マネー

メーカー・キャリア保証と損保・クレカ会社の「スマホ保険」、どっちがいい?選び方をファイナンシャルプランナーが指南

ヒビが入ったスマートフォン
スマホ保険の選び方を節約のプロが指南(Ph/photoAC)
写真5枚

年々端末の価格が値上がりしているスマホ。落下や水没などでも簡単に壊れてしまうため、万が一のことを考えてスマホ保険の加入も検討している人も多いだろう。そこで、節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに、スマホ保険とその選び方について詳しく教えてもらった。

* * *

スマホ修理時の費用などを補償してくれるスマホ保険

スマホ保険とは、スマホの修理時の費用や交換費用などを補償してくれる保険のことです。一般的なメーカー保証は、自然に故障した場合のみが対象で、破損や水漏れ、紛失や盗難などには対応しません。

一方、スマホ保険は水没や落下による破損なども補償の対象となります。端末の値上がりにともなって年々修理・交換費用も高くなっているため、万が一のことを考えて加入する人が増えています。

スマートフォンと現金
スマホは端末の値上がりにともない修理代も高額に(Ph/photoAC)
写真5枚

スマホメーカー・キャリアの保証は比較的高額かつ加入が期間限定

有名なのはAppleのApple Care+ですが、料金はiPhone15Plusの場合、月々1380円(税込)と比較的高いです。また、iPhoneなど端末の購入日から30日以内でないと加入ができません(https://www.apple.com/jp/support/products/iphone/)

また、au、docomo、Softbank、楽天モバイルといったスマホキャリアからも保証プランが出ていますが、こちらも同様に加入できる期限が決まっており、料金もあまり安くはありません。

au(https://www.au.com/mobile/service/kosho-funshitsu-wide-cloud/)とSoftbank(https://www.softbank.jp/mobile/service/anshinpack/plus/)の場合は、加入はいずれも端末購入時の申し込みのみで、料金はauが990円から(対象機種により異なる)、Softbankは715円です。

楽天モバイル(https://network.mobile.rakuten.co.jp/service/replacement-warranty-sim/)の加入期限は回線開通日から30日以内で、料金は715円から(対象機種により異なる)です。

docomoの加入期限は機種購入日もしくは回線契約日を含めた14日以内(https://www.docomo.ne.jp/service/smart_anshin_hoshou/)で、料金は330円から(対象機種により異なる)と比較的低料金に見えますが、iPhone15やGoogle Pixel8は880円のため、他社と大差はないでしょう。

クレジットカード会社の保険は保険料が無料だが条件あり

スマホ保険はJCB(https://www.jcb.co.jp/insurance/sp-insurance/index.html)や三井住友カード(https://www.smbc-card.com/camp/00078/index.jsp)などのクレジットカード会社も取り扱っています。

クレジットカード会社のスマホ保険は、他のスマホ保険と違って基本的には保険料がかかりませんが、そのクレジットカード会社のカードでスマホの通信料を支払っていることが条件となっていたり、一定のグレード以上のカードに限定されていたりすることがあります。

スマートフォンとクレジットカード
クレジットカード会社もスマホ保険を扱っている(Ph/photoAC)
写真5枚

また、補償内容が画面割れのみで、自己負担1万円がかかるなど、補償内容が不十分である場合もありますが、ご自身が利用しているクレジットカードにそのような保険が付帯していないか確認をしておくと、いざという時に修理費用の負担を減らすことができるでしょう。

保険会社もスマホ保険を取り扱い

このほか、保険会社もスマホ保険を提供しています。例えば、さくら少額短期保険では月700円で3台まで保障する「モバイル保険」(https://mobile-hoken.com/lp/takumi-wp/)を、ニッセイプラス少額短期保険では月200円から加入可能な「スマホ保険」(https://www.nissay-plus.co.jp/smaho-hoken-001)を、ワランティ少額短期保険では月100円から加入可能な「スマホケ」(https://wrt.co.jp/2022/3242/)を提供しています。

保険会社のスマホ保険は各社で保障内容が異なりますが、スマホキャリアなどの保険と異なり、加入したいタイミングで検討できるのが特徴です。

クロネコヤマトにもスマホ保険がある

実は、運送会社のヤマト運輸でもスマホ保険を提供しています。同社のクロネコヤマトの「スマホもしも保険」(https://www.kuronekoyamato.co.jp/ytc/campaign/insurance/smartphone/)では、月200円で画面割れなどの破損を補償、月400円で水濡れや盗難なども保障しています。

自分に合う保険を選ぶには

今はさまざまなところからスマホ保険が出ているため、自分にあった保険を選ぶことが大切です。価格はもちろんのこと、破損や水没などどういったことを補償してくれるのか、いくらまで保障してくれるのか、保障してくれる台数が何台なのかといったことをチェックしましょう。

1台の料金は安くても、家族全員分に保険をつける場合は、別の保険プランのほうが安いということも考えられます。

まずは破損しないように工夫することが大切

いくら保険に入っていたとしても、修理や交換費用が保証金額を超えていれば費用が発生します。保険加入の有無にかかわらず、画面はきちんと保護フィルムを貼る、スマホカバーを付けるなど、まずは壊さない工夫が大切です。

スマホの画面フィルムをスマホに向けている
まずは壊さない工夫を(Ph/photoAC)
写真5枚

また、iPhoneはiTunesやiCloudなどで、AndroidはGoogleアカウントなどでデータのバックアップもきちんと取り、故障したときに有料のデータ復旧のオプションなどを使わなくてもいいように準備しておくのがいいでしょう。

電池の持ちが悪くなって機種変した過去のスマホを写真保存用にするなど、バックアップに使うのもおすすめですが、大切なデータは別途クラウドストレージや外付けのフラッシュメモリーといった記憶媒体へ移しておくとよいでしょう。

◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん

丸山晴美さん
節約アドバイザー・丸山晴美さん
写真5枚

節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。https://www.maruyama-harumi.com/

構成/新藤まつり

●中古品の活用で物価高に対抗!節約アドバイザーが語る「買ってもいい中古品・買ってはいけない中古品」

●格安SIMに替えたらどれぐらいお得?スマホにかかるお金を節約するワザ