
イギリス王室は、2024年1月17日にキャサリン皇太子妃が腹部の手術を受けたと発表。当時、具体的な病名は本人の意向で非公表だったが、病名についてさまざまな臆測が飛び交う中、同年3月23日にインスタグラムやYouTubeなどのソーシャルメディアで動画を投稿し、キャサリン皇太子妃自ら、がんであることを公表した。1月に受けた手術の後、がんが発見され、予防的な化学療法を受け始めたところだという。

がん公表したチャールズ国王とランチも
動画で「みなさまから多くの素晴らしい応援メッセージとご理解をいただいたことに感謝しています。私たち家族全員にとって、この数カ月は信じられないほど大変な日々でしたが、素晴らしい医療チームが私のケアをしてくれました。本当に感謝しています」と、感謝のメッセージを述べた。
動画には「早い回復を祈ります」など、多くのコメントが寄せられ、バッキンガム宮殿も、義理の父であるチャールズ国王が「キャサリン皇太子妃の勇気ある発言をとても誇りに思っている」と声明文を発表した。
海外のメディアでは、今年2月にがんであることを公表したチャールズ国王と、キャサリン皇太子妃が2人でランチを共にしたと報じられている。ランチの際、ともにがんの治療を受ける2人は、健康面、闘病に関する経験や、これから発表するメッセージ動画の件についても話し合ったとみられている。


ケンジントン宮殿はキャサリン皇太子妃の1月に受けた手術に関する声明で、公務復帰はイースター礼拝(2024年は3月31日)以降になる見通しだと発表していたが、今年のイースター礼拝にウィリアム皇太子一家の姿はなかった。




不確かな情報で子供たちを巻き込むことを避けたか
気になるのは、ジョージ王子、シャーロット王女、ルイ王子、3人の子供たちの様子だが、冒頭の動画ではキャサリン皇太子妃が子供たちへの配慮を見せていた。
「ウィリアムと私は、まだ幼い家族のため、密かにできることは全て対応しようとしてきました。ご想像の通り、手術から回復して治療を始めるまでにはとても時間がかかりました。でも一番大切なことはジョージ、シャーロット、ルイに適切な方法で全てを説明することで、私が大丈夫だと安心させることにも、とても時間がかかりました」
この発言からキャサリン皇太子妃が子供たちのことを第一に考えてきたことがうかがえる。


また、「子供たちにも伝えましたが、私は大丈夫です。体と心を癒すことに集中し、日々強くなっています。ウィリアムがそばにいてくれることも、大きな慰めと安心感の源になっています。多くの皆さんからの愛、支援、そして優しさも同じです。私たちには大きな意味があります」と感謝の気持ちを述べると共に、「家族として今の私たちには、私が治療を終えるまで、時間、空間、プライバシーが必要であることを理解していただければ幸いです」と家族のためにそっとしてほしいという願いを丁重に伝えている。
ウィリアム皇太子が当初、キャサリン皇太子妃が自身で説明することに反対していたと一部のメディアが報じている。がんを公表しない選択肢もあったはずだが、公表に踏み切ったのは、不確かな情報で子供たちを巻き込むことを避けたのだろう。
公表は勇気がいることだが、長い間、姿を見せずにいたことで多くの憶測を呼んでいた。さまざまな噂から子供たちを“守る”ことを選んだようだ。


動画の最後では「この病気(がん)に直面している人は、どのような形であれ、信念や希望を失わないでください。あなたは1人ではありません」と締めくくっている。「あなたは1人ではありません」(you are not alone)という言葉は、かつてエリザベス女王がクリスマスメッセージで国民を勇気付けた名言だ。国民に寄り添ったエリザベス女王のように、自身が闘病中でも、人々に寄り添うキャサリン皇太子妃。未来の王妃としての「矜持」、そして母親としての「強さ」を見せていた。
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