森さんが期待した雅子さまの“和”の表現
結婚前は外交官として国際的に活躍され、外国語が堪能な雅子さまだが、ハーバード大学在学中に「日本文化クラブ」を創立し、日本文化を広める活動をされていた。“和”を大事にされている雅子さまのお気持ちを察したような、森さんのコメントが残っている。
《独自の和と優雅なお振舞いが、各国からの賓客を魅了して、世界から称賛の声があがる皇后陛下雅子さま。日本人として誇らしく思います》(『文藝春秋』2019年11月号、以下《》内同)
雅子さまと同じく、国際的に活躍されてきた森さんも世界に“和”を広げようとしていた。
《“日本人”や“日本らしさ”をテーマに、東洋と西洋の融合を求めて、世界のあちらこちらで永く仕事をしてきた私は、海外でも日本の皇室の存在感をみてきました。両陛下の国際感覚は、これからの日本を世界に表現していく大きな力となるでしょう》
森さんの「日本を世界に表現していく」という言葉の通り、天皇皇后両陛下は、和を意識したおもてなしをされている。昨年の2023年11月17日、キルギスの大統領夫妻を招いた昼食会では手まり寿司などが提供された。このときの和食の提供は外国要人を招いた昼食会では初めてだった。
同年11月28日、ベトナムのボー・バン・トゥオン国家主席夫妻を招かれた昼食会でも、押しずしや日本酒での乾杯が行われ、和のおもてなしをされた。
世界で活躍されてきた森さん、他国との交流を深める雅子さま。お二人の間には、日本文化を海外に伝えるという、同じお気持ちを持たれていたようだ。