
6年にわたって欧州のレストランで修業を重ね、パスタの達人として大人気のファビオさん。そのレシピには、プロならではのおいしく作る秘密が満載です。そこで、定番人気のトマトソースパスタの作り方を詳しく教えてもらいました。
ざっくり大胆が本場イタリア流
「細かいことにこだわらず、ざっくりと大胆に作るのが本場イタリア流です」とファビオさん(以下同)。
「レシピを考案する際は、主婦である自分の母が作れるか?を想定しています。ですから、難しいテクニックや複雑な工程はありません。コツさえ押さえれば、『もうお店で食べなくてもいいんじゃない!?』と思えるほどおいしいパスタが自分で作れますよ」
定番のシンプルパスタをごちそうに格上げ!基本のトマトソースパスタ
シンプル&ベーシックなだけに、“おいしい!”というレベルに仕上げるのは意外と難しいもの。ソースをしっかり煮詰めることと、トマトの酸味を和らげることが決め手。パスタ料理の肝、スパゲッティのゆで方も要チェック!
【炒める】にんにくはつぶして香りを出す
フライパンにつぶしたにんにく2片分、バジルの茎適量、オリーブオイル大さじ2を入れて中火にかける。ふつふつと泡が出てきたら極弱火にし、泡が落ち着くまでさらに3分ほど加熱する。バジルの茎を取り出し、みじん切りにした玉ねぎ15gを加えて塩ひとつまみを振り、玉ねぎが透き通るまで中火で炒める。にんにくをフォークでつぶし、全体になじませる。
《Point》

包丁の腹を当ててにんにくをつぶす。
「みじん切りより簡単で、柔らかい風味になります」

「玉ねぎに塩を振ると水分が出て、短時間で炒められます」
フライパンを傾け、たっぷりの油で加熱。
【煮詰める】トマト缶と調味料を加えて煮詰める
ホールトマト缶1缶(400g)、塩・砂糖各ふたつまみを加え、トマトの身を崩しながら混ぜる。水分を飛ばしながら粘度が出るまで煮詰める。
《Point》

「トマトの身を崩して、しっかり水分を出してから煮詰めるのが大事。砂糖を加えることでホールトマトの酸味が和らぎます」

中火で水分を飛ばしながら、じっくり煮詰める。粘度が出るくらいまで煮詰めると、トマトの旨みが凝縮して濃厚な味のソースに。
【ゆでる】たっぷり塩を加えた湯でスパゲッティをゆでる
鍋に湯2Lを沸かして塩30gを加え、スパゲッティ140gをときどき混ぜながら袋の表記時間ゆでる。

「塩を多めに加えることでスパゲッティにしっかり味がつき、味がバチッと決まります。湯量の1.5%、ゆで汁を味見して『おいしい』と思うくらいが目安」
【仕上げる】ゆで汁を加えてソースの水分量を調整
【2】に【3】のゆで汁適量を加えて水分量を調整する。ゆで上がったスパゲッティ、バター10g、バジルの葉適量をちぎって加え、手早く混ぜ合わせる。器に盛り、粉チーズ適量を振る。
《Point》

加えるゆで汁の量は粘度のあったソースがトロッとするくらいが目安。
「ゆで汁を加えることで乳化し、全体がよくなじみます」