年齢を重ねるほど食と健康、食と美容には密接な関係があると実感するもの。中でも朝食は、1日の活力を左右します。そこで、70代になってもますます輝く女優・秋吉久美子さん(70才)に、日々本当に食べている朝食メニューを再現してもらいました。イキイキとした美しさの秘密を、朝食から解き明かします。
野菜が主役の朝食で夜の会食も気兼ねなく楽しめます
起きたらまず水で割った酵素ジュースを1杯。その後はコーヒーを飲みながら本を読み、10時頃に朝昼兼用のブランチを摂るという秋吉さん。
「仕事柄、夜は会食が多いので、その時間を思い切り楽しむためにも、朝食は健康と栄養を重視。とはいえ、簡単じゃないと続かないので、具材を切って加熱するだけで野菜とたんぱく質がしっかり摂れる今回のメニューはよく作ります」(秋吉さん・以下同)
手際よく料理を作りながら栄養の“豆知識”も次々披露。
「身体を活性化させる酵素は皮や種に最も含まれているそうなので、野菜や果物は丸ごと食べるようにしています」
「いろいろ野菜の蒸しもの」のレシピ
ほったらかしで完成!素材の味を楽しむシンプル料理。
「野菜は冷蔵庫にあるもので。かぼちゃやじゃがいもを入れてもおいしいですよ。食べ切れなかったら、しょうゆ、みりん、酢で味付けして片栗粉でとろみをつければ、夜のメインおかずにも」
ご飯は白米に玄米や十穀米などを1:1の割合で加えたものをその日の気分で組み合わせる。
《作り方》(2人分)
【1】にんじん1/2本、かぶ1個は5mm程度の輪切りにする。しいたけ2個は石突きを取り、飾り包丁をする。エリンギ2本は薄切りにする。キャベツ1枚は3~4cm角に切る。ほうれん草3株は半分の長さに切る。
【2】鍋に水適量を注いでクッキングシートを敷いた万能蒸し器をのせる。根菜、キャベツ、豚ロース薄切り肉50g、きのこ、ほうれん草の順に重ね、ふたをして強火で熱する。湯気が出たら中火にしてさらに5〜7分蒸して火を止め、1〜2分おく。
【3】【2】を器に盛り、ポン酢やかきじょうゆ、好みで七味唐辛子をつけて食べる。
調味料はその日の気分で
シンプルな料理なので、どんな調味料にも合わせやすい。
「ポン酢やかきじょうゆなどをその日の気分でチョイス。七味唐辛子でアクセントをつけても」
根菜の皮はむかず硬いものから重ねていく
「にんじんとかぶは皮付きのままスライス。旨みが下の具材に染みるので、きのこは上の方に。最後にほうれん草でふたをしたら7分蒸して火を止め、2分おいたら完成」
「スペイン風オムレツ」のレシピ
卵は混ぜすぎず微妙な食感の違いを味わう。
合わせるのは、体にうれしいゴーヤートーストやライ麦パン。冷蔵庫に切らさないというキウイは、朝食はもちろん、おやつ代わりにも食べている。
《作り方》(2人分)
【1】トマト1個は1cm、ピーマン2個は5mm程度の輪切りにする。玉ねぎ1/2個は半月切り、薄切りベーコン3枚は半分の長さに、ほうれん草3株は1/3長さに切る。
【2】ボウルに卵3個を軽く溶き、鶏がらスープの素(顆粒)小さじ1を加えて混ぜる。
【3】フライパンにオリーブオイル大さじ2を熱し、トマト、玉ねぎ、ピーマン、ベーコン、ほうれん草の順に重ね、塩・こしょう各適量を振り、5分ほど焼く。【2】を回し入れ、弱めの中火にしてふたをし、3分蒸し焼きにする。皿に盛り、ケチャップ・チリソース各適量を混ぜ合わせたものをかける。
卵は“ざっくり溶き”が好み
白身と黄身を混ぜすぎず、食感を残すのがこだわり。
「白身がふんわり固まってきたら、食べごろです」
トマトから重ねて甘みを引き出す
「加熱すると甘みとコクが増すトマトは一番下に。ピーマンは種ごと薄切りにします」
さらに、ベーコン、ほうれん草と重ねていく。
「みそゴーヤートースト」のレシピ
香ばしいみそと生ゴーヤーの新鮮コラボ。
「残暑の厳しいいまの時期は、ケチャップとチリソースを混ぜたピリ辛ソースがおいしい」
生のゴーヤーをパンに合わせるという斬新なトーストは、沖縄に住んでいたときによく食べていたというオリジナルメニュー。蒸し暑かった撮影日は、即興で梅干しも加えた。
「暑さに負けないよう考案した料理。料理は大体思いつき。何か降りてくるときがあるんです(笑い)。ボリュームがあるので、半分に切ってサンドにすると食べやすいですよ」
《作り方》(1人分)
【1】ゴーヤー1/3本は縦半分に切り、わたを取り除いた部分に塩少量をすりこんで薄切りにする。梅干し1個は種を除いて細かく叩き、ゴーヤーと和える。
【2】食パン(8枚切り)1枚にみそ大さじ1を薄く塗り、トースターで焦げ目がつくまで3~4分焼く。バター大さじ1/2を塗り、【1】をのせる。
ゴーヤーは塩をすりこむと苦みがやわらぐ
「ゴーヤーの苦みが苦手な人は、わたを除いた部分に塩をすりこむと、食べやすくなりますよ」
バターで焦がしみその風味をアップ
「焦げ目をつけるために、みそは薄~く塗るのが鉄則。香ばしい風味がバターに合う!!」
◆教えてくれたのは:女優・秋吉久美子さん
1972年のデビュー以来多くの作品に出演し、受賞歴も多数。55才で早稲田大学大学院を卒業。出身地の『いわき応援大使』も務める。9月29日には朗読劇『庭の見える部屋と四つの物語』に出演予定。https://ameblo.jp/akiyoshikumiko/
撮影/玉井幹郎 調理補助・スタイリング/井上和子、大林久利子 取材・文/勅使河原桜
※女性セブン2024年9月26日・10月3日号