2024年に輝いていた韓国俳優から往年のスター俳優の現在を、韓国エンタメ通である韓国ドラマライター“御三家”の杉本真理さん、高橋尚子さん、渥美志保さんがトーク。3人が新旧四天王を発表し、それぞれの魅力を語り尽くす。
第一次韓流ブームの「韓流四天王」からさまざまな名前が「新四天王」に
杉本:2003年頃の第一次韓流ブームで、ぺ・ヨンジュン、チャン・ドンゴン、イ・ビョンホン、ウォンビンの4人を「韓流四天王」と呼ぶようになり、その後も時代ごとにさまざまな名前が「新四天王」として挙がってきました。
渥美:初代四天王の中では、イ・ビョンホンが大成功していますね。
高橋:ドラマでも映画でも認められ、ハリウッドでも成功。自分の事務所で実力派俳優を育成し、事業としても成功。演者としても賞を取り続けている…。本当にすごいことですよね。
渥美:韓国のトム・クルーズみたいな感じかな。
杉本:まさに!
渥美:ヨン様(ペ・ヨンジュン)も近年はビジネスマンとして敏腕振ってますね。彼は2011年のドラマ『ドリームハイ』のプロデューサーで、キム・スヒョンはヨン様が見つけ出したし。
高橋:チャン・ドンゴンは、2025年1月に映画『満ち足りた家族』の公開があるので楽しみ!
杉本:一方、初代四天王で国宝級イケメンと呼ばれたウォンビンは、2010年以降出演作がない。「来年出るかも」という噂が出ては消える“出る出る詐欺”の状態に。
渥美:そうなると、初代四天王の中ではイ・ビョンホンの活躍がやっぱりすごいな~。
高橋:その4人は当時ドラマや映画で成功を収めており、「四天王」の名にふさわしかった。じゃあ、現代の四天王は誰?と考えたとき、配信作が多いいまは、群雄割拠。ですので、ここでは2024 年に活躍した4人を挙げ「新四天王」としましょうか。
2024 年に活躍した「新四天王」を決定!
渥美:ドラマ『涙の女王』に出演したキム・スヒョンは絶対!
杉本:韓国国内の視聴率では、トップクラスのヒット作ばかりに出演。アジア諸国でも人気で、きっとギャラもいま韓国一高いはず。
高橋:日本では『涙の女王』でようやく人気が出ましたね。
渥美:韓国の人気では群を抜きすぎているので、キム・スヒョンは殿堂入りとして、ほかに4人挙げましょうか。
杉本:ドラマ『ソンジェ背負って走れ』のビョン・ウソクと、二階堂ふみさん主演のドラマ『Eye Love You』(TBS系)のチェ・ジョンヒョプは挙げておきたい!
高橋:ビョン・ウソクは韓国でいますごい人気ですね~。日本でも2024 年のU-NEXTの韓国ドラマ(※韓流・アジア 見放題部門
)でもっとも見られていたのが『ソンジェ背負って走れ』だったそう。彼らは若手ではありませんが、下積みが長く、やっと花開いた年。
渥美:チェ・ジョンヒョプ人気は、ペ・ヨンジュンが日本でブームになったときと似ていますよね。
高橋:そうそう、まるで初恋したときのドキドキ感に似ているんですよね。『Eye Love You』で初めて韓国人俳優を知った人が新しいファンとして、韓流にどんどんハマっていった印象です。
杉本:このドラマは、韓国ドラマの胸キュンポイントが全部詰め込まれた作品。ジョンヒョプがイケメンすぎず子犬のようなところも日本人女性の心を掴んだんですね。
渥美:もはやヒョプ様だね。韓国より日本での人気が高いから、韓国で『日本ではすごいんだってね』と言われている感じも、当時のヨン様人気と重なります。
高橋:そしてもう1名、新四天王として名前を挙げるならASTOROのチャウヌかな。
杉本:2024 年にずば抜けて目立った活動していましたっけ?
高橋:いいの、チャウヌはみんな大好きなんだから! 演技も実力をつけてきているし!
渥美:50代女性との愛憎を描くドラマ『ワンダフルワールド』の孤独なチャウヌはよかったな~。
杉本:優等生キャラだったイメージだけど、この作品では闇堕ちしているのがまたセクシー!
渥美:めっちゃ体鍛えていましたよね!? タンクトップ姿がたまりませんでした♡
高橋:2024 年の作品ではないけど『社内お見合い』のアン・ヒョソプも入れたいですね。’2022 年のドラマ『社内お見合い』で大ブレイクして以降、ロマンス俳優として活躍が続いています。それに、『徹子の部屋』(テレビ朝日系)にも出ていましたね。
渥美:キム・スヒョンもね(笑い)。
高橋:ここまで好き勝手言ってしまいましたが、私たちが2024 年に活躍した新四天王としたのは、チャウヌ、アン・ヒョソプ、チェ・ジョンヒョプ、ビョン・ウソクの4名と、別格で殿堂入りのキム・スヒョンとなりました。
杉本:2025 年はまた新しいスターが生まれるはず!
◆杉本真理さん
『秋の童話』で韓ドラ沼へ。『韓国TVドラマガイドONLINE』(双葉社)を中心に『韓国テレビドラマコレクション』(キネマ旬報社)など執筆・編集。
◆高橋尚子さん
第一次韓流ブームで、韓流沼に。韓流専門誌『韓国TVドラマガイド』を創設。現在は『韓国TVドラマガイドONLINE』などで執筆。
◆渥美志保さん
釜山映画祭に20年以上通い詰め、韓国の映画人たちに数多く取材。著書に『大人もハマる韓国ドラマ 推しの50本』(大槻書店)がある。
取材・文/安井桃子
※女性セブン2025年1月2・7日号