
汗でほんのり湿ったふとんを乾燥させたいけれど、あいにくの雨。そんな日に役立つのがふとん乾燥機だが、毎朝使った方がよいものか。また、ふとん乾燥機に搭載されているモードの種類が多ければ多いほど、“何コース”を使ったらよいのかも、迷う人もいるだろう。家電ライターの田中真紀子さんにふとん乾燥機の基本的な使い方を、改めて教えてもらった。
ふとん乾燥機を使う頻度の“正解”は?
まず、ふとん乾燥機はどれくらいの頻度で使い、コースはどう使い分けるとよいだろうか。
梅雨から夏にかけては週1回程度を目安に

「ふとん乾燥機のモード(コース)は、メーカーによって異なりますが、大別して『乾燥』『ダニ対策』『あたため』の3つ。その名の通り、ふとんを乾燥させたい時は『乾燥モード』、ふとんに入る前に少し温めたい時は『あたためモード』、ふとんに潜むダニにダメージを与えたい時は『ダニモード』を選択することが基本です」(田中さん・以下同)
使う頻度は、天日干しと同様の考え方でいいという。
「一般的に、ジメジメと湿度が高かったり、寝汗をかきやすい梅雨から夏にかけては週1回程度、それ以外の秋冬などは2週間に1回程度、干して乾燥させるとよいとされています。ふとん乾燥機も、これからの時期は週1回程度の頻度で使うといいでしょう。
もちろん、もう少し高頻度で使ってもよいですが、ふとん乾燥機は温風で乾かすため、電気代がかかります。花粉やPM2.5が気にならない、マンション管理規約で禁止されていない、ふとん干し自体が苦にならないなど、ふとんを外に干すこともできるなら、間に天日干しを挟んでもいいかもしれません」
大手電力会社は、5月請求分(4月使用分)から、電気代の値上げを発表。一般家庭の電気代は平均的な使用量に基づくと4月に比べて441~579円高くなるので、電気代を節約したいなら、できるだけ天日干しにしてふとん乾燥機の使用は1~2週間に1回というように、より頻度を減らしてもいいかもしれない。
加えて、効率的に使うことで、極力電気代のムダも抑えたい。
「ふとん乾燥機は、敷布団と掛布団の間にふとん乾燥機のノズルを差し込んで使うことで、内部をしっかり温めることができます。つまり、敷布団を乾燥させたい場合、掛布団をかけないと熱が逃げやすくなってしまうので、掛布団を被せてください。また、ノズルを差し込む位置も取扱説明書に従って取り付けないと、効率よく温風が広がらない場合があります」
もう一つ気を付けたいのは、乾燥の温度。
「ふとんの素材によっては、また低反発や高反発素材など機能性寝具の中には高温に弱いものもあります。使用するモードとふとんの耐熱温度が適正か、チェックを忘れずに」
ダニ対策は2~3週間に1回は行おう
さて、この時期気になるのが、湿気によって繁殖しやすいダニ。

「ダニ対策ができることは、天日干しにはないふとん乾燥機の大きなメリットです。ふとんを天日干ししても、ダニは日の当たらない側に逃げてしまうため、ダニ対策はできません。一方、ダニは50℃なら30分、60℃なら一瞬で死滅すると言われていて、ふとん乾燥機のダニ対策モードなら60℃以上の高温に長時間さらすので、ダニを死滅させることができます。もちろん温風が届かない場所に逃げてしまう可能性もありますが、高い効果が期待できるでしょう」
では、どれくらいの頻度で、どんな日にダニ対策モードを使うとよいのだろうか。
「使用頻度としては、ダニの成長サイクルから考えるといいかもしれません。ダニが繁殖するのは、温度が20℃~30℃、湿度が60~80%と、これから6~7月の梅雨時期にかけてです。
ダニアレルゲンとなるチリダニのメス1匹が生む卵の数は約50個から100個ですが、卵は2~3日で孵化し、3週間から4週間で成虫になって卵を産み始め、2か月で700倍近くに増えてしまうといわれています。
そのため孵化したダニが成虫になる前に、2~3週間に1回程度、ダニモードで対策するといいでしょう。ちなみにダニがアレルゲンになるのは、生きているダニではなく死骸やダニのフンですので、ダニを死滅させた後は、“ふとん掃除機”でしっかり吸い取りましょう」
つまり、温度が20℃~30℃、湿度が60~80%になればダニ対策の始め時。以後、週1回のふとん乾燥を行いつつ、そのうち2~3週間に1回はダニ対策モードを使うとよいだろう。
最後に、最近田中さんが注目しているふとん乾燥機を2点、紹介してもらった。
【1】カドー『ふとん乾燥機FOEHN』

ふとん乾燥機の使用を習慣化したい人は、ベッドサイドに出しっぱなしにしても違和感のないデザイン、かつ、手にとりやすい軽量タイプに注目。
ふとん乾燥を習慣化しやすいコンパクト&軽量タイプ

「従来のふとん乾燥機とは一線を画したスティックタイプの、ワンタッチで使えるふとん乾燥機。本体サイズは直径 約49 ×高さ約315 mm、質量は約420gと軽量コンパクトながら、パワフルな温風を吹き出します。
コンパクトかつインテリアになじむカラーリングは出しっぱなしにしても邪魔にならず、使いたい時にワンタッチでサッと使えるので習慣化しやすいメリットも。『あたため』『乾燥』『ダニ対策』『送風』コースを搭載しています」
【2】レイコップ『ふとん乾燥機モナミ(RFK-100)』

ふとんにやさしめの65℃以下の温度でもダニ対策ができるのが、レイコップの『ふとん乾燥機モナミ(RFK-100)』。
ふとんの素材に合わせて温度を変えられる「ダニモード」

「ふとんクリーナーで一世を風靡したレイコップのふとん乾燥機。『ダニモード』では65℃の温風100分でダニを約99.9%死滅できるほか、手動モードなら最大75℃の温風でダニ対策が可能としています。70℃以上の高温に弱い素材に使いたい時は65℃で、より高温で素早くダニ対策をしたいなら75℃のコースで、と使い分けられるのが便利です。
さらに、より広範囲に温風が届けられる十字形のふとん乾燥アタッチメントや、靴乾燥、衣類乾燥に対応するアタッチメントも付属し、多彩な使い方ができます」
ふとん乾燥機は、雨でふとんが干せないとき、花粉シーズン、湿気の多い夏など年間通して活躍の機会が多い家電。使いやすさも進化しているので、要チェックだ。
◆教えてくれたのは:家電ライター・田中真紀子さん

白物家電や美容家電を中心に家電に詳しいライター。雑誌やウェブなど多数のメディアで、新製品などをレビューしている。https://makiko-beautifullife.com
取材・文/桜田容子
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