たくさん稼ぎたい、ちょっとした副収入がほしい──そんな願望を叶えてくれる副業。だけど、年を重ねると新しいことを始めるのが憂うつになるのも事実。そんな人は、とりあえず余っている時間と場所を使ってみては? 前編ではスキマ時間を活用できるスキマ副業を紹介した。後編では、主に「スキマスペース」を活用できる副業について紹介する。【前後編の後編。前編から読む】
ガレージを貸して月5万円の稼ぎ
スキマ時間ではなく、「スキマスペース」を使って楽に稼げる副業もある。全日本趣味起業協会代表理事の戸田充広さんが騙る。
「家が住宅街やオフィス街の近くなら、軒下をキッチンカーなどにスペース貸しして、稼ぐことができます。壁に“100m先〇〇耳鼻科医院”といった看板を設置するウォールシェア(壁貸し)は、町の看板店などに相談すれば広告主を探してくれます。金額は高くないようですが、ただ壁を貸すだけなので楽ですよ」
車を使わなくなって空いている自宅の駐車場も、そのままにしておくのはもったいない。
ファイナンシャルプランナーの資格を持ち、副業にも詳しい芸人・フルマユコさんは「『akippa』というアプリに登録しておけば、借り主を探してくれます」と話す。
「イベントやコンサート会場のそばなら来場者の需要が高いし、学校の近くなら行事のために車で来た親が借りてくれます。トラブルへの対応や保険料も登録者の負担なしでできるので安心。“土日だけ”“平日の昼間だけ”と細かい設定もできます」(フルさん)
駐車場をほかの目的に転用して稼ぐ方法もある。福岡県在住のCさん(65才)は、子供が独立して使わなくなった3台分のガレージを時間貸ししている。
「孫がバンドの練習に使うようになったのがきっかけでした。シャッターを閉めれば音は気にならないし、周りは畑だから苦情の心配もありません。音楽関係のほか、ダンスやお芝居の稽古のために利用してくれる人もいます。1時間1000円で貸し出して、月4万~5万円になりますね」
空き家を宅配ドライバーの休憩所に
子供が独立して空き部屋があるなら、その一室だけをトランクルームとして貸すのもいいだろう。
「実はシニア層からの需要があるんです。実際、知人の70代の母親は戸建てを売ってワンルームに引っ越しましたが、荷物が多くて入りきらず、トランクルームを借りています」(フルさん)
例えば物置シェアサービス「モノオク」では、1畳あたり月6000円程度(東京都の場合)が相場。
オーバー50となれば、親が不在になって実家が空き家になるケースも多い。千葉県在住のDさん(58才)の両親は食堂を営んでいたが、3年前に店を畳んでふたり揃って老人ホームに入居。建物は放置したままだったが、いまでは思わぬ収入源になっているという。
「近くにある宅配業者に相談し、ドライバーさんたちの休憩所として使ってもらうようにしました。テーブルもトイレも台所もあるし、エアコンもついているから、休憩所にはうってつけ。水道電気代込みで月8万円もらっています。元手なしの“あぶく銭”のようなものなので、サービスでお茶やお菓子なども置いています」
そう話すDさんはホクホク顔だ。
楽ちんで、働いているという実感も少ないスキマ副業だが、もちろんうまい話には注意点も。節約アドバイザーの丸山晴美さんはこう語る。
「副業で20万円を超えた場合は、確定申告をしましょう。また、あくまでスキマを利用するからこそメリットがあるので、うまい話にのせられて損をするようなことがないようにしてください」
表も参考にして、あなたの生活に潤いをもたらす稼ぎ方を見つけよう。
※女性セブン2025年1月1日号