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“鉄旅”を愛する67歳オバ記者、『大人の休日倶楽部パス』を使って青森へ 「寿司屋や海鮮居酒屋には行かない」理由

バス旅から今度は鉄旅へ
鉄旅へ出発!
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ライター歴45年を迎えたオバ記者こと野原広子(67歳)。鉄旅をこよなく愛する“乗り鉄”だが、今回も乗り放題チケットを駆使して青森へ出発! さて今回はどんな旅になったのか?

* * *

「旅の極意を話して」とインタビュー取材

忘年会、していますか? 私は2年前の婦人科系の大手術以来、めっきり誘われなくなったの。ま、ほぼ禁酒状態だから「飲も飲も」という感じじゃないんだけどね。今年は某印刷会社の鉄道の会から11月半ばにお誘いを受けたんだわ。この会の幹事とひょんなところで出会って、それから15年くらいつき合いが続いているの。

オバ記者
2年前卵巣がんの疑いで手術を受けてオバ記者
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鉄道の会といってもただ大好きな鉄道の話をしたりとっておきの写真を見せあったりしながら飲食するだけなんだけどね。風来坊の私からしたらひとつの会社に勤めてひとつの趣味に没頭している手堅い鉄ちゃんがまぶしいったらないんだわ。

その翌日は『毎日が発見』という雑誌からインタビューを受けた。「女性読者にオバ記者流、旅の極意を話して」ということだけど、もう話す前から楽しいわよ。実は私、女性の鉄道ひとり旅の推進活動をしていまして(笑)、「女たちよ。家事を捨てて旅に出よう」とか「命短し、旅せよ乙女」とかスローガンが浮かぶんだわ。

オバ記者
時にはバイク旅も(写真はヤフオクで3万5000円で買った愛車(原付バイク))
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『大人の休日倶楽部パス』、Web購入に悪戦苦闘

しかもそのインタビュー日は『大人の休日倶楽部パス』の利用期間の”初日”というタイミングなの。ご存知だと思うけど『大人の休日倶楽部パス』 はJR東日本がシニア向けに出している、1万8800円(えきねっとでの購入価格)で新幹線を含め5日間乗り放題できるチケットでね。年に3回発売している。

Webで購入できるんだけど、前回は自分ひとりではどうにもならずみどりの窓口の職員にペコペコして手続きをしてもらったの。その屈辱を思うと気が引けるんだよね。でもWebでの手続きから逃げたら私のシニア暮らしは広がらない、ような気がする。よし、再びチャレンジするか。

その一方で、いやいや、てかさ、アンタ、11月に『大人の休日倶楽部パス』で遊んでいるじゃない。それに尺取り虫みたいにちょっとずつしか進まない大仕事を抱えているじゃない。お財布事情も笑い事じゃ済まなくなっているじゃない。それを吹っ飛ばして乗り鉄? バカ言ってんじゃないよ!と、私が私を叱るんだわ。

この間はバス旅行を楽しんだオバ記者
この間はバス旅行を楽しんだオバ記者
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さあさ、どうする! 答えは二つにひとつ。こうなると、とうの昔に足を洗ったはずのギャンブラーの血が騒ぐんだよね。Webでの手続きが自力でできなかったら旅をあきらめる。申し込みができたらGO!と心に決めたわけ。いやもう、こうなったときの自分の集中力が恐ろしいわ。2時間、スマホの堂々巡りを克服して申し込みが完了したときは泣きそうになったもんね。

ペパーミント味の空気と津軽海峡雪景色

とはいえ、初日は午後からインタビューで、ひとり旅の極意を話し倒してハタと気づいた時は日はとっぷり暮れていた。夜の車窓を思うとテンションが上がらないんだよね。

ぐずぐずしているうちに「よし、明日からにしよう」と。そんなこんなで『大人の休日倶楽部パス』の利用期間の2日目に東京駅から10時45分発のはやぶさに乗車した私。もう、東北新幹線の速さといったらね。列車じゃない。ほとんど飛行機よ。その速さをたっぷり味わって約4時間。午後2時34分に青森に到着したんだけどさ。去年の同じ時期は人もまばらだったのに、今回はシニアでいっぱい。

青森は雪が積もっていた
青森は雪が積もっていた
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しかしなんたって冬旅で感動するのは駅から外に出た時なの。何がってペパーミント味の空気と津軽海峡雪景色よ。こればかりは来てみないとわからないって。

朝5時から駅前の市場で海産物をあれこれ買ってトンボ帰り

でね、夕飯は私みたいな旅の上級者(自称!)になると海鮮居酒屋や寿司屋には行きません。ホテルの近くの地元経営の小さなスーパーでお総菜を買ってホテルで食べる。青森の人が日頃食べているものが美味しくないわけがないもの。そして翌朝は、朝5時から営業している駅前の市場で海産物をあれこれ買って朝9時53分発の新幹線に乗ってトンボ帰り。

駅前の市場で海産物を物色中。どれもおいしそう!
駅前の市場で海産物を物色中。どれもおいしそう!
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何しに来たと言われそうだけど、関東のおばちゃんに雪の青森を歩き回るなんて無理だって。駅から出て雪道を歩き出したら、まぁ、オッカナイのなんの。67歳の現実を思い知らされたわよ。

4日目は夕方発の上越新幹線に乗って夕陽見物。長岡駅でトイレに入って滞在時間30分でUターン。最終日はライター仲間の青木まき子さんが移住した那須塩原でランチ&お茶&道の駅で野菜漁り。こうして私の今年最後の旅は終わったのでした。忘れ物もけがもなくてよかった。年を重ねるとそれがいちばんよね。

ライター・青木まき子さんと那須塩原でランチ
ライター・青木まき子さんと那須塩原でランチ
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◆ライター・オバ記者(野原広子)

オバ記者イラスト
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1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。

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