整備工事を経て往時の姿を再現した朝顔型の美しい合葬噴
牽牛子塚古墳は全国に5基しかないといわれる天皇陵の象徴である八角墳で、「牽牛子」は「朝顔」を意味する。対辺長約22mの古墳の中に石室が2部屋並ぶ珍しい合葬古墳で、斉明天皇が娘の間人皇女とともに眠るとされる。すぐ側には、孫の大田皇女が眠るといわれる越塚御門古墳も発見された。斉明天皇の息子であり、間人皇女の兄、大田皇女の父である中大兄皇子(天智天皇)が合葬した説もある。「三世代が眠る古墳に、家族の愛を感じますね」(郁子さん)。見晴らしが良く、夏には朝顔が咲く。


DATA
奈良県高市郡明日香村越
1400年の時を超えて日本最古の仏像を拝む
蘇我馬子が発願し、596年に創建した日本初の本格的寺院である飛鳥寺。日本最古の仏像である本尊飛鳥大仏(釈迦三尊像)は高さ3m、銅15t、黄金30kgを用いて造られた。面長で鼻が高く大陸風の顔立ちが美しい。「貴重なお顔をこんなに間近で見られるなんて、感激です」(郁子さん)




(DATA)
奈良県高市郡明日香村飛鳥682
0744・54・2126
巨石を積み上げた日本最大級の石室古墳
盛り土が削り取られ巨大な横穴式石室が露呈した日本最大級の方墳である石舞台古墳は、蘇我馬子の墓と推定される。総重量2300tもの30数個の岩が巧みに積み上げられ、当時の土木・運搬技術の高さが伺える。「1000年以上前にどうやってこんなに大きな石を運んだんだろう。不思議ですね」(花音さん)


(DATA)
奈良県高市郡明日香村島庄133
古代の息吹が色濃く残る地は、歩くだけでどこか懐かしくて新しい。女性たちが力強く活躍していた飛鳥時代から、現代を生きるヒントを母と娘で見つけてみよう。
バイオリニスト・川井郁子
東京藝術大学卒業。大阪芸術大学教授。ジャンルを超えて作曲家、演出家としても活躍。来年にかけてCDデビュー25周年のツアーを開催予定。
アーティスト
川井花音
川井郁子さんの長女。絵画を中心とした創作活動を行っている。この春から慶應義塾大学に進学。
提供/JR東海 取材・文/岸綾香 撮影/深澤慎平
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