
話題の学園ドラマ『御上先生』最終話までラストスパートとなり、松坂桃李の“官僚教師”役に注目が集まっている。そこで“熱血教師”“学園ドラマ”の代名詞とも言える、『3年B組金八先生』で生徒役だった川上麻衣子が金八先生の当時の思い出を語る。
迫田八重子役で出演、 “金八先生との思い出”
「金八先生は時代を映した社会ドラマの側面もあり、そこが支持された大きな理由だったのではないでしょうか」
金八先生が現代でも色褪せず、多くの人から支持される理由について話すのは、第2シリーズに迫田八重子役で出演していた川上。第1シリーズでは、15才の妊娠、出産といったセンシティブなテーマでありながらも大ヒット。そのバトンを受け継いだ第2シリーズでは校内暴力がテーマとなった。

「学校に警察が介入するという衝撃的なシーン。そうした騒乱の中でも、生徒の側に立ってくれる、信用できる先生がみんなほしかったんだと思います。
それが金八先生だったのでしょう。当時、自分の学校にはそういう先生がいないつらさが綴られた手紙がたくさん届きました。私を同級生や友達のように思ってくれていたんでしょうね」(川上・以下同)
実生活で通っていた玉川学園中等部と3年B組はまるで違う雰囲気だったという。
「生徒役の子はそれぞれ事務所や劇団の看板を背負っていて、お互いにライバル心がありました。話ごとにメインになる子がいるんですけど、私は結局1回もなれなかったのでうらやましかったです。
当時の撮影で思い出すのは、荒川の土手がとにかく寒かったこと(笑い)。正直、楽しかったことってあまりないんです。赤坂のTBSで午前3時に終わって、4時に生田スタジオ入りなんてこともざらでした。すでに人気だったヒロ(故・沖田浩之さん)の幼なじみ役だったので、カミソリ入りの手紙が毎週届くし、道を歩いていて石を投げられたことも…。そういうものだと思いつつも、やっぱり憂鬱でした」
いまでも“先生”と呼ぶ関係
武田鉄矢も芝居に対して厳しかったという。
「でも一度、泣くシーンで私のうるんだ目をいいねと言ってくれたことがあって。あれはうれしかったですね。武田さんのことはいまでも〝先生”と呼んでいるんですよ。舞台で夫婦役をしたときだけは『やめてくれ』って言われましたが(笑い)。
先生と普通に話せるようになったのは、何をしても“川上麻衣子”ではなく“迫田八重子”“金八の子”と呼ばれるしんどさも薄れた、20才を超えてから。いまでも相撲観戦に一緒に出かけるなど、仲よくさせていただいています」
◆女優:川上麻衣子
『3年B組金八先生(第2シリーズ)』に出演。優等生でクラスのマドンナ・迫田八重子を好演
取材・文/小泉咲子
※女性セブン2025年3月27日・4月3日号