連日の熱帯夜や時差のあるオリンピック観戦などで睡眠不足という人も多いのでは? 今回は旅行ジャーナリストの村田和子さんが、「読書」をキーに「五感で眠る」がテーマの宿泊プランを求め、ひとり名古屋へ。海外気分が味わえるホテルでのウェルネスな滞在をしたり、美しいレトロ建築を求めて街を散策したり。話題のNHK朝ドラ『虎と翼』のロケ地もある名古屋で、美しいものに囲まれて心身整う女子ひとり旅をレポートしてもらう。
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オーバーワークが続き、眠りたいのに眠れない。眠れないと体調もおかしくなる……そんな負の生活習慣が続いたときに目にしたのが、ストリングスホテル名古屋の「読書×ブレインスリーブ“五感で眠る”非日常ステイ」。睡眠に最適な環境の中で、読書をキーに快眠へいざなう宿泊プランは、快眠度が数値で可視化され、自分の睡眠や生活習慣を見つめなおす機会になります。ぐっすり眠り疲労が癒えたら、名古屋の美しいものを求めて街へ。心身の疲れを癒す名古屋ひとり旅を紹介します。
1日1室限定!ストリングス名古屋「読書×ブレインスリーブ“五感で眠る”非日常ステイ」
今回、目を引いたのが、“読書”をベースにした睡眠の宿泊プランであること。睡眠×読書をテーマに企画を行う日販のブランド「ヨムとネ」が監修しており、同社の調査では、就寝前に読書をすると夜中に目覚めにくくなるのだとか。
チェックインをすると渡されるのが、「ヨムとネ~心地よい目覚めのための9STEP」という小冊子。就寝に向けて、あるいは就寝中にどういったことを心がければ良質な眠りがえられるかが解説されているオリジナルの冊子です。
そして、就寝時に衣服に装着することで眠りの状況が可視化される「ブレインスリープコイン」が貸し出され、「アプリのダウンロードを早めにしておいてください」との説明がありました。
客室のベッドは、テンピュール製、あるいはシーリー社とホテルが共同開発したもの(※客室タイプにより異なる)。そして枕は、通常の枕にプラスして、プラン限定の「脳まで眠る枕~ブレインスリープピロー」が用意されています。さらに睡眠の質を高める「おすすめの本」が6冊、今回のプラン特典であるスキンケアが客室に用意されていました。
夕食は大聖堂のライトアップを見ながら優雅にアフタヌーンティーを
眠る前にまずは夕食をと足を運んだのは、ホテル1階にあるニューヨークラウンジ。
洗練された空間は、昼も素敵ですが、夜は幻想的で日本というのを忘れてしまいそう。ライトアップされたゴシック様式の大聖堂は、ニューヨークのセントパトリック教会をモチーフにしているといいます。
今回は夕食として利用する人も多いという、人気のアフタヌーンティーを頂くことに。8月31日までは、「ヴィヴィッド サマー アフタヌーンティー(VIVID SUMMER Afternoon Tea)」をテーマに開催。色鮮やかなドラゴンフルーツ、マンゴー、グアバなど夏らしいフルーツを使ったスイーツ、そしてシェフ特製のセイボリーが並びます。
スイーツは、フルーツが主役で甘すぎず、上品な味わい。見た目も楽しみながらさっぱりと頂けて暑い夏にぴったりです。そして感動的なおいしさだったのが、焼き立てのスコーンと添えられたクロテッドクリーム。フランスの老舗紅茶ブランド「マリアージュフルール」を含む約30種の飲み物との相性もよく、思わず「テイクアウトはできないのですか?」と確認したほど。「焼き立てを食べていただきたい」とのことから残念ながらテイクアウトはできず、アフタヌーンティー限定で味わえる逸品です。
お風呂・読書準備をすすめ、さあ就寝!気になる寝心地は?快眠度は?徹底レポート
部屋に戻り、置かれた本をめくると、絵本だったり、イラスト集だったり、詩だったり、気楽に読める、眺めるというイメージの選書になっています。その中から2冊を選んで今夜のお供にすることに。
しばらくするとアプリから、「就寝90分前にはお風呂へ」との通知があり、バスタブにお湯をはって入浴の準備を始めます。宿泊プラン特典のアメニティは、樹木との共生をテーマにした資生堂のブランド「BAUM」。ストリングスホテル名古屋は全室にレインシャワーがあり、香りがバスルーム全体に広がり、まるで森林浴をしているかのような心地良い気分です。
入浴後にスマホは封印し、好きな音楽を聴きながらベッドで読書の続き。絵本「キツネと星」は、趣味の版画に生かせそうなデザインが多く、次の作品はこんなのもいいなあと思いながら、ページをめくります。
眠気がでたところでパジャマに「ブレインスリープコイン」を装着。連動するアプリの計測ボタンを押して眠りの記録を開始します。小冊子にあった「心地よい目覚めのための9STEP」では、部屋剥落するのが大切とのこと。電気をすべて消し早めに就寝しました。
翌朝の目覚めはすっきり。アプリを見ると……眠れないと思っていたのがうそのように、睡眠スコアは77点。全国の平均68.8%を上回る良好なスコアでした。中でも眠るまでの時間は8分とスムーズ。宿泊以降も自宅で計測を続けていますが、ダントツで眠りに入る時間は宿泊日が早く、睡眠スコアも最高記録のまま。半月たつ現在も超えられずにいます。読書や眠るための環境、あるいは眠るということに意識を集中できるのがよかったと感じます。
他にも、環境音の大きさや寝返りの回数と姿勢、いびきをかくと自動で録音がされるなど、普段知りえない自分の睡眠について可視化する機会となります。ぐっすり眠り溜まった疲れをリフレッシュするだけではなく、帰宅してからの睡眠環境や夜の過ごし方を変えてみようという行動変容にもつながります。
久しぶりにぐっすり寝られて、リフレッシュしたこともあり、チェックアウト後は、大好きなレトロ建築を目的に、名古屋市内の「文化のみち」付近へ足をのばすことにしました
ぐっすり寝て元気になったら美しいレトロ建築巡り!あの朝ドラの舞台も必見
みどころが多い名古屋ですが、私のおすすめは名古屋城から徳川園に至る「文化のみち」一帯。レトロな建築が残り建物の見学やカフェ施設がある建物も。のんびり散策するのにおすすめです。
とはいっても、やはり暑い! 今回は比較的近くにある「文化のみち二葉館」「旧豊田佐助邸」「名古屋市文化のみち橦木館」を訪れました。
そして最後は朝ドラ『虎に翼』の裁判所のロケ地としても使われている重要文化財「名古屋市市政資料館」へも足をのばしました。
実はもともとは「旧名古屋控訴院・地方裁判所・区裁判所庁舎」で、ドラマのモデル三淵嘉子さんも、実際に赴任し働かれていた場所だといいます。数あるレトロ建築の中でも荘厳さは別格。
しかも見学無料で、館内は名古屋市に関する資料館や、現在はドラマの展示もあります。
心身共に元気になり、自宅へと戻りました。いかがでしたか? 50歳からの旅、特に夏はアクティブすぎず、自分の体や心に寄り添った旅を心がけるといいですよ。
■ストリングスホテル名古屋 https://www.strings-group.jp/nagoya/
■名古屋市公式観光情報「名古屋コンシェルジュ」 https://www.nagoya-info.jp/
◆教えてくれたのは:旅行ジャーナリスト・村田和子さん
旅行ジャーナリスト。「旅を通じて人・地域・社会が元気になる」をモットーに、旅の魅力を媒体で発信。宿のアドバイザー・講演なども行う。子どもと47都道府県を踏破した経験から「旅育メソッド(R)」を提唱、著書に「旅育BOOK~家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ(日本実業出版社・2018)」。現在は50歳を迎え、子どもも大学生となり、人生100年時代を楽しむ旅を研究中。資格に総合旅行業務取扱管理者、1級販売士、クルーズアドバイザーなど。2016年より7年間、NHKラジオ『Nらじ』月一レギュラーを
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