40代以降の大人向けの美容講座で、1000人以上の“女性のきれい”をサポートする骨格補正メイク専門家の池田曜央子さん。30代の終わりにメイクの道へ進むまでは、別のキャリアを歩んできたのだそうです。インタビュー第1回は、キャリアの選択や仕事との向き合い方について語っていただきました。
* * *
学生時代から「自分で選ぶ」がアイデンティティ
現在、骨格補正メイク専門家として活躍する池田さん。華やかな容姿で、学生時代からメイクを楽しんできたのかと思いきや、意外にもそうではなかったのだと話します。
「こういった仕事をしていると、学生時代からメイクが好きで…と思われがちなのですが、むしろメイク=チャラチャラしている、というイメージを持っていました。メイクの仕事をしている人は、高校を卒業したら専門学校に行ってメイクアップアーティストを目指してという過程を経ている人が多いですが、私は大学に進学して平凡な学生生活を送っていました」(池田さん・以下同)
選択できない状況から一念発起した大学受験
中学時代は勉強が得意ではなく、「下から数えたほうが早いくらいの成績で…」と話す池田さん。
「小中高とエスカレーター式の学校に行っていたので、あまりプレッシャーもなかったんですよ。ただ、大学進学の話が出てくる頃に、成績がいい人はたくさんの選択肢から学校を選べるけど、私のような成績が悪い生徒は先生から『ここを受けたら』と言われて、進学先を選択できない現状が嫌だなと感じたんです。
自分もやればできるのに、先生は何を言ってるんだろうと、妙な自信だけはあったんですよね(笑い)。そこからは真面目に勉強をし始めて、青山学院大学経済学部に入学できました」
就活時から「楽しいと思えるもの」を選んできた
そんな池田さんは、上京して一人暮らしがスタートしたことでインテリアの楽しさに目覚めたと言います。
「小さな部屋をなんとか素敵にするため、色々と考えて工夫することに充実感を覚えて。もともと子供の頃から美術や華道など、そういったものが周りの人から上手だねと言われていたので、インテリアも美術的な観点につながるものがあったのかもしれません。
経済学部だったので、周りの同級生は銀行や商社に就職が決まっていったんですが、私は正直『経済学部って格好いいな』くらいの気持ちで進学先を決めていたんです。女の子って文学部あたりに行きがちだけど、経済学部のほうが将来役に立つことが多そうだな…と思う程度だったので、経済学部で学んだことを活かした就職先に行きたいというこだわりもなくて」
そこで池田さんが就職先に選んだのは、上京したときに楽しさを覚えたインテリアの会社。
「就活をしていた時期にちょうど『劇的ビフォーアフター』が流行っていたこともあって、活気のある業界になっていたんですよね。せっかくなら輸入家具を扱っているような会社に入って、将来は外国で家具を買い付けたりして…といった夢を描いていました。楽しいと思えるもの、夢中になれるものを選んできたのは、当時からずっと変わっていないですね」