意外と知らない女性のための薄毛講座Q&A
最新の植毛事情を知る前に知っておきたい基礎知識。男性と女性では、薄毛の原因や髪の抜け方に違いがある。そこで、女性の薄毛事情から自毛植毛の方法までを解説!
Q.女性の薄毛の原因は?
A.女性ホルモンの分泌量が減少してしまうため
女性ホルモンのひとつ、エストロゲンは、40代半ばから分泌量が減少し、閉経するとほぼゼロになる。
「エストロゲンは毛髪の成長や健康に不可欠なホルモン。これが減少すると、毛髪の成長サイクルが短くなって育たず、抜けやすくなったり生えなくなったりして、薄毛となっていきます」(齋藤さん・以下同)。
こんなお悩みがある場合は薄毛に要注意!
□抜け毛が気になる
□毛髪のボリュームが減った
□ハリ・ツヤ・コシがなくなった
□分け目が広がってきた
□おでこの形が気になる・おでこが広い
□頭皮のにおいとオイリーさが気になる
□眉毛が薄い・眉毛がない
※「湘南AGAクリニック」ホームページを参考に編集部で作成。
女性の薄毛治療にはどんな方法があるの?
A.投薬治療が主流だが、選択肢が広がっている
「投薬治療が主流ですが、ほかにも、ウイッグ、増毛施術、植毛手術、幹細胞を注入する再生医療などの方法があります。男性はおでこや頭頂部の毛髪が抜けやすく、女性はまんべんなく薄毛になる“びまん性脱毛症“が多いのですが、これによく効く内服薬もあります。まずは投薬治療を行い、その上で複合的な治療の検討を」
Q.育毛、発毛、増毛、植毛の違いは?
A.毛髪へのアプローチの仕方が違う!
「育毛は、いまある毛を太く長く育てること。発毛は、髪が抜けおちたところから再度生えてくるように働きかけること。増毛は、いまある髪の毛に人毛や人工毛を取りつけて増やすこと。植毛は、自分の毛を頭皮に植えること。植毛のみが外科手術を行う医療行為です。薄毛対策という目的は同じですが、髪へのアプローチの仕方が異なります」
Q.人工毛植毛と自毛植毛の違いは?
A.人工毛はかつての方法で、いまは世界的に禁止の傾向に
「人工毛植毛とは、ナイロンやポリエステルなど人工的に作られた髪の毛を植える方法で、定期的にメンテナンスが必要なうえ、数年で抜けてしまいます。数の制限なく植えられるものの、拒絶反応や頭皮の炎症、感染症などのリスクがあり、いまは世界的に人工毛植毛の手術が禁止されています。自毛植毛の方が、安全で仕上がりも断然きれいです」
Q.けがややけどで毛穴がないが…
A.植毛では毛穴から作る!
「植毛では新たな毛穴をあけ、髪を作る組織ごと移植するので、毛穴がない部位にも植えられます。血流が悪いと通常より定着率が低くなるので、数回に分けて移植します」
Q.自毛植毛のお値段は?
A.1株700~1000円×植えた本数
「植毛する毛は、毛根を包む“毛包“と呼ばれる組織ごと採取します。この毛包を“グラフト“または“株“と呼び、何株植えるかにより価格が変わります」
Q.腕が確かな植毛クリニックを選ぶ際のポイントは?
A.専門医の資格、使用する植毛方法、過去の症例などを確認すること
採取した毛髪はすぐに植えないと、細胞が死んで生着しなくなるため、採取~植毛までの手術を1日で済ませる必要がある。緻密な作業な上、スピードも必要で、医師には高い技術力が求められる。「クリニックを選ぶ際は、専門医の資格、使用する植毛方法、過去の症例数、サポート体制のチェックが大切です」。医師との相談を繰り返し、慎重に選ぼう。
取材・文/鳥居優美
※女性セブン2024年12月12日号