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大河ドラマ『光る君へ』の世界観を満喫!「平安時代にタイムスリップしたかのよう」京都・奈良の秋スポットを厳選

星のや京都では、源氏物語第7帖「紅葉賀」の一場面を再現した催しも実施
星のや京都では、源氏物語第7帖「紅葉賀」の一場面を再現した催しも実施
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現在放送中のNHK大河ドラマ『光る君へ』。源氏物語の作者として知られる紫式部(ドラマでは吉高由里子さん)の生涯を歴史背景や藤原道長との関係を通じて描く同作は、女性ファンも多く人気です。今回はドラマに描かれる平安時代の世界観を満喫できるスポットを、秋の見どころを踏まえて旅行ジャーナリストの村田和子さんが紹介する。

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ドラマがスタートした今年1月から、筆者も欠かさず見ている『光る君へ』。吉高さんが演じる主人公・まひろ(紫式部)が、いよいよ宮中へ仕えるようになり、華やかな平安貴族の生活や、平安時代の信仰・行事などを垣間見る機会も多くなってきました。今回はそんなドラマの舞台である平安時代を体感できるスポットを紹介。秋限定の楽しみもあるので、お見逃しなく。

平安貴族が別荘を構えた地で、源氏物語の優雅な世界を体感

京都・嵐山一帯は、平安貴族が別荘を構えた地。嵐山といえば、昨今はインバウンドの旅行者で賑わうイメージがありますが、今回の舞台「星のや京都」は、渡月橋近くから船で大堰川をさかのぼった山の中。静寂に包まれた地に佇み、施設一帯の紅葉を心ゆくまでのんびりと楽しめます。

チェックインは舟で優雅に(星のや京都)
チェックインは船で優雅に(星のや京都)
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客室からも紅葉を堪能できる(星のや京都)
客室からも紅葉を堪能できる(星のや京都)
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2024年は11月29日~12月1日までの3日間、宿泊者向けに「星のや紅葉賀(もみじのが)」を開催(要予約・無料)。星のや京都の「奥の庭」を舞台に、樹齢400年のオオモミジの下、源氏物語第7帖「紅葉賀」で光源氏が舞ったとされる「青海波(せいがいは)」が披露されます。筆者も昨年鑑賞をする機会を得ましたが、雅楽の音色に合わせ、美しい装束に身を包み舞が披露される様子は、平安時代へタイムスリップしたかのよう。没入感が半端なく、優雅な世界に魅了されます。

青海波は、舞の中で最も優美華麗であるといわれているとか。今年は公演前に源氏物語「紅葉賀」の語りに触れる機会も設けられるそう
青海波は、舞の中で最も優美華麗であるといわれているとか。今年は公演前に源氏物語「紅葉賀」の語りに触れる機会も設けられるそう(星のや京都)
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星のや京都の対岸には、小倉百人一首が編纂されたともいわれる小倉山がそびえます。昼は紅葉、日が落ち小倉山を借景に月が昇る様は、平安時代からかわらないだろう幽玄な世界が広がります。

小倉山を望むのにぴったりな空中茶室(星のや京都)
小倉山を望むのにぴったりな空中茶室(星のや京都)
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また、源氏物語など美しい絵が描かれたハマグリの片割れを探す「奥嵐山の源氏絵貝覆い」など、平安貴族が楽しんだ雅な遊びを体験できるアクティビティも。人気の宿なので予約はお早めに。

貝合わせ。同じつがいの貝には同じ場面が描かれている
奥嵐山の源氏絵貝覆い。同じつがいの貝には同じ場面が描かれている
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貝合わせの遊び方を習い、いざ挑戦!シンプルながら意外と難しい(星のや京都)
奥嵐山の源氏絵貝覆いの遊び方を習い、いざ挑戦!シンプルながら意外と難しい(星のや京都)
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■星のや京都 https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/hoshinoyakyoto/

陰陽師「安倍晴明」ゆかりの京都・奈良のスポット

ドラマでも幾度となく出てくる陰陽師の祈祷の場面。京都市上京区には、一条天皇の命により、安倍晴明の遺業を讃えて屋敷跡に社殿を建立したのが起源という「晴明神社」があります。鳥居をはじめ、境内の至るところに社紋の晴明桔梗(五芒星)がみられ、ご利益は、魔除け、厄除けです。

また、安倍晴明が生まれ、修行をし、天文学などを極めたのは、奈良県にある645年創建の「安倍文殊院」。1300年以上続く祈祷寺には、晴明が天文学を極めた「安倍晴明公 天文観測の地」なども残されています。

安倍文珠院の金閣浮御堂
安倍文珠院の金閣浮御堂
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文殊池に浮かぶ金閣浮御堂は陰陽道に関する宝物をお祀りし、「7まいり」という魔除け祈願の場にもなっています。

7まいりで利用するお札にも五芒星 桔梗印が
7まいりで利用するお札にも五芒星 桔梗印が
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快慶作の国宝「渡海文殊群像(とかいもんじゅぐんぞう)」
快慶作の国宝「渡海文殊群像(とかいもんじゅぐんぞう)」
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安倍文殊院のご本尊は快慶作の国宝で、文殊菩薩が獅子に乗る「渡海文殊群像(とかいもんじゅぐんぞう)」。この秋は免振工事のために、文殊菩薩が獅子から降りた特別なお姿を参拝できます。貴重な機会は2025年5月まで。

獅子から降りた文殊菩薩様。お姿を間近に参拝できる貴重な機会
獅子から降りた文殊菩薩様。お姿を間近に参拝できる貴重な機会
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平安貴族の間でブームだった初瀬詣の地「奈良県長谷寺」

源氏物語の第22帖「玉鬘」でも描かれ、作者の紫式部も詣でたといわれる初瀬詣。奈良県桜井市にある「長谷寺」への参詣のことで、初瀬とは長谷寺がある初瀬山が語源だといいます。信仰の聖地としてはもちろん、四季折々の景色を楽しめる初瀬詣は、平安貴族の間でブームとなり、様々な書物にその様子が描かれています。

奈良・長谷寺は紅葉も人気
奈良・長谷寺は紅葉も人気
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ボタンや紫陽花など花の御寺(みてら)として有名ですが、実は奈良県内では紅葉の名所としても知られた存在の長谷寺。秋には山一面が燃えるような赤に染まり、399段の石段が続く「登廊(のぼりろう)」から眺めるもよし、長谷寺本堂“礼堂”の磨かれた床に赤モミジが写り込む様も美しいと人気です。

長谷寺本堂“礼堂”。紅葉の時期は特に美しい
長谷寺本堂“礼堂”。紅葉の時期は特に美しい
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長谷寺「登廊(のぼりろう)」
長谷寺「登廊(のぼりろう)」
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秋季特別拝観は10月5日(土)~12月8日(日)で実施され、国宝である本堂に入り、身の丈10メートルのご本尊「十一面観音菩薩像」の足に直接触れる貴重な体験ができます。

長谷寺ご本尊「十一面観音菩薩像」。秋季特別拝観では直接足に触れることができる
長谷寺ご本尊「十一面観音菩薩像」。秋季特別拝観では直接足に触れることができる
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京都から歩いて向かった!? 御嶽詣の舞台「奈良県金峯山寺」

春は一目千本の桜の名所である奈良県吉野にある「金峯山寺」は、国宝の本堂「蔵王堂」など世界遺産に登録がされている修験道(山伏)のお寺です。山々に分け入り、深山幽谷に身を置いて修行することを尊ぶ修験道の根本道場とされています。

金峯山寺本堂は国宝であり世界遺産に登録されている(奈良県・吉野)
金峯山寺本堂は国宝であり世界遺産に登録されている(奈良県・吉野)
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そんな金峯山寺が藤原道長の御嶽詣(みたけもうで)の場面でドラマに出てきて、筆者はびっくり!なぜかといえば、今でも電車でそれなりのアクセス時間がかかる山間の地にある金峯山寺。京都から歩いて向かうのは相当な困難があり時間もかかるだろうことは容易に想像できます。しかも道長は、金峯山寺のある場所から、まだ奥へと赴き写経を奉納したといいます。

並々ならぬ覚悟や思いがあってこその御嶽詣(みたけもうで)だったのだろうと当時が偲ばれます。

朝もやに包まれる金峯山寺(奈良県・吉野)
朝もやに包まれる金峯山寺(奈良県・吉野)
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金峯山寺のある吉野は春の桜はもちろんですが、紅葉も美しく人気のスポット。今年は世界遺産に登録されて20周年を迎える節目の年とあって、10月12日~12月1日までは、世界遺産で国宝の「金峯山寺本堂・蔵王堂」の秘仏ご本尊金剛蔵王大権現3体の特別ご開帳が実施されます。大迫力のご本尊を拝める貴重な機会、ぜひ訪れてみては?

朝もやに包まれる中、本堂で厳かに執り行われる朝のお勤めには、誰でも参加ができます。ほら貝の音色が山間に響き渡る祈りの時間は、一度は体験したい荘厳な光景です。

宿泊して、朝のお勤めに参加するのもおすすめ
宿泊して、朝のお勤めに参加するのもおすすめ
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いかがでしたか? 京都・奈良はもちろん、源氏物語を執筆するきっかけになったといわれる滋賀県の石山寺、越前の国府となった父に伴い滞在した福井県には、紫式部公園や紫ゆかりの館などもあります。平安時代の女性としては、かなり広い地域に足跡があることに改めて驚きます。ぜひドラマの場面、あるいは源氏物語の一幕に思いをはせながら、ゆかりの地を巡る秋旅を楽しんでみてはいかが?

◆教えてくれたのは:旅行ジャーナリスト・村田和子さん

村田和子さん
旅行ジャーナリスト・村田和子さん
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旅行ジャーナリスト。「旅を通じて人・地域・社会が元気になる」をモットーに、旅の魅力を媒体で発信。宿のアドバイザー・講演なども行う。子どもと47都道府県を踏破した経験から「旅育メソッド(R)」を提唱、著書に「旅育BOOK~家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ(日本実業出版社・2018)」。現在は50歳を迎え、子どもも大学生となり、人生100年時代を楽しむ旅を研究中。資格に総合旅行業務取扱管理者、1級販売士、クルーズアドバイザーなど。2016年より7年間、NHKラジオ『Nらじ』月一レギュラーを務めた。トラベルナレッジ代表(https://www.travel-k.com/)。旅ブログも行っている(http://www.murata-kazuko.com/)

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