異物誤飲は飼い主さんが可能性を下げられる
猫の腸閉塞を予防する方法はあるのだろうか。
「異物誤飲に関しては、猫が誤飲しそうなものを猫の行動範囲に置かないことが一番です。特に、ひも状のものは猫が誤飲しやすく、誤飲した場合にはひもが腸に引っかかったりして深刻な事態になりやすいので、十分に注意すべきだと思います」
それでも誤飲が起きた場合、食べてしまったのがどのようなもので、いつ頃のことか、分かる限りの情報を獣医師に伝えると、診断や治療を早く進められる可能性がある。
「なお、ひも状の異物を飲み込んでしまって、口や肛門からその端が見えていたとしても、そのまま病院へ連れて行ってください。無理に引っ張ると消化管粘膜などを傷つける可能性が高く、とても危険です」
腫瘍が原因の腸閉塞の場合、予防法として確立されたものはない
一方で、腫瘍が原因の腸閉塞の場合、予防法として確立されたものはないという。
「腫瘍は発症の原因が解明されていないため、どうすれば予防できるのかも残念ながら分かっていないんです。定期的な健康診断を欠かさず、早期発見に努めるしかありません。健診は、理想は年に2回以上、最低でも年1回は受けさせてあげてください」
◆教えてくれたのは:獣医師・鳥海早紀さん
獣医師。山口大学卒業(獣医解剖学研究室)。一般診療で経験を積み、院長も経験。現在は獣医麻酔科担当としてアニコムグループの動物病院で手術麻酔を担当している。
取材・文/赤坂麻実