
自分ではなかなか気づくことができない血管の老化ですが、これは健康状態にも大きく関わっています。そこで、のべ8万人の体を見てきた整体師の吉田佳代さんが、医学博士・医師の白澤卓二さん監修のもと上梓した『不調を解消する すごい足温め』(あさ出版)でも紹介している足ツボに注目! 手間やお金をかけずに簡単にできる足ツボ押しで体の機能を回復させて、若々しく健康的な毎日を過ごしましょう。
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老化と血管の関係
血管の老化は全身の老化の原因と言われており、カナダの有名な医学者で内科医のウイリアム・オスラーの言葉に、「人は血管とともに老いる」というものがあります。逆に、血管が若いと、病気になりにくく、長生きしやすい傾向にあるといいます。
動脈硬化とは血管の老化のこと
動脈硬化とは、動脈のしなやかさが失われ、血管の壁が厚くなり、硬くなってしまう状態で、血管の老化と言われます。
なぜ動脈硬化が起こるのかというと、冷えや高血圧、喫煙や運動不足、ストレス、メタボリックシンドローム、加齢などによる血液の汚れが原因だと言われています。ドロドロ、ネバネバとした汚れた血液が、血管内部の老廃物や悪玉コレステロールなどを蓄積させ、血管が硬くなってしまうのです。
血液がスムーズに流れないと、酸素や栄養素がうまく運ばれなくなり、臓器や組織に障害が起こりやすくなってしまいます。
「また、血管自体ももろくなり、破れやすくなるため、心筋梗塞や狭心症などの心疾患、脳梗塞や脳出血などの脳疾患、腎臓病や腎不全などといった病気の引き金にもなりかねません」(吉田さん・以下同)

足のケアがアンチエイジングにつながる
血流が悪くなると、血液が冷たくなり、冷えと炎症を繰り返すことで免疫力の低下にもつながります。
そこで、吉田さんが推奨するのが、足を温め、足の機能を正常に活動させて、血液や血管を健康に保つこと。
「足をケアすることで、健康な体を手に入れるだけでなく、アンチエイジングの効果も得られるのです」
頭皮ケアには足温めも有効
加齢で気になる髪の悩みも、足を温めることで改善が期待できます。真逆に位置する頭と足が関係していることは不思議ですが、これも足を温めることで血流がよくなることに関連しています。
「低体温により、血流や新陳代謝の悪い状態が続くと、頭皮の皮脂が過剰に分泌されて毛穴を塞いでしまい、髪の毛に必要な栄養が頭皮や髪の毛までうまくいきわたらず、薄毛・抜け毛につながってしまいます」
抜け毛のトラブルは、シャンプーなど外的な頭皮ケアだけではなく、足を温めて血流をよくすることも有効。また、足温めをしながら頭皮マッサージをすることで、頭の血行がよくなるという相乗効果も期待できます。

「マッサージの方法はとても簡単です。おでこの生え際に5本の指を当て、そのまま痛気持ちいいくらいの力を加えながら、生え際→頭頂→後頭部へと指をすべらせていきます。これを5回繰り返します」
この頭皮マッサージは、頭皮の柔軟性をアップさせることができるので、顔のリフトアップにも効果が期待できます。アンチエイジングの一環として習慣にしてみてはいかがでしょうか。
若返りに効くツボ2選
一般的に足ツボと呼ばれているものは、足裏にある内臓器官に対応する反射区と東洋医学の経穴のこと。これを刺激することで神経から脳に伝達がいき、血流や体温、代謝やホルモンバランス、消化や吸収などをコントロールする視床下部が伝達を受け取ります。その伝達を整理し、対応する臓器や器官へ指令が出されます。
多岐にわたるツボのなかで、吉田さんは若返りのツボとして同書で10か所のツボを紹介していますが、その中からとくに覚えておきたい2つをピックアップしてもらいました。
足ツボ1「三陰交」

両脚の内くるぶしの高いところから指4本分ほど上にあるツボが「三陰交」です。
「女性ホルモンの分泌を調整する働きがあり、ホルモンのバランスが乱れることでのニキビや肌荒れ、たるみなどに効果的です」
足ツボ2「血海」

両脚のひざの内側から指3本分ほど上にあるツボが「血海」です。
「女性ホルモンを活性化するため、お肌の弾力が増して、ハリや潤いをもたらしてくれます」
足を温めることや足つぼ押しなら手軽に続けることができます。習慣として、生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
◆教えてくれたのは:吉田佳代さん

よしだ・かよ。株式会社カバーリング代表取締役。吉田佳代ボディケアビューティークリニック代表。ジャパンスタイルヘルスケア協会代表。日本手技療法士認定協会公認手技療法士、整体師、体幹ストレッチインストラクター、AIASオーストラリア国家資格ビューティーセラピストといった資格を取得。自然医学の理論と健康・美容技能の解析と応用を学び、骨・筋肉・経路・経穴・リンパのすべてからアプローチした独自の足ツボ療法および、全身オイル整体技術を開発する。延べ約8万人の施術および指導実績をもつ。https://www.kayoyoshida-beauty-clinic.com/
◆監修:医学博士・医師 白澤卓二さん
しらさわ・たくじ。医学博士・医師。白澤抗加齢医学研究所所長。お茶の水健康長寿クリニック院長。国際予防医学協会理事長 Residence of Hope館林代表。1982年、千葉大学医学部卒業後、東京都老人総合研究所老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーなどを経て、2007年から8年間順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授を務める。著書・監修書に『すごい塩』『ボケないのはどっち?』(ともにあさ出版)など。