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《オーバー40女性は注意》5つのタイプがある「口臭」を消す方法 少なめの水で「ブクブクうがい」、夜の歯磨き前に歯間ケア、舌専用ツール活用も

《オーバー40女性は注意》5つのタイプがある「口臭」を消す方法
《オーバー40女性は注意》5つのタイプがある「口臭」を消す方法(写真/Ushico/PIXTA)
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口臭は他人が指摘しづらいだけに、気づかない人もいれば、密かに悩んでいる人も多いデリケートな問題。だが、加齢とともに口の中はニオイが発生しやすい環境に。実は5つのタイプに分けられるという口臭について、正しいケアを身につけ、“さわやかな息”を手に入れよう!

口の中は“台所の三角コーナー”!? 雑菌が悪臭を放ち、歯周病も進行

「口臭は胃が悪いせい」とよくいわれるが、「それは間違い」と言うのは、歯科医・歯学博士の照山裕子さん。

「口臭の原因のほとんどは、口の中にあります。台所の三角コーナーに入れた“生ゴミ”が臭うのと同じで、口の中に食べかすが残っていると雑菌が繁殖し、これがぬめり汚れになって悪臭を発生させます。ぬめり汚れは細菌の塊であるプラーク(歯垢)になり、歯周病が進行する原因になります。50代以上で口臭のある人は、歯周病になっている確率がとても高いのです」(照山さん・以下同)

にんにくやにらなど、香りの強い食材を食べた後に起こる口臭は一過性のものだが、きちんと歯を磨いているのに口臭が気になる場合は歯周病の可能性が大きいという。

「歯周病は歯ぐきに炎症が起こる病気で、痛みなど自覚症状がなく気づきにくい。進行すると歯が抜けてしまうだけでなく、糖尿病や腎疾患、アルツハイマー型認知症、心疾患、動脈硬化、がんなど全身の疾患に関係するといわれています」

さらに、意外と見逃しているのが「舌苔」と呼ばれる舌の汚れだ。

「舌苔は細菌の塊。正常な舌は全体が薄いピンク色で、うっすら白い程度なら問題ありません。舌の表面が白く厚みを増したように見える場合は危険信号です」

加齢で唾液が減ると口の中が臭いやすくなる

若いうちは細菌に負けない抵抗力があるが、加齢とともに口の中に細菌が増えやすくなるうえ、唾液の分泌量が低下することも口臭を加速させる要因に。

「唾液は体の健康を保つ『魔法の液体』で、口の中を清潔にする働きがあり、唾液が減って口の中が乾くと臭いやすくなります。起床時や緊張しているときなど、口がカラカラに乾いている状態で口臭がきつくなるのはそのため。特に40代以上の女性は更年期でホルモンバランスが崩れて口が乾きやすくなる人もいるので注意が必要です」

口臭は歯周病などの病気を知るシグナルといえるが、自分では気づきにくい。

「口臭を自分でチェックするのは難しく、気になる人は医療機関を受診するのが確実です。まずは、上記の通り、ビニール袋に息を吹き込んで嗅いでみたり、使用後のデンタルフロスを嗅いでみると、自分の口臭を確認できると思います」

気になる口臭セルフチェック法

【チェック1】舌苔の状態を確認する

「舌の表面には細かいひだがあり、細菌が潜んでいます。舌苔は細菌の塊なので、舌苔がびっしり付着していたら口臭がある可能性がありますよ」(照山さん・以下同)

【2】チェック デンタルフロスの臭いを嗅ぐ

使った後のデンタルフロスや歯間ブラシの臭いをチェック。「汚れが詰まり臭いが発生しやすいのが歯と歯の間。自分の口臭がイメージしやすいでしょう」

【3】チェック ビニール袋に吹き込んだ息を嗅ぐ

ビニール袋に吹き込んだ息を嗅いで自分の口臭をチェック(イラスト/小出真朱)
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「ビニール袋に息を吹き込んで袋を閉じ、30秒ほど置いてから臭いを嗅いでみましょう」。自分の臭いを正確に感じるのは難しいが、不快な感じがあれば口臭の可能性がある。

体質で匂いが変わる 口臭タイプは5つ

では、口臭のタイプはどのように分かれるのだろうか。歯学博士で鍼灸師の中城基雄さんが説明する。

「東洋医学では体質を判断するのに舌の状態を見ますが、私が6000人以上の口臭を治療した経験からも、体質によって違いがあることがわかっています」(中城さん・以下同)

5つのタイプがある「口臭」を消す方法(写真/Ushico/PIXTA)
口臭タイプは5つ(写真/kei.channel/PIXTA)
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また、東洋医学では体を構成する基本要素は「気・血・水」の3つとされている。「気」はエネルギー、「血」は血流、「水」は体液を示し、これらのバランスが崩れることで体質が変化するという。

「その変化は舌にも表れます。正常な舌は『中庸タイプ』といい、色は赤すぎず、白すぎず、白い苔がうっすらとついており、唾液の分泌もよく口の中に粘つきがなく、口臭も発生しにくい状態です」

それ以外にも、口臭の典型的なタイプが5つあるという(表参照)。自分はどのタイプか確認してみよう。

「セルフチェックするときは、できるだけ自然光で確認しましょう。舌の状態をふだんから確認している人は少ないので、家族の舌と比べてみると違いが判断しやすいですよ」

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