美白ケアアイテムが逆効果になることも
シミやそばかすができないようにと、紫外線を浴びた後こそつい使いたくなるのが美白ケアアイテムだが、これが逆効果になることも。
「美白ケアアイテムにはビタミンCなどの有効成分が配合されていて、日焼け後の肌には刺激になりやすい。特に赤みが出ていて炎症が起きているのが目に見えてわかっていたり、肌がヒリヒリして過敏になっている場合は避けた方がいい。1~2日くらい経って、赤みや痛みがひいてからがいいでしょう」
ただしビタミンCには、メラニンの生成を抑えたりメラニン色素を薄くするなどの効果が期待されるため、取り入れることは重要だ。鶴田さんが言う。
「ビタミンを摂ることで肌の代謝がよくなったり、シミ反応を抑えてくれたり、肌を健康に保ってくれたりするので、美白ケアアイテムならサプリメントやドリンクなどで摂取するのがおすすめです。ビタミンCだけでなくビタミンAも紫外線ダメージを受けた肌には大切な成分です」
UVAは活性酸素を発生させるので、日焼けすると細胞が酸化して肌の老化や病気のリスクが上がる。水井さんはビタミンには抗酸化作用もあると続ける。
「ビタミンB2は新陳代謝やターンオーバーの役割を担っているし、ビタミンB6は新しい皮膚を産生する成分になる。
ビタミンCやEなどが含まれる、たとえばトマトなど抗酸化力が高い食べ物も意識的に摂りましょう。サプリメントではなく、食品からでも効果は得られるので、パプリカなどもおすすめです」
化粧水は浸透させない
ここまで見てきたように、紫外線を浴びて傷ついた肌は、とにかく刺激を避けることが肝要だ。
「化粧水など、たっぷり肌に浸透させて保湿させたいからと、コットンや手で念入りにパッティングしたり、揉み込むように顔のマッサージをする人もいますが、日焼け後はやめた方がいい。
肌のバリア機能が弱っているので、肌の表面に傷をつけて水分が蒸発してしまうことになりかねません」(鶴田さん・以下同)
赤みや痛みがおさまってきたら、徐々にいつも通りのケアに戻していくようにしよう。肌悩みに合った化粧水や美容液も、炎症がひいてからがいい。
「たとえば、乾燥やくすみなどの肌不調を予防するためにはセラミドやヒアルロン酸、コラーゲンが配合されたもの、シミや色素沈着を予防したいならビタミンC誘導体やナイアシンアミドといったように、自分の肌に必要な成分を選び、炎症がおさまった後に使ってください」
紫外線を浴びた後に“もっともやってはいけないこと”
水井さんも言う。
「肌の状態や様子は人それぞれなので、日焼けしてしまってもパックや美容液をして大丈夫な人もいるでしょう。でも基本的には、日焼け後のケアはシンプルがいちばんです」
ダメージを悪化させないために知っておくべきNGポイントを押さえ、正しいケアで迅速に修復することが、アンチエイジングにもつながる。“もっともやってはいけないこと”は、紫外線を浴びた後にあわててケアすることだ。
「日焼けしてしまってからのケアはとても大変。常に日焼け止めを塗ったり、普段の食事でビタミンをたっぷり摂ったり、フォトセラピーやフォトフェイシャルなどの美容医療を定期的に受けるなど、日常でのケアを欠かしてはいけません。
ダメージを負った肌は“守りのケア”しかできないのですが、普段の生活なら“攻めのケア”としていろいろなことができる。常日頃、紫外線対策をしておくことが、日焼け予防、光老化予防につながります」(鶴田さん)
どれだけ気をつけていても、ついうっかり日焼けをしてしまうことは避けられない。正しいケアさえ知っていれば、あなたの肌の老化は食い止められる。
※女性セブン2024年9月12日号