友人は家族とは違い、関係を続けるのも、遠ざけるのも自由で「個人の判断」で構築される存在だ。だからこそ何十年も続く関係はとても大切で、大事にしたい。森尾由美（58才）が“不作の83年組”を呼ばれたアイドル仲間との遅咲きの友情について語った。
つながりがつながりを生んで集まるようになった
かつて「不作の83年組」と呼ばれたアイドルたちをご存じだろうか。
中森明菜（59才）や小泉今日子（58才）、早見優（58才）ら「花の82年組」と、菊池桃子（56才）や荻野目洋子（55才）など麗しい84年組に挟まれた83年組。いま彼女たちは「お神セブン」として光り輝いている。
「私たちは10代で売れず、20代からの方向性にすごく悩んだ同期です。当時売れなかったからこそ、優しい気持ちになれて、いまではお互いを応援できる関係なんです」
そう語るのは「お神セブン」の森尾由美。メンバーには大沢逸美（58才）、桑田靖子（57才）、小林千絵（61才）、徳丸純子（58才）、木元ゆうこ（57才）、松本明子（58才）がいる。
新人時代は同じ楽屋でほぼ毎日顔を合わせていたが、ライバル意識が強くプライベートでの交流はなかった。年齢を重ねるにつれてドラマや舞台、歌手、バラエティー、活動休止など行く手が分かれた彼女たちが再会したのは2013年。40代半ばになった頃だった。
「『ヒルナンデス！』（日本テレビ系）で共演した、いっちゃん（大沢）から電話番号を書いた紙をサッと渡されるという、1980年代のアイドルの男女のような連絡先の交換をしました（笑い）。彼女は同期のなかでもプロ意識が高くリーダー的存在だったからうれしくて、すぐ連絡したらつながりがつながりを生んで、同期の7人で集まるようになりました」（森尾・以下同）
40代になって昔の出来事や当時の本音で大盛り上がり
何十年かぶりに再集結すると一気に距離が縮まった。
「仕事やプライベートが落ち着いた年代だけに、昔の出来事や本当に思っていたことを笑って話すことができました。ただ楽しいだけの人だと思っていた千絵ちゃん（小林）が実はいろんなことを考えていて頼りになることもわかった（笑い）。芸能活動を休んでいた靖子（桑田）や純子（徳丸）も再会を機に“またやりたい”となって７人でのイベントにつながりました」
すぐに意気投合した7人は「お神セブン」として、デビュー35周年イベントに向けた話し合いをスタート。アイディアを出し合い、手弁当で準備を進めた。
「話し合いが煮詰まったとき突破口を開いたのはアッコ（松本）。『進め！電波少年』（日本テレビ系）のように、銀座の博品館劇場に電話して“松本明子と申します。いつ空いていますか？”とアポなし突撃（笑い）。会場を押さえたら、もうやるしかないってみんなお尻に火が付きました」
2018年11月にデビュー35周年イベントを開催し、2023年9月には40周年イベントを敢行した。
いまのリアルな悩みを吐き出せるのが強み
不遇の時間をともに過ごし、長い空白期間を経て再び巡り会った同期だけに、いま抱えるリアルな悩みについても率直に相談し合えるのが彼女たちの強みだ。
「再会してから聞きましたが、いっちゃんは若いときにお父様を亡くし、30代でお母様の介護もして仕事との両立がすごく大変だったそうです。彼女は地方のロケから呼び戻されたこともあるほど献身的に介護して見送ったのに“もっと優しくすればよかった”といまでも言うんです。そんな話もいまならできるし、私の親の介護についてアドバイスもしてくれます。
ほかのメンバーとも心を繕うことなく、何も恥ずかしがることなく話します。アッコは“お姑さんの下着をはいている”と平気で言うし（笑い）、舞台をがんばるゆうこ（木元）が“この年でオーディションに行くなんて恥ずかしい”とつぶやくと、“そんな経験できないんだからすごいよ”とみんなで励ましています」
40年前は黒電話の連絡網だったが、いまはグループLINEで24時間つながる。これからも「不作の83年組」の結束はますます強まりそうだ。
「グループLINEでは他愛もないことでしょっちゅう連絡しています。数日前も“みんなで同じ老人ホームに入ろうね”って盛り上がりました。“うるさそう～”ってね（笑い）」
◆俳優・タレント：森尾由美
1966年、埼玉県生まれ。1982年ドラマ『ねらわれた学園』（フジテレビ系）でデビューし、翌年に『お・ね・が・い』で歌手デビュー。現在は『はやく起きた朝は…』（フジテレビ系）に出演中。12月11日には「はやく起きた朝は…ファン感謝デー2025 新春スペシャル公開収録」開催予定。
※女性セブン2024年12月19日号