健康・医療

ひつじ数えNG!口にテープ、玉ねぎを枕元…眠活達人の快眠術

「いざ眠ろうとしても肌にまとわりつくような暑さがウンザリ。昨夜も布団に入ってから2時間も眠れなかった」「寝不足の上、日中の暑さで体力を奪われて食欲もない」──。連日の厳しい熱帯夜で日本中から悲鳴の声が聴こえてくる。

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快眠を手に入れるには、自律神経の疲労をとる対策を(写真/アフロ)
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「夏の間は眠り方を考えなければいけません」と話すのは、東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身先生だ。

「本来、睡眠は自律神経の疲労を回復させる時間。自律神経とは体温、呼吸、心拍などの調節を司る脳の司令塔です。夏は発汗調節などで自律神経にかかる負担が大きく、その状態は安眠の妨げになる。例えばエアコンを消して寝汗をかくような睡眠をしていては、眠っているにもかかわらず自律神経は運動時と同じ状態となってしまう」

つまり夏の快眠を手に入れるには、自律神経に負担をかけないようにすることが必要となる。

夜の熱中症に気をつけろ!

対策として真っ先に思い浮かぶのはエアコンだ。「タイマーで2、3時間後にエアコンが切れる設定にしている人は要注意」と睡眠コンサルタントの友野なおさんが警告する。

「かつては有効だったタイマー設定ですが、ここ数年は、ヒートアイランド現象(アスファルトやコンクリートの影響で都市部の気温が上昇すること)の影響で、外気が下がっても昼間の熱が壁や天井や床にとどまっている。室内の温度は下がらないどころか上がり続けるので、深夜3時くらいに冷房が切れると危険。これが今、注目を浴びている“夜の熱中症”です」

そのため、クーラーは一晩中つけっぱなしにするのが新常識だという。

「適正温度は27℃くらい。28℃を超えると寝苦しくなることは研究でも明らかになっています」(友野さん)

扇風機をエアコンと一緒に使用すると効果的だという。

「扇風機を天井に向けたり、エアコンの送風口に向けたりしてください。そうすることで部屋全体に風が行きわたります。体に直接当てるのではなく、空気を循環させ、室温の偏りを防ぐ」(友野さん)

夏は寝ている間にコップ1杯分の汗をかくといわれる。着用するものにも気をつけたい。

「汗を吸水し、放散してくれる夏専用のパジャマを着用することがおすすめ。毎日洗って、湿気がないものを着用しましょう」(友野さん)

鶏胸肉のイミダペプチド、トマトのギャバ

食事も夏の快眠の鍵を握る。

「朝は、昼の元気と夜の快眠をサポートするトリプトファン、ビタミンB6、炭水化物が含まれるバナナを食べてください」(友野さん)

梶本先生は、自律神経の疲労回復、夏バテ防止に鶏の胸肉をすすめる。

「イミダペプチドという成分が多く含まれており、毎日食べる習慣をつけると、自律神経の負担が軽くなり、質のいい睡眠が期待できます」

飲み物にも注意したい。

「寝酒や冷たいものは避けたい。常温の水やトマトジュースがいいでしょう。トマトのギャバという成分が興奮を抑制し、リコピンが昼間の紫外線ダメージを緩和してくれます」(友野さん)

快眠を得るには、お風呂は夏場でも全身浴がいいという。

「20分ほどお湯に浸かり、首、手首、足首をしっかり温めてください。ただ、お湯が熱すぎると、激しい運動をした時のように自律神経が活動状態になってしまうので、お湯の温度は38℃から40℃を目安にしてください」(友野さん)

【快眠の達人に教わる”眠活”術は、次のページで!】

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