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写真2枚
心の拠り所が社会にないんです
生徒たちは熱心に耳を傾け、講演後には「“今考えないといけない”、という杉さんの言葉が心に残りました」などと感想を語った。最後に代表の生徒5人から花束贈呈が行われ、ひとりひとりと目を合わせ、肩に手をかけながら言葉をかけた杉。その後、どうしても伝えたいことがあると、再びマイクを握った。
「ここに集まった皆さんも日々、悩みがあると思います。悩みとは厄介なもの。“そんなつまらないことで”と言われたら怖くて友達には言いづらい、親にも心配かけるから言えない、そんな悩みもあるでしょう。素直に打ち明けられる場が必要だし、個人的にも受け付けようと思っています。自分だけで悩みを抱えている人は、私に言ってほしい」
杉は昨夏に映画の制作現場でも、こう語っていた。
「傍からしたら些細なことに日々深刻に悩んでいる人は、たくさんいる。そういう人たちの気持ちを楽にしてあげないといけないと思う。頼りになる人がそばにいなくて、行き場を失っている若い人が多い。心の拠り所が社会にないんです。彼らが迷わないように、悩まないように、すくすく生きていけるように、若い人たちのためにも残りの人生で力を尽くしたい」
目の前の若い人たちのために、自分は何ができるか。悩みを聞かせてほしいと手を差し伸べたその言葉に、杉の追求する人生が現れていた。