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《夏に最適》辛さがクセになるエスニック鍋!人気店の料理人が家庭で簡単にできる本格レシピを伝授

「コチュジャンチゲ」
『ハヌリ』総料理長が教える「コチュジャンチゲ」
写真14枚

個性的な具材や汗がじわじわふき出す辛さがクセになる、エスニック鍋。夏になると無性に食べたくなる理由は、各国の暑さに負けない工夫が盛り込まれているから。本場の味を家庭でも簡単に作れるよう、人気店のシェフがアレンジしてくれた!

『ムアンタイ』料理人が教える「タイスキ」のレシピ

タイスキは、老舗タイ料理店『ムアンタイ』オープン以来不動の看板メニュー。具材が贅沢な鍋は、タイでも店で食べられることが多いという。

「タイスキ」
料理人が教える本場流「タイスキ」
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「魚介やつみれ、ちぎった野菜の順に加えたら、だしが出るまで煮るのが本場流。えびのつみれに刻んだ豚の脂を加えると、甘みが出ます。“ナムチム”(たれ)がポイントなので、ぜひ2種類用意してください」(料理人・パリンヤーさん・以下同)

具材から旨みが出るまでじっくり煮るのが本場流。濃いだしが出る魚介、旬の青菜、きくらげ、香りのいいハーブなど好みの具材を入れて。煮込むほどに、コンソメスープに具材の旨みが溶け込み深い味わいに。麺またはご飯と溶き卵を加えてシメても◎。

タイスキとタレ
ほのかな酸味と甘みが食欲をそそる
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「タイスキには欠かせないたれです」とパリンヤーさんが語るのは、チリソースにナンプラーや砂糖などを加えた甘辛いたれ。

《材料》(2~3人分)

青菜や海鮮
「タイスキ」の材料
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えび…4尾 いか…50g しめじ・空心菜・きくらげ・パクチー・豆腐・はるさめ…各適量 水…7と1/2カップ コンソメ(固形)…1個
【つみれ】むきえび…150g 砂糖・塩・うまみ調味料・豚の脂身(あれば)…各少量
【たれ】チリソース…大さじ4 酢…大さじ2 ナンプラー・ごま油…各大さじ1 砂糖…小さじ3 うまみ調味料…小さじ1/2 白いりごま…少量

《作り方》

【1】たれの材料をよく混ぜ合わせる。
【2】つみれ用のえびはフードプロセッサーでミンチ状にし、細かく切った豚の脂身、調味料とボウルに入れ、練り混ぜる。
【3】鍋に水、コンソメを入れて煮立たせる。スプーンで成形した【2】、食べよく切った具材を入れて火が通るまで煮る。たれをつけて食べる。

《Point》「辛いのが苦手なら唐辛子の種は除いて」

青唐辛子が入ったタレ
青唐辛子をナンプラーに加えた「プリックナンプラー」
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タイの飲食店でおなじみのたれ、小口切りにした生の青唐辛子をナンプラーに加えた「プリックナンプラー」で味変も。

◆教えてくれたのは:『ムアンタイ』料理人・ジョンカムシン・パリンヤーさん

白いコック服を着た男性
『ムアンタイ』料理人のジョンカムシン・パリンヤーさん
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創業34年を迎える老舗タイ料理店。タイスキは2人前~注文可。店ではオリジナルのつみれやワンタン、肉や海鮮、野菜など豊富な具材が入る。「ムアンタイ」東京都千代田区神田神保町1-35-2

『ハヌリ』総料理長が教える韓国鍋

日本で大流行中のチュクミ(いいだこ)は韓国でも定番の食材。国民食であるチゲは、コチュジャンさえあれば作れると、韓国料理店『ハヌリ』総料理長のイ・チャンヒョンさん。

「チュクミヨンポタン」のレシピ

「チュクミヨンポタン」
いいだこが入った鍋「チュクミヨンポタン」
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「いいだこや牛肉などのメイン食材には、旨みや脂がたっぷり。また韓国では、大根はよいだしが出る食材として鍋料理には欠かせません」(イさん・以下同)

手間なしでもおいしい秘訣は具材を入れる順番にあり。

「大根はだしをとるため、先に入れます。いいだこがなければ、真だこや貝でもおいしいですよ」

《材料》(1人分)

いいだこやズッキーニ、長ねぎなど
「チュクミヨンポタン」の材料
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いいだこ…4匹(100g) 青唐辛子…1本 大根・豆腐…各50g ズッキーニ・長ねぎ…各20g えのきたけ…10g 水…1と3/4カップ
【A】しょうゆ…小さじ2 和風だし(顆粒・かつお)…小さじ1/2強 砂糖・うまみ調味料…各小さじ1/2弱 塩…少量
春菊・青唐辛子・赤唐辛子(輪切り)…各適量

《作り方》
【1】青唐辛子は縦に切れ目を入れる。具材は食べよく切る。
【2】鍋に青唐辛子、大根、水を入れて5分煮る。
【3】【2】の青唐辛子を取り除き【A】を入れて混ぜ、いいだこ、豆腐、ズッキーニ、長ねぎ、えのきを加えて3分煮る。春菊、青唐辛子と赤唐辛子の輪切りをのせる。

《Point》スープのベースは生の青唐辛子

生の青唐辛子を煮ている
生の青唐辛子を水から煮るのがポイント
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生の青唐辛子を水から煮て、スープのベースを作る。「このスープでパンチがきいた辛さの、ヨンポタンになります」。

「コチュジャンチゲ」のレシピ

「コチュジャンチゲ」
みそを使った鍋「コチュジャンチゲ」
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「牛肉は柔らかい部位を使うと、脂が旨みになります。みそ系の鍋にはじゃがいもを入れるのが、韓国では鉄板です」

《材料》(1人分)

牛肉やコチュジャンなど
「コチュジャンチゲ」の材料
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牛肉(カルビ)…50g じゃがいも・大根…各60g 豆腐…50g ズッキーニ・長ねぎ…各20g えのきたけ…10g 水…1カップ
【A】コチュジャン…大さじ2 うまみ調味料…小さじ1/2弱 塩…少量
青唐辛子・赤唐辛子(輪切り)…各適量

《作り方》
【1】具材は食べよく切る。
【2】鍋にじゃがいも、大根、水を入れて5分煮る。
【3】【A】を入れて混ぜ、牛肉、豆腐、ズッキーニ、長ねぎ、えのきを加えて3分煮る。青唐辛子と赤唐辛子の輪切りをのせる。

《Point》シメにはラーメンが◎

鍋にコチュジャンを入れている
砂糖を加えてコチュジャンの甘みを調整することも
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じゃがいも、大根から煮て旨みを出す。「甘さ控えめの韓国のコチュジャンを使う場合は、砂糖を小さじ2加えて甘みを足します」。

シメのラーメンを入れた「コチュジャンチゲ」
甘辛いスープはお酒にもあう味わい
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甘辛いスープを吸った麺は間違いなし!「シメにはラーメンが合います。お酒と一緒にワイワイ囲んでもいいですね」。

◆教えてくれたのは:『ハヌリ』総料理長・イ・チャンヒョンさん

黒い服を着た男性
『ハヌリ』総料理長のイ・チャンヒョンさん
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「本場の味が食べられる」と韓国政府お墨付きの韓国料理店。本格メニューがリーズナブルに楽しめ、人気ドラマ『孤独のグルメ』でも紹介された。「ハヌリ 新宿3丁目店」東京都新宿区新宿3-20-8 WaMall 3F

※店のレシピは家庭用にアレンジしたもので、提供される料理とは異なります。

取材・文/勅使河原桜 撮影/玉井幹郎

※女性セブン2024年8月22・29日号

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