電ライターが解説

ミキサーにバナナなどフルーツを入れて蓋をして手をかけている様子
調理の手間を大きく省けるブレンダーが進化。最新事情と使いこなし方を解説(Ph/イメージマート)
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調理の手間を大きく省ける時短グッズのひとつに、ブレンダーがあります。ブレンダーとは食材をつぶしたりかき混ぜたりするもので、スープやジュースづくりに役立つ調理グッズとして知られていますが、最近では技術も使い勝手も格段に進化しているといいます。家電ライターの田中真紀子さんに、ブレンダーの最新事情と使いこなし方を教えてもらいます。

ブレンダー、フードプロセッサー、ジューサーの違いは?

まずは基礎知識のおさらい。ブレンダーとはどういうもので、何ができるのでしょうか?

トマトやレモンなどを入れたブレンダー
ブレンダーとは、『ブレード』と呼ばれる刃が回転し、食材を細かくつぶしながら液体と一緒にかくはんし、スープやポタージュ、ジュースなどを作るキッチン家電全般のこと(Ph/イメージマート)
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「ブレンダーとは、『ブレード』と呼ばれる刃が回転し、食材を細かくつぶしながら液体と一緒にかくはんし、スープやポタージュ、ジュースなどを作るキッチン家電全般をいいます。

実は日本では昔からミキサーと呼ばれているものですが、海外ではブレンダーと呼ばれています。特に近年はハンドブレンダーの知名度が上がったことから、ブレンダーという呼び方が一般的になっているようです」(田中さん・以下同)

ちなみに、似たようなものとしてフードプロセッサーやジューサーもありますが、それらとの違いは?

「フードプロセッサーは、肉をミンチにしたり、玉ねぎをみじん切りにするなど、食材を粗めに刻んで混ぜることができます。また、アタッチメントを替えれば、生地をこねる、スライスするといった下ごしらえも手軽に行えます。

対してジューサーと呼ばれているものは、食材を潰しながら水分と繊維を分け、サラッとしたジュースに仕上げてくれるものです」

いずれも、似て非なるもの。購入する際は間違えないよう、注意が必要です。

人気急上昇中のハンドブレンダー、その理由は?

さて、ブレンダーの中でもいま注目されているのが、スティック形状のハンドブレンダーだと言います。一般的なブレンダーとの違いは何でしょうか。

鍋に直接スティックを差し込んで使える

コンエアージャパン『クイジナート コードレス充電式ハンドブレンダー RHB-1070J』で鍋の具材を撹拌している手元
コンエアージャパン『クイジナート コードレス充電式ハンドブレンダー RHB-1070J』は、本体重量がわずか530gと軽量かつコードレスなので、場所を選ばず軽々使いこなせる
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「ミキサー、つまり一般的なブレンダーは本体容器の下にブレード部分が装着されているため、食材を容器の中に入れて使います。そうなると、作業のたびに食材を出し入れすることになり、これが結構な手間になります。

その点、ハンドブレンダーは鍋や深いカップの中に直接、スティック本体を差し込んで使えるので、作業のたびに食材を出し入れすることがありません。たとえばかき混ぜが終わったら、容器を移し替えることなく、そのまま次の作業に進められるので、手間が省けます。

またアタッチメントを付け替えれば、フードプロセッサーとして使うこともできるし、おろしや泡立てなど複数の作業もできて、1台で2役、3役も担ってくれるのです」

特に近年増えてきたのが、コードレスタイプ。

「コード付きは、コンセントの近くで作業しなければいけなかったり、コードがキッチンに置いてあるものに引っかかったりと、行動が制限されるデメリットがありました。コードレスなら、こうした制限から解放されて、どこででも自由に使えます」

ブレンダーを買ったものの、面倒になってそのうち使わなくなった…という人もいるでしょう。ですが、このように“面倒”を省いたタイプなら、継続して使いやすいです。

ブレンダーを日常的に使うには

ただ、あまりにも多機能だと、かえって使いこなせない人もいるかもしれません。調理器具の扱いが苦手な人でも、日常的に使いこなすことはできるのでしょうか。

コンエアージャパン『クイジナート コードレス充電式ハンドブレンダー RHB-1070J』の素材一式とかごに入った野菜など
コンエアージャパン『クイジナート コードレス充電式ハンドブレンダー RHB-1070J』は、アタッチメントを替えれば「つぶす」「混ぜる」「泡立てる」「かき混ぜる」「刻む・ミンチ」「すりおろす」機能が使える
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「もちろん、できます。そもそもブレンダーは料理の下ごしらえにあると便利なキッチン家電です。アタッチメントを付け替える前提でしたら、玉ねぎのみじん切りも30秒以内でできますし、肉をその場でミンチにすれば挽きたてのおいしさが味わえます。

食材を煮込んだ鍋にブレンダーを差し込んでかき混ぜれば、そのままポタージュにすることもできます。氷が砕けるタイプなら、氷や野菜などを入れた大きなカップにブレンダーを差し込み、スムージーを作ることも可能です。

栄養をしっかり摂りたい人にも、毎日の食事づくりのサポートにも重宝するでしょう」

購入時の注意点

さて、買うときに注意したいのはアタッチメントの種類です。

「アタッチメントの種類で、できることも変わってきますし、中にはアタッチメントの数で値段が変わってくる場合もあります。買う際には、アタッチメントの要・不要を見分けましょう。

特にコードレスの中には、氷が砕けるものと砕けないもの、氷でも家庭の製氷器で作ったものなら砕けるけれど、市販の氷は砕けないというものもあります。氷を砕きたい人は、その点も要チェックです」

さて、田中さんが今注目しているブレンダーは? 2点挙げてもらいました。

【1】コンエアージャパン『クイジナート コードレス充電式ハンドブレンダー RHB-1070J』

コンエアージャパン『クイジナート コードレス充電式ハンドブレンダー RHB-1070J』の一式
フードプロセッサー、ハンドミキサー、ミキサー、すりおろし器が1台に凝縮された多機能型。コンエアージャパン『クイジナート コードレス充電式ハンドブレンダー RHB-1070J』1万8700円(税込)
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こちらは、フードプロセッサー、ハンドミキサー、ミキサー、すりおろし器が1台に凝縮された多機能型。アタッチメントを替えれば「つぶす」「混ぜる」「泡立てる」「かき混ぜる」「刻む・ミンチ」「すりおろす」機能が使えます。

1台で「つぶす」「かき混ぜる」など6つの機能が使える多機能型

使い勝手も抜群だと、田中さん。

「本体重量がわずか530g※1と軽量かつコードレスなので、場所を選ばず軽々使いこなせます。DCモーターを搭載し、コードレスでもパワーは十分。パワーは3段階から選べ、握る力加減で変えられるので、仕上がり具合を見ながら調整できます。

充電は、充電スタンドに置くだけ。アタッチメントはすべて水洗いでき※2、ブレンダーも水濡れを気にせずに洗えます」

※1:ブレンダー使用時
※2:ウィスク用ギアボックスを除く

【2】ティファール『ミックスアンドドリンク ネオ ルビーレッド BL1605JP』

ティファール『ミックスアンドドリンク ネオ ルビーレッド BL1605JP』
氷など硬いものも砕けるパワフルさが魅力。ティファール『ミックスアンドドリンク ネオ ルビーレッド BL1605JP』9800円(税込)
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こちらは、氷など硬いものも砕けるパワフルさが魅力の卓上ブレンダーです。

置き場所を取らないスリム設計ながらパワフルなブレンダー

ティファール『ミックスアンドドリンク ネオ ルビーレッド BL1605JP』と食器がしまわれた棚
横幅わずか11.6cmとスリムながら700mlと大容量
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「横幅わずか11.6cmとスリムながら700mlと大容量の卓上ブレンダー。300Wのハイパワーで、耐久性に優れた4枚刃が、家庭用冷蔵庫で作った氷など硬い食材も短時間でパワフルに砕きます。容器はプラスチック製なので、軽くて扱いやすいのも特徴。毎日使いやすいシンプルな仕様です。ブレード部分は分解でき、本体以外は食洗器にも対応していて、毎日使いやすいシンプルな仕様です」

いずれも使いやすい工夫がされています。これなら「いつの間にか使わなくなっていた…」なんてことにもならず、毎日の調理に活躍しそうです。

◆教えてくれたのは:家電ライター・田中真紀子さん

田中真紀子
家電ライターの田中真紀子さん
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白物家電や美容家電を中心に家電に詳しいライター。雑誌やウェブなど多数のメディアで、新製品などをレビューしている。https://makiko-beautifullife.com

取材・文/桜田容子

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