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《ラジオブームを牽引》お笑いコンビ・ナイツが語るラジオ「日常で起きたことを言葉でおもしろく描写できる人が真の“ラジオスター”」

お笑いコンビ:ナイツ塙宣之、土屋伸之
木曜日は11時30分〜15時30分まで2番組連続出演(左から塙、土屋)
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日本で初めてのラジオ放送は1925年3月22日9時30分、NHKの前身である東京放送局の仮放送所から始まった。それから100年、テレビの台頭やメディア、娯楽の多様化で斜陽を迎えた時期もあったが、インターネットを利用しての放送や配信が可能になったいま、幅広い世代に聴かれるように。令和のラジオの人気を引っ張っているお笑いコンビ・ナイツの2人にラジオの魅力を語ってもらった。

カセットに録音して聴いた青春時代

いま、日本でいちばん長時間にわたって番組に出演し“令和のラジオスター”と呼ばれているのが、お笑いコンビ「ナイツ」。レギュラー番組3本、週に15時間以上の生放送をこなす。

そんな2人は、ラジオを学生時代からよく聴いていたという。

「中学生の頃、うちではテレビを夜10時までしか見せてもらえなかったんです。だから夜は自室でタレント・伊集院光さんの『Oh!デカナイト』(ニッポン放送/1991~1995年)やDJ・赤坂泰彦さんの『赤坂泰彦のミリオンナイツ』(TOKYO FM/1993~1997年)などの深夜ラジオを聴くのが楽しみでした」(塙宣之・以下「塙」)

ツッコミ担当の土屋もまた、深夜ラジオにハマっていたという。

ナイツのラジオの様子のイメージイラスト
(イラスト/佐藤ワカナ)
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「ぼくは夜遅くまで起きているのが苦手だったので、カセットテープに録音して通学中に聴いていました。伊集院さんはもちろん、さまぁ~ずさん、コサキンさん(※1)のラジオが好きでしたね」(土屋伸之)

1970~1980年代は、土屋のようにラジオ番組をカセットテープに録音して聴く若者が多く、ラジオカセットレコーダー(※2)が普及したのも懐かしい話だ。

「ぼくは友達とクラスメートの噂話なんかをカセットテープに吹き込んで、ラジオパーソナリティーの真似事もしていましたね」(塙)

フリートークは家族との雑談のノリ

そんな2人が初めてラジオのレギュラー番組を持ったのは2011年。プロ野球のオフシーズンに、ニッポン放送のナイター枠を任されたことがきっかけだった。

「最初はフリートークも難しかったですね。でも、次第にぼくの中で、ラジオって家族で雑談している感覚なんだってわかってきた。子供の頃に兄から“今日こんなことがあってさぁ”って話を聞くのが楽しくて。だから、何でもない日常にこそおもしろいことがあるって思うんです。それをラジオで披露している」(塙)

とはいえ、レギュラー番組が増えたことで、《もう話すことないよ》と番組中にぼやいたことも。

「ありましたね(笑い)。そうはいっても普通に生きていたら毎日何かしら起きるから。
こんな普通の話をラジオでしていいのかな、どんな人が聴いているのかな、なんて考えすぎると逆にしゃべれなくなるから、あえて考えすぎないようにもしています」(塙)

ラジオはテレビよりも自由度が高く、性に合っていると塙は言う。

「テレビでおもしろい人が、ラジオでもおもしろいとは限らないんです。ラジオでは、日常で起きたことを言葉でおもしろく描写できる人がいちばん強い。それができる人が真の“ラジオスター”だと思います」(塙)

ラジオ愛が強い2人だが、塙は最近娘から「パパ、テレビに出ないよね」と心配されているのだと、最後にとっておきのオチをつけた。

(※1)“コサキン”は、タレントの小堺一機と関根勤がコンビで活動する際の愛称。
(※2)1967年に発売。コンパクトカセットテープレコーダー(テレコ)にラジオチューナーを内蔵した音響機器。

◆お笑いコンビ:ナイツ塙宣之、土屋伸之

ともに1978年生まれ。大学のお笑いサークルで出会い、2001年からコンビとして活動開始。芸人である故・内海桂子さんの弟子で、漫才協会、落語芸術協会、三遊亭小遊三一門として寄席でも活躍。2003年に漫才新人大賞受賞をはじめ、2022年には第39回浅草芸能大賞・大賞など数々の賞も受賞。

【出演中】
『高田文夫のラジオビバリー昼ズ』(ニッポン放送)毎週木曜(11時30分~13時)
週に2回の担当となった高田文夫さんに代わり、清水ミチコと3人で木曜アシスタントを務める。

『土曜ワイドラジオTOKYOナイツのちゃきちゃき大放送』(TBSラジオ)毎週土曜(9時~12時45分)
放送作家で作詞家の故・永六輔さんから続く“土曜ワイド枠”を引き継ぎ、2015年に放送開始。時事漫才などを繰り広げる。

『ナイツ ザ・ラジオショー』(ニッポン放送)毎週月~木曜(13時~15時30分)
2020年にスタート。「リスナーが本気で選んだラジオ番組最強番付2021」帯番組部門で2位を獲得。

取材・文/植木淳子

※女性セブン2025年3月20日号

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