今年もなすがおいしい季節到来! 夏のなすはみずみずしく、野菜の高値が続くなかでも価格が安定している、家庭料理の強い味方。なす農家が直伝する新鮮ななすを見極めるポイントや皮をむかなくてOKの焼きなすなど農家絶賛の最新レシピを知って、夏の食卓を盛り上げよう。
旬のなすのハリとみずみずしさは格別!
6年前に脱サラし、祖父の代から続く農園を継いだ賀川元史さんの作るなすは、皮がやわらかく、とろけるような食感が評判だ。「めしべとおしべの長さのバランス、花の色などを見ながら肥料の量を調整して、育てています」と賀川さん。収穫のピークを迎える8月には、1日の収穫量が約400kgにもなるという。
「夏の日差しと露で育つ夏秋なすは、ハウス栽培のものとはハリ、ツヤが違います。最盛期は7〜8月。枝は2mの高さまで成長し、実は1晩で1cm大きくなることも。成長が早いほど皮が引き伸ばされ、みずみずしくハリのあるなすになります」(賀川さん・以下同)
新鮮ななすの見分け方
「陽の光を浴びると黒くなるため、 薄紫の部分で1晩の成長スピードと、早朝収穫されたかどうかがわかります」と話す賀川さんが、新鮮ななすを見分けるポイントを教えてくれた。
NGのなす
鮮度が落ちたなすは皮にツヤがなくなる。みずみずしさにも欠けるため、 傷やしわがつきやすく、しなびた印象に。
古いなすのへたは、切り口が黒ずみ、乾いて見える。がくの部分もパサパサしていて、しぼんだ感じが一目でわかる。
OKのなす
この日の朝に収穫したなすはツヤツヤ!握ったときにハリがあり、触っただけで水分をたっぷりと含んでいるのが分かる。また、切り口が薄緑を帯びた白色だと鮮度がよい証拠。
「太陽の光と雨をたっぷり浴びた8月頃のなすは、がくの色も黒くなります」
なすの正しい保存方法と栄養価
なすをたくさん手に入れたときの保存方法や、栄養に関する豆知識もチェックしておこう。
なすの保存は低温障害に注意
なすは空気と寒さが苦手。保存はポリ袋などに移して口を閉じ、野菜室へ。
「5℃以下になると低温障害を起こし、中の種が黒くなります。冬は冷蔵庫に入れなくてもOK」
カリウム豊富ななすは夏にぴったり!
夏バテ防止に欠かせないカリウムたっぷり。 さらに、実に多く含まれるコリンエステルは自律神経に作用し、血圧の改善や睡眠を促す効果が。 皮に含まれるナスニンには、ポリフェノールも豊富。