《6月にイギリスへ公式訪問》皇室と英王室の深い“絆” 天皇陛下「雅子とともにイギリスの地を再び」特別な時間を過ごされた留学時代、エリザベス女王の国葬に異例の参列
天皇皇后両陛下が2024年6月下旬にイギリスへ国賓として訪問されることが明らかになった。エリザベス女王(享年96)が、2020年春に両陛下を招待していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期に。天皇皇后が国賓としてイギリスを訪問するのは、1998年の上皇ご夫妻以来となる。これまでさまざまな形で交流を続けてきた日本の皇室とイギリス王室。その親交を振り返る。
特別な時間を過ごされた留学時代「寮の部屋ごと、記念に持って帰りたい心境」
天皇陛下は1983年に、雅子さまは外務省に務められていた1988年に、オックスフォード大学に留学されている。天皇陛下はイギリスへ留学中、エリザベス女王から茶会に招待されたほか、スコットランドのバルモラル城にも招かれ、バーベキューを楽しまれるなど、家族の一員のように過ごされたという。
2023年4月に復刊された、天皇陛下が執筆したイギリス留学記『テムズとともに』で、新たにあとがきを寄せられ、こう綴られている。
《遠くない将来、同じオックスフォード大学で学んだ雅子とともに、イギリスの地を再び訪れることができることを願っている》
留学を終えた後、「寮の部屋ごと、記念に持って帰りたい心境です」と述べられるほどイギリスが、天皇陛下にとって特別な地であることがうかがえる。
エリザベス女王の国葬に異例の参列
2001年5月、天皇陛下(当時は皇太子)は英国の招待により、日本文化を紹介する「Japan2001」のオープニング開幕行事にご出席するためイギリスを訪問されている。天皇陛下は、ウィンザー城に滞在され、夕食を共にしたり、城の中にある図書室を案内してもらったりするなど、交流を深められた。
エリザベス女王が亡くなった翌日、2022年9月9日、陛下のお気持ちが公開された。
「我が国との関係においても、女王陛下は両国の関係を常に温かく見守ってくださり、英王室と皇室の関係にも御心を寄せてくださいました。私の英国留学や英国訪問に際しても、様々な機会に温かく接していただき、幾多の御配慮をいただいたことに重ねて深く感謝したいと思います。
また、女王陛下から、私の即位後初めての外国訪問として、私と皇后を英国に御招待いただいたことについて、そのお気持ちに皇后とともに心から感謝しております」
2022年9月19日にウェストミンスター寺院で行われたエリザベス女王の国葬に参列された天皇皇后両陛下。天皇が外国の葬儀に参列することは皇室の慣例からして異例のことで、海外のメディアでも、両陛下が女王の葬式に出席されたことが取り上げられた。
雅子さまはエリザベス女王とお会いになったことはない。しかし、おふたりの間には、すでに絆があったことがうかがえるエピソードがある。
愛子さまが誕生される前、体調に関する報道がされていた中、女王から雅子さまへ「しばらくこちらで暮らしてはいかがですか」と、イギリスでの生活をすすめる手紙が届いたと報じられた。
女王との対面は叶わなかったが、国葬で感謝の気持ちを伝えられただろう。