「痔」に効くトイレルールも
加えて、正しい生活習慣も心がけたい。
「痔」に効く究極の習慣ランキング
多くの支持を得て1位となったのは「適度な運動」だ。松島病院外来部門長で大腸肛門病専門医の松島小百合さんが言う。
「運動不足による筋力や血流の低下は便秘を招きます。また、体を動かさずに座っている時間が長いとその分おしりに体重がかかり、肛門まわりの血流が低下して、うっ滞を招きかねません。デスクワークのときも、こまめに立ち上がって歩いたり、軽い体操などを心がけてください」
2位につけたのは「規則正しい食生活」。
「痔の予防と改善のためには、快便を心がけること。毎日3食、バランスの取れた食事を充分に摂ることが、おしりの健康に大きく影響します」(松島さん)
続いて重要なのは3位の「毎日湯船につかる」など、体を温めること。排泄ケア専門看護師の西村かおるさんが解説する。
「冷えは肛門周辺の血流を悪化させてうっ血を招くだけでなく、腸の働きも低下させて便秘の要因になります。温めることで痔の痛みをやわらげることにもつながるでしょう」
「トイレは5分以内で済ませる」(4位)、「温水洗浄便座を使いすぎない」(5位)など、正しい排便習慣をつけることも重要だ。
「便意があるのにがまんを繰り返していると、便が詰まって出にくくなり、肛門の負担になります。反対に便意がないのに無理にいきみすぎたり、温水洗浄便座で肛門を刺激しすぎると痔を招くので、便意を覚えたらがまんせず、速やかにトイレに行きましょう」(西村さん)
5位は「食物繊維の摂取」。食物繊維はいずれも腸内細菌のえさになるが、便のかさを増して排便を促す不溶性食物繊維と、腸内で水分を吸ってジェル状になり、便を出しやすくする水溶性食物繊維の2種類があり、それらを2:1の割合で摂ることが理想的だ。
大切なのは、見て見ぬ振りをしないこと。取り返しのつかない事態になる前に、できることから取り入れてみてほしい。
※女性セブン2025年1月1日号