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マネーのプロ5人が固定費の削減のために実際にやったこと 通信費、住居費、サブスクをどう減らしたのか?

1万円札を数枚持っていて、電卓を叩く男性の手元
「お金のプロ」が実践している「お金を貯めるためにやめるべきこと」をわかりやすく解説(Ph/PIXTA)
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資産寿命を延ばすべく、あわてて新NISAを始めてみたり、1円でも安いものを求めて日々スーパーをはしごしたりしても、思うようにお金が貯まらないのはなぜなのか。実は、家計を守るためには新たに行動を起こすよりも「余計なことをしない」方が効果的。数々の家計を救ってきた「お金のプロ」が実践している「お金を貯めるためにやめるべきこと」を聞いた。

マイカーを手放しカーシェアリング

ファイナンシャルプランナーの山崎俊輔さんは「マイカー」を手放し、カーシェアリングに切り替えた。

中古車販売店に並べられた中古車
都心に住んでいるなどで週に1、2回しか車に乗らないなら、手放す方がいい(Ph/PIXTA)
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「自家用車を持っていた頃はどんなに安くても月3万円は所有コストがかかっていました。いまはカーシェアとタクシー代を合わせても月1万円を超えません。都心に住んでいるなどで週に1、2回しか車に乗らないなら、手放す方がいいでしょう」(山崎さん)

自家用車は税金、車検代、ガソリン代など、年間維持費は最低でも約50万円。これを削減できるのは大きい。

大手キャリアのスマホをやめて格安SIMに

家計再生コンサルタントの横山光昭さんは、「大手キャリア」のスマホをやめ、格安SIMに切り替えた。

黒いスマートフォンとWi-Fi
「大手キャリア」のスマホをやめ、格安SIMへ切り替えるのも手(Ph/イメージマート)
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「大手だと通信費は月7000円ほどかかりますが、格安スマホで約2000円になれば月5000円、年間6万円節約できる。4人家族ならその4倍の固定費が削減できます。

わが家では固定電話もやめました。総務省の2020年の試算では、固定電話の基本料金と通話料金を合わせると年約1万7000円にもなる。これをまるごとコストカットできています」(横山さん)

Wi–Fiが“重複”している場合は引き算が必要

通信費は、スマホ代と固定電話代だけではない。いまや生活に必須のWi–Fiが“重複”している場合があると語るのは、ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんだ。

Wi-Fiにのイメージ
Wi–Fi完備のマンションに引っ越したのに、以前から使っていたWi–Fiを解約しないままでいるケースが少なくない(Ph/イマージマート)
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「Wi–Fi完備のマンションに引っ越したのに、以前から使っていたWi–Fiを解約しないままでいるケースが少なくありません。解約するだけで月4000~5000円は節約できます」(黒田さん)

テレビをやめてサブスクの入りすぎを見直すべき

Wi–Fiを効果的に活用し、スマホで動画サイトやテレビ番組配信サイトを見ている人は多いだろう。消費生活アドバイザーの丸山晴美さんは「テレビもやめていい」とする一方、サブスクの入りすぎには注意を促す。

「見逃した番組はTVerなどで無料配信されているほか、ドラマや映画もネットフリックスやアマゾンプライムビデオなどの動画サブスクで見ることができ、ニュースなどの情報収集もすべてスマホで完結する。わが家でも最近はテレビを見なくなりました。

ただし、動画視聴に限らずサブスクに入りすぎるのはムダ遣いのもとになります。昨年8月に月会費が500円から600円に値上がりしたので、私はいまアマゾンプライムの解約を検討中です。代わりに、配送料が無料になるだけでなく年会費もかからないヨドバシ・ドット・コムに乗り換えようと思っています」(丸山さん)

サブスクは「初月無料」のキャンペーンを行っているものが多く「無料なら」と加入したことを忘れて入りっぱなしになっているケースが少なくない。年に一度はリスト化して、やめるべきものがないか見直そう。

思い切った「住居費」の削減は効果てき面

毎月決まった金額がかかる「固定費」の削減は王道にして効果てき面ということだ。金融・投資コンサルタントの永田雄三さんが取り組んだのは「住居費」の削減だという。

「毎月の家賃がもったいないと感じ、思い切って家を買いました。特に都内は地価が上がっているので、家は最大の資産になる。住み替えが難しくても、大家は家賃が高いことを理由に退去されるくらいなら家賃を値下げする方を選ぶ場合がほとんどなので、交渉の余地は充分にあります」(永田さん)

プロが実践「固定費削減のためにやめたこと」

マネーのプロが固定費削減のためにやめたことの表
マネーのプロが実践する、固定費削減のためにやめたこと
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【賃貸】
資産価値のある物件を選べば、家賃を払い続けるよりも安くつく。賃貸に住み続ける場合でも家賃の交渉を。

【自家用車】
安くても月3万円以上の所有コストがかかるため、生活に必須でない場合は手放してカーシェアリングを。

【大手キャリア】
のスマホ 格安スマホにすれば1人あたり月約5000円の節約に。格安SIMに抵抗があるなら、大手キャリアのサブブランドにするだけでも減額できる。

【Wi-Fi】
Wi-Fi完備のマンションに住んでいるなら即刻契約解除を。月4000~5000円は削減できる。

【固定電話】
基本料金と通話料金で年間平均1万7000円かかる。振り込め詐欺などから身を守る効果も。

【サブスク】
不要なサービスに「入りっぱなし」でいるとムダな出費が増える。

【アマゾンプライム】
年会費が値上がりしたため、ヨドバシ・ドット・コムなど他サービスへの乗り換えを検討するのもいい。

【生命保険】
世帯加入件数は平均3.9件にものぼる。必要なものを見極めて取捨選択を。

※女性セブン2024年8月1日号

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