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《本日最終公演》AKB在籍17年「寂しささえ覚える」柏木由紀の卒業を機に辿る、2000年代中盤を盛り上げたAKB48“初期の名曲”

3回目の選抜総選挙で3位に大躍進(写真は2011年、Ph/SHOGAKUKAN)
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「やり切りました卒業」の尊さ

全盛期の印象は、エブリディオーディション。選抜メンバーになっても、いつ後列になるかわからない。総選挙というものまであり、気が休まるどころではなかっただろう。

大々的に報じられた3回目の選抜総選挙(2011年)で、柏木由紀さんが3位に食い込んだのはちょっとした事件だった。私はその総選挙で彼女の存在を知った。「えっ、誰?」状態。いやー、びっくりしたもの!

柏木由紀さん自身がYouTubeチャンネル『ゆきりんワールド』で3回目の総選挙で3位に入ったときのことを語っている。嬉しいと同時に順位が上すぎてびっくりし、「やっちまったなあ」と思ったというのが、なんとも彼女の性格を表しているようで、微笑ましかった。

卒業シングル『カラコンウインク』は“初の単独センター”も話題に(写真は2012年、Ph/SHOGAKUKAN)
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柏木由紀さんの卒業シングル『カラコンウインク』は、柏木さんがウインクの天才であるとして、秋元康さんが作詞したという。彼女らしい、ソフトで明るいザ・アイドル楽曲だ。

この機会にファーストシングルから遡って聴こうとしたが、ディスコグラフィーを見ると「うっ」と怯んでしまうほどの数だった。「カラコンウインク」でろろろ63枚目!

そこで、柏木由紀さん自身がYouTubeで、AKBのあまり知られていない名曲としてオススメしていた『Green Flash』(2015年)を、今回初めて聴いてみた。そしてこれが本当にいい曲だった。

「大満足して卒業します」(写真は2015年、Ph/SHOGAKUKAN)
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「ほんの少し遠回りもいいよね」。そんな歌詞の内容が、17年もの長きにわたりグループを盛り上げ続けた彼女に、とても合っている。

じっくり歩いて、遠回りして、たどり着いたターニングポイント。

「“本当にやり切りました卒業”」「大満足して卒業します」という彼女の言葉が素敵だった。

◆ライター・田中稲

田中稲
ライター・田中稲さん
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1969年生まれ。昭和歌謡・ドラマ、アイドル、世代研究を中心に執筆している。著書に『昭和歌謡 出る単 1008語』(誠文堂新光社)、『そろそろ日本の全世代についてまとめておこうか。』(青月社)がある。大阪の編集プロダクション・オフィステイクオーに所属し、『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(実業之日本社)など多数に執筆参加。他、ネットメディアへの寄稿多数。現在、CREA WEBで「勝手に再ブーム」を連載中。https://twitter.com/ine_tanaka

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